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取り替えられた令嬢は終わりを待つ  作者: 雨傘 はる


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12/12

物語の始まり


イヴェットの結婚式は、よく晴れた花盛りの季節だった。

父とバージンロードを歩き、フランソワの元までたどり着く。


「大切にしろ。これは私の娘だ」


「もちろんです」


輝かんばかりに色っぽい新郎の笑顔に鼻で笑った父は、あの日以来すっかり涙もろいイヴェットを見下ろす。

翡翠の瞳には、優しさと愛情と、ほんのわずかな寂しさが揺れている。


「何かあるごとに帰って来なさい」


「そんなに何もありませんよ、義父上」


「何もなくとも帰って来ればいい」


「いえまあ、顔は出しますけど」


「なんなら出戻りでも構わない」


「なんてこと言うんですか……」


父とフランソワのやり取りに、ふふと笑うと、二人はようやく安堵したように息を吐いた。


「イヴェット」


「はい」


雨のように花びらが舞う中、新郎のあたたかな手に娘を預けながら、父は言う。


「おまえは私の誇りだ。幸せになりなさい」


ありがとう。父様。

また涙が溢れて、フランソワが差し出してくれたハンカチを受け取りながら、イヴェットは夫となる人に寄り添う。


────大丈夫。もう、わたくしは大丈夫。


筋書きのない、この手で描く物語をゆくのだ。

恐れながら、怯えながら、慄きながら、それでも。


ぬくもりあふれる、家族たちと共に。











お粗末様でございましたm(*_ _)m

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