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59話

何やら朦朧とする中、ユウキは何とか意識を保とうと歯を食いしばるが耳鳴りが酷く、立ち上がる事すら出来ない。


『あぁ〜そう言えば、耳の奥の三半規管がオカシクなってると立つ事も出来なくなるって何か聞いたなぁ〜』


っと、どうでも良い事を頭の片隅で考える辺り、実は余裕があるのかもしれない。


『ははっ、こんな状況なのに、自分の体の変化が分かる。あれだ、この大陸で何かしらの行動をする時は、魔力を使うんだなぁ〜うん』


体から背中に向けて吸い取られていく感覚、少しずつ分かってきた事が『あっこれ、さっき鎮静魔法使った時と感じが似てるなぁ〜』っと言う事だった。

半分パニックになっている精神状態と、冷静に分析している精神状態に、自身が驚いている…一応。


『これも爺ちゃんの教えのお陰…でいいのかなぁ?いつでも心の中では冷静であれって言ってたし…あれ、言ってたよな?あれれ?』


少しでも気を抜くとテンパる心の状態だが、すぐにでも考えに集中する。

そんな事を心の中で繰り返していると、胸の辺りを中心に何やら温かいモノが流れ込んでくる。


『これ…は?』


うっすらと目を見開いてみると、リリーナがユウキの胸に手を当てて何かをしている姿が見えた。

それと同時に、自身の体内から吸い取られていたモノ、恐らく魔力と思われるモノの流れが三分の二程度まで減った…気がする。


『リリーナか?リリーナが何かしてくれている?いや、この感じは魔力?魔力を俺に送っている?』


声を出そうとするが、舌が貼り付いてしまったかのように動かない。

リリーナは集中しているらしく、薄目を開けているユウキに気付いていない。


さっきより楽になった感覚に、余裕が出てくると、こうなった原因に目を向ける。


『まぁ、言うまでもなくコレだよなぁ〜』


目を閉じれば緑の線がかなり伸びていた。

このまま行けば、あと数分で浮遊大陸を一周して囲むだろう。


その動きに合わせるように、ユウキの体内から何かが背中側より出ていく。


『つまりアレだ、この緑の色がゲームの時お世話になった防御壁だったとしたら、これ設置するのに各ポイントじゃなくて、俺の魔力で補ってるって事じゃねぇか、あぁ〜チクショウ、予想外だったよ』


自身の今の魔力がいくらで、壁を作るのにどれだけ使っているのか分からないが、それでもユウキは楽観視していた。


『ふふん、魔力を使っているんだとしても、俺の魔力は五十三万あるんだぜ〜。伊達に八年間も魔力の果実を食べまくったわけじゃないんだぜ〜』


っと、自分の魔力量に自信…っと言うより過信し過ぎていた。

その過信による大惨事まで『後五分』


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