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非幸福者同盟  作者: 相羽裕司
第十話「夏の雪明り」
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206/277

206/八月十四日1~脅え

 八月十四日。


(何。怒ってるんだよ)


 そういう自分がまだ、アスミに対してイラついている。もう、一緒にいられる時間も少ししかないかもしれないのに。


 胡乱(うろん)な瞳で亡霊のように彷徨っていると、百色ちゃんを探したN町商店街と隣接する仮設住宅地区に迷い込んでいた。


 一軒一軒の壁が、アートのようなもので彩られている。


 アートは繋がりの象徴であり、癒しの効果を念頭においたものであり、そして住居に絵を描くということは、その家があくまで「仮」の住居であるということを意味している。


 百色に彩られた小さな構築物が並ぶ先には、大きな構築物が建設されている現場も見える。被災者が入居するための災害復興住宅は今日も建設中。がたいの良い工事のおじさん達がいつものように行きかっていた。


(きっと、また壊れる)


 復興の足音に背を向ける。


(震災の日も。当日まで幸せだった人がいたんだ)


 ジョーはまた街の音が聴こえない、そして人がいない場所を目指すように歩き始めた。


(そんな幸せな人を守るために、誰かは幸せを手放していたんだ)

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