47.お姫様を救え!6
暴力的な表現が出てきます。
苦手な方はご注意ください。
ガアンッ!!
竹刀(箒)を振り下ろすとジャガーがメイドから奪ったトレーで防御した。
「くっ!」
トレーを使うとは!
しかもメリアーナ、やっぱりお嬢様だから筋力無さすぎて力が弱い!
衝撃でこっちの手が痺れる!
ジャガーに掴まれて赤黒く痣になってる腕も痛いし!
箱にぶつかっていた肩や背中も痛い。
「ふふふ。メリアーナ、その箒で僕を倒そうとしているの?可愛いね」
ひー!
力まかせにグイグイ近づいてきたー!
意外と力が強い!
こんな時なのにふと思い出した。
…おまえはアイツだ!!
中学剣道部で女子部員に壮絶に嫌われている男子部員がいた。
女子相手だというのに力まかせに体当たりをしたり、思いっきり竹刀を振り下ろしてきて面を着けていても痛いし、防具でカバーできていないところまで打ってきた…片岡だ!
「片岡!あの時の恨み忘れはしない!っていうか思い出した!」
間合いを取り竹刀(箒)を構える。
ジャガーと片岡をまとめて成敗してやる!
踏み込んで竹刀(箒)を振り下ろし面!と思いきや太ももーーー!!
バシッ!!
「痛いっ!」
太ももに当たった!!
お前がいつもやってた技だ。
面から胴に技を決めようとして太ももに竹刀を当ててた卑怯者め!
「やったわ!片岡!女子部員の恨み、思い知ったか!!」
ほんの少し気持ちが晴れた。
そしてまた間合いを取り、竹刀(箒)を構える!
「女の敵!ストーカー・ジャガー・片岡、覚悟しろ!!」
ジリジリ間合いを詰める。
…いける!!
振りかぶってメーーーン!!
ストーカー・ジャガー・片岡に向かって竹刀(箒)を振り下ろす!!
ガシャンッ!
「!!」
力いっぱいトレーで弾かれ竹刀(箒)が飛ばされ壁に当たった!
ガンッ!!
ああっ!竹刀(箒)がーーー!!
しかも、さっきの変なジャムのせい?
力が入らなくなってきた…。
体がよろけた時にうしろにソファーがあり、躓いて倒れ込んでしまった。
ストーカー・ジャガー・片岡、成敗できず……。
「薬が効いてきたかな?メリアーナが悪いんだよ。さぁ、僕が優しくしてあげるからね…」
ニヤニヤしながらジャガーが私に近づいてくる。
薬!?やっぱり変なの入ってた!
今世でも片岡は卑怯者なのか!
しかも優しくって何!
ジャガーが私の上に覆い被さろうとしたときに、遠くの方から騒いでいる人達の声が聞こえた。
「な、なんだ!?」
気を取られたジャガーの力が緩む。
その隙にソファーの上から転がるようにして下りた。
部屋の外に出たい一心で震える体に力を入れて扉に向かう。
「メリアーナ。もうそろそろ眠たいでしょ?無理はしないで」
騒ぐ声が聞こえなくなったからか、ジャガーが私の方にまた近づく。
「くっ…」
睡眠薬!?
ダメ!眠るな私!!
壁に手と肩をついて震える足でなんとか立つ。
部屋の扉に手を伸ばすが届かない!
涙で視界が揺れる。
レイ様!助けて!!
頑張ったけど、もうダメかもー!
ズルズルと崩れ落ちる。
私はここから出られないの?
もうレイ様と会えないのかな?
もう話もできないの?
私の好きなあの笑顔を見ることもできないの?
涙が次から次へと溢れてくる。
「う、レイさ…ま」
視界が暗くなってきたその時…。
バンッ!!
勢い良く部屋の扉が開いた。
「メリアーナ!!」
「なっ!おま…っ」
ダアンッ!!!!
大きな音がした。
一本背負い…?
視界が狭くなってきた中で誰かが投げ飛ばされたみたいにぼんやりと見えた。
「せ、んむ……?」
誰かに強く抱きしめられた。
安心する香りがする……。
私の意識はそこでプツリと途切れた。
【作者からのお願いです】
薬は正しく使用してください。
危険ですので決して真似はしないでください。
剣道にも正しいルールがあります。
反則技は決して真似しないでください。
よろしくお願いいたします。
トレーと箒も正しくお使いくださいませ…。




