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割と博識な元死神さん









思考停止から持ち直し改めてステータスを見る。


──────────────────────────────

天堂 蓮


種族:死神

年齢:──

職業:※※※支配者

性別:男

配偶者:ルターナ


LV1

体力:error

魔力:error

物攻:error

魔攻:error

敏捷:error

物防:error

魔防:error


固有スキル

【魂魄強奪LV9】

〈霊力0〉


【神技LVerror】


【全知LVerror】


【創造LVerror】


【万物支配LVerror】


【万象支配LVerror】


【時空支配LVerror】


──────────────────────────────



なあ、どう思うよこれ?

ちょっと頭イっちゃってるよな。


何か昨日取得したばっかのスキル無くなっちゃったし。

そもそもスキルがないし。


つーか、まだ俺LV1だったな。

もう、ここまで来るといっそ清々しいわ。

LV1であることに誇りすら感じちゃいそうだよ。

だって今の俺のまともなステータスって、名前と性別とレベルだけなんだぜ?

配偶者は配偶者があれなので放置。


職業がまた変わったと思ったら、なんかバグってるし、バグってなくても支配者って何よ?


と言うか霊力が無くなってる。

ちょっと悲しい。


ちなみにスキルの効果はこれだ。



──────────────────────────────


【神技LVerror】

「技」を神の領域で使える。


【全知LVerror】

「知」を全て知ることが出来る。


【創造LVerror】

万物を無から作り出せる。


【万物支配LVerror】

万物を支配する。


【万象支配LVerror】

万象を支配する。


【時空支配LVerror】

時空を支配する。


──────────────────────────────


うーん、アウト。


俺は神様かっての!



……あっ、俺神様だったわ。



アッハッハッハッハ。




「蓮?どうかしたの?」


ちなみに例のごとく頭で俺はステータスを見ていた。

ポカーンとしてたし、アホみたいだったろう。

ちょっと恥ずかしい。


「あ、あぁ、受け止めきれない現実に直面してな…」


「ちょっと見せてみなさい」


「見せられるもんなのか?見られちゃダメだろステータスって」


「バカね、配偶者の特権よ。他の人には見せたくても見せられないわ」


「ほほう」


再度ステータスオープンと唱え今度は普通に出してみる。

そうするとルターナがステータスを覗き込んできた。


……ち、近い。


「………は?」


おー、ルターナも硬直しました。

でもこの体勢で固まらないで、マジで!


………ルターナいい臭いがするなと考えてしまった自分をぶん殴りたい。

これじゃ変態だ。


「お、おい、どうだ?」


「……」


「ルターナ?」


………返事がないので脇腹を突っついてみる。


「ひゃんっ」


ビクッっとなって、こちらを睨んで来た。

顔が真っ赤だ。







………やばい…顔がにやける。


「ちょ、ちょっとしたジョークだよ、そんなに怒るな。で?どんなだった?」


頬がヒクヒクしててうまく喋れない。




しばらくすると、ため息を吐きポツリと呟いた。


「一言で言うなら異常ね」


「どこら辺がだ?」


「あなたの頭が」


「そかそか、そんなに恥ずかしかったか。ごめんな?」


そう言って頭をポンポンしてみる。

俺としては挑発でやったんだが、そうでもなかったらしい。


「……」


ルターナは俺の手を退けるでもなく、ただ顔をそむけた。







………ナデナデ。






隊長!ルターナの頬がヒクヒクしております!


なるほど…続けたまえ!!




……ナデナデ。






隊長!ルターナの顔が赤くなってきております!


なるほど…続けたまえ!!




ナデナデ

ワシャワシャ

ナデナデ

ワシワシ






隊長!ルターナの顔が真っ赤です!!


なるほど……そろそろ後が怖いのでやめます。




「あっ…」


パッと振り返って俺を見る。


「なんだ、まだしてて欲しかったのか?」


「ち、違うわよ」



よく言うよ。


ちょっと不満げじゃないか。







………かわいい。


「で、どんなだったよ?」


「だから異常よ。特にスキルがね」


「だよねー。職業に変なのがあるけど、これはどんな意味なんだ?」


「職業は言うなれば天職よ、その人が最も適しているものが出る。それにこう言った意味の分からないものがあるのは、可能性を示唆するの。今は無理だけど、いつかは天職になるものがあるってね。◯◯の勇者とか、□□の魔王とかよ」


「つまりそこに救済の勇者とか、破滅の魔王とかが入ると?」


自分で言ったが痛くないかこれ?

─俺は救済の勇者、◯□◯だ!─的な?

いたたたた!


「そうよ?隠れている文字が多いほど、強力で文不相応なことを示すの。蓮は3つだからかなりのものね」


「素直に喜べないな」


後に続くのが支配者なだけに…


「喜びなさいよ?これは潜在能力の高さを示すものなんだから」


そう言ってルターナは寄りかかってきた。


「繰り返しになるけど蓮のスキルははっきり言って異常よ。それを理解するにはまずスキルそのものを知らないとね」



………やわらかい。

やばい、くっ、また顔がにやけそうだ。

ルターナめ、余裕ぶりやがって。

無理すんなよ、実際は恥ずかしいんだろ?

正直に言ったらどうだ?


ルターナはどぎまぎしている俺を置き去りに、スキルの説明を始めた。


「スキルとは、ただのスキルと固有スキルの2つが基礎となっている神のシステムで、蓮の世界で言えば資格みたいなものよ。そして、ただのスキルとは神から与えられただけの能力や技能の事よ。だっておかしいでしょ?努力すれば必ず結果が帰ってくるなんて。でも固有スキルは別。これは個人が普通のスキルでは示せない能力を持っていた場合に、神が作るの」


ほほぅ?

