52/109
52.「添付 ――賞金首『辞典泥棒』捕縛④――」
今週末もやります、連続掲載。
「お手柄だったね」
フィッツシャーのギルドに報告したのは、あれからしばらく経ってからになった。
手に張り付いて取れなくなってしまった荷物の正体は一冊の辞典だった。
百科事典程度の大きさの物質が片手を封じてしまい外す方法も見つからないまま、ひとまず泥棒が逃げられぬよう電柱にくくりつけてギルドに出向いたわけだが。
「あの泥棒が盗んだ珍しい書物って、これ?」
ミズハは右手にくっついたままの辞典を見せた。
「あぁきっとそれだよ。盗まれた物まで取り返してきてくれるなんて噂通り優秀なハンターだ。んっ、どれ。いつまでも掴んでないで早く渡しておくれ」
こうして手から離れない辞典を文字通り手に入れた経緯を、フィッツシャーの責任者に説明することに。