結構ぶっちゃけた話だな。

神以外に知ってる奴いないんじゃないか?


「つまりスキルは神から与えられただけで、固有スキルは元々持っていた能力を神が固有スキルと言う形で可視化したと」


「そうよ、補足するならスキルにもうまく使える、使えないがあるわね。それが上達速度に繋がってくるの」


あぁ、ちゃんと努力する意味はあるらしい。

自分の努力の成果が全部神のおかげだなんて、あんまりだしな。


「そして例外的に神のスキルなんてのもあるわ」


「神のスキル?」


「そ、これよ」


そう言ってルターナは「ステータスオープン」と唱え、自分のステータスを見せてくれた。




──────────────────────────────

ルターナ


種族:神族

年齢:──

職業:──

性別:女

配偶者:天堂 蓮


LVerror

体力:error

魔力:error

物攻:error

魔攻:error

敏捷:error

物防:error

魔防:error


固有スキル

【死神】※使用不可


──────────────────────────────


──────────────────────────────

固有スキル

【死神】

種族:死神の神族に最高神が与える固有スキル。

生命の死を司る。


──────────────────────────────



「レベルが…ない?」


「そう、これが神のスキルの特徴。そして、蓮が異常と言う何よりの証拠」


そう言ったルターナの顔は、何故か辛そうに見えた。


「私は蓮に死神としての力を奪われた。なのに私のステータスには未だに死神のスキルがある。これがどういう事か分かる?」


なにも言えなかったことを分からないと解釈したようで答えを告げる。


「これはあなたが死神としての資質を元々持っていたと言う証拠なのよ」


「………」


「はじめて見たときはビックリしたわ。蓮は私から死神の力ではなく死神の資格を奪ったのよ?たったそれだけで神になれる力があった」


「………」


「それは十分に異常な事よ。本当に人間だったの?って疑っちゃうくらい。でも、それだけじゃなかった。蓮の支配系統のものは分からないけど神技、全知、創造はそれぞれ技能神、賢神、創造神が持つはずの力なの。つまり蓮は死神としての力以外にも、最初からその身に3神の力を宿しているのよ」


「だがレベルはあるぞ?errorって出てるけど」


「スキルの名前は、それ固有ものだから同じものは絶対に無いわ」


「…マジか」


じゃあやっぱり俺の固有スキルは神と同じものなのか。

使えないけど………


「って待てよ?俺、スキル無くなったんだぞ?、めっちゃ不便になってんじゃんか。しかも空間魔法に仕舞っていたの全部ぱぁになってないか??」


それはまずい。

金だけならまだいいが、俺はポケットに仕舞った冒険者カードも空間魔法に仕舞っている。


「そのくらいなら使えるわよ。本領が発揮できないだけだもの」


「紛らわしいわ!」


ちょっと焦ったぞ。

なので、もう一度脇腹を突っついてみる。


「ひゃんっ」


脇腹弱いなぁ。

今度は突っつかれた場所を抑えピクピクしている。


「う、うぅぅー」


そのうち顔だけ上げて睨んできた。

全く怖くありません、かわいいだけです。


「蓮ってあれよね、意地悪よね」


「わりぃ、性分でな」


そう言ってまた頭をワシャワシャ撫でる。

小柄なルターナはとても撫でやすい。


「卑怯だわ、ほんと」


また顔をそむけてしまう。

ルターナはかわいいなぁ。







やっぱり、なんかすっごいあっさり心を許してしまう。

妹と被るから、だろうか。

それだけじゃ無い気もするんだよな…






………決めた。



今度、指輪を用意しよう。


何て言って渡そうか?


そう思ってルターナの顔を見ると目があった。





「ボーッとしちゃって、どうしたの?」


「……いや、なんでもない」



少し見とれてしまった。


俺はその事を誤魔化すように話題を変える。


「そう言えばこの角はどうする?このままじゃダメだろう」


「その角は多分仕舞おうと思えば仕舞えるわよ?ほら、蓮は翼を普段仕舞ってるでしょ?それと同じよ」


言われた通り翼をしまう感覚で仕舞ってみると、角が翼と同じく体に沈んでいった。


「お、おぉ、何度やっても慣れない感覚だな」


なぜかルターナがペタペタと、こめかみを不思議そうに触ってくる。


「……」


「……」


なんだこれ?


ルターナはボーッとしながら触り、少しして満足したのか手を離した。


「…すごいわね」


「ルターナには翼とか角とか無いのか?」


「無いわね。こう言ったものを直に見たのは、はじめてよ」


「大体はあっても仕舞えないし、見る機会なんてそうそう無いわよ」


「そんなもんか」


「そんなもんよ」







──ぐぅぅぅ──


ルターナのお腹はタイミングを狙ってる気がする。


しかし、いつまでも笑いを堪えたままの俺ではない。

俺は昨日のことを活かし紳士的に言う。



「…ご飯、食べにいくか」


昨日の事といい、ルターナは腹ペコキャラに定着しそうだ。


「ちっ違うの!ここ、これは違うの!」


後から思い出すと、この時の俺はどうかしていたとしか思えない。


「な~に~が~違うんだよ!」


そう言ってルターナ脇腹を突っつく。


「ひゃあっ、ちょっ、やめっ」


「鳴ったろ?がっつり鳴ったよな?」


言い聞かせるように言いながら、つんつくつんつく。

ルターナは打てば響くように反応を返してくれるので、だんだん興がのりルターナに向き直って両手で弄る。


「わっひゃう、うっ、あっ、ひゃんっ」




そして数分後。






「はーっ、はーっ、はーっ」


息も絶え絶えなルターナを見て、俺は我に帰った。






たくさんの人に読んでもらえて感謝でいっぱいのぽむぽむです。

これからも読んでいただければ幸いです。

それではー。

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