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蒼焔の魔女 ~ 幼女強い 【感謝! 8000万PV・書籍版第1巻2巻同時発売中・コミカライズ企画進行中!】  作者: 一 二三


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生態系の覇者 ⑪

「・・・北部や東部でも魔獣被害は出たはずでは?」

「そう頻繁には無いぞ?」

 バルトロイさんが首を振って、ドネルクさんも頷く。


「だな。頻繁に来られては、おちおち暮らして居られん」

「・・・それもそうですね」

 ふぅん? 個体の強さは北部や東部の方が上だけど、個体数はそこまで多くないと?


 北部に出るワイバーンや東部に出るグリフィンの素材は、お肉を含めて価値が高いらしんだけどな。

 単価を取るか供給数を取るか、私は安定的にお肉の現物が獲れる方が良いな。

 良い値段で売れるのなら売却益で外部から食料を仕入れることも出来るだろうけど、貧乏性の私は換金ロスやタイムロスが発生する高額な稀少品よりも、手元に有る大量の廉価品にこそ安心感を覚えてしまう。


「それで、渡河地点までどのぐらいだ?」

「・・・もう目と鼻の先のはずです」

 地面に浸透させた魔力での地形確認でも、航空偵察で目視した地形に近いことは把握している。

 水深がどうなのか、って部分は私の経験不足か自信が持てないんだけど、目視しつつ魔力の手で探れば確信を得られるだろう。


 そっちは問題無い。

 問題点が有るとすれば、胸の中で魔力が―――、精霊らしき存在がモゾモゾしていることかな。

 空から見たときには、こんなことは無かったんだけど、渡河地点に近付くほど徐々にモゾモゾが大きくなってきている。

 私が違和感と不安感を抱いているのを見透かすように、ドネルクさんか私を見下ろしてくる。


「なら、周辺の掃討に掛からせた方が良いな」

「・・・普通はどうするものなのでしょう?」

 ドネルクさんのアドバイスに質問を返す。

 素人考えでの先入観を持つよりも経験豊富な先達の知恵を聞いてみたい。


「野営地を決めてから周辺を掃討する。状況によっては簡易な防塁を築いて陣地を構築することも有るが、ラクネにもガルダにも防壁は無意味だろう」

「・・・蜘蛛と鳥ですから、確かに無意味ですね」

 垂直な壁でも蜘蛛は登ってくるし、鳥は空から降りてくる。


 時間と手間を掛けて壕や土塁や防壁を築いても、その上から乗り越えられては障壁にならないのは明らかだ。

 んん? 上? 上、なのかな?

 意識せず、私の目が足元に向く。


「野営地が近いのなら、スッパリと割り切って掃討に人員を回した方が負担が少ない」

「・・・なるほど。そうします」

 何だろう?

 ドネルクさんに頷いて返したものの、下を意識し出したら、すごく足元が気になって来た。


 足元―――、地下と言えば、昨日気付いた地下の空洞―――、洞窟だ。

 気になって仕方が無くなってきたから、足の裏から地中へ「足」を伸ばしてみる。

 私の魔力の動きを感じ取ったのか、バルトロイさんの目が私へ向く。


「築くのは河岸の防塁だけだったか?」

「・・・そのつもりだったのですが、ちょっと迷っています」

「ふむ?」

 私の返事にバルトロイさんが首を傾げる。

 バルトロイさんの魔力が動いたのを感じたから、バルトロイさんも地中へ魔力を浸透させたのかも。

 私とバルトロイさんの様子に違和感を感じ取ったのか、ドネルクさんも首を傾げる。


「気掛かりでも有るのか?」

「・・・気掛かりというか、少し嫌な感じがするんですよね」

 つい、溜息が出る。

 無かったことにしようと考えていたけど、これは無理そうだなあ。

 フラグを回収する羽目になりそうな気がする。


「嫌な感じというと?」

「・・・胸騒ぎがするというか、落ち着かない感じです」

 ここで「精霊が騒いでる」なんて言ったら、いよいよバルトロイさんが帰らなくなるというか、私をお持ち帰りしようとしそうな気がするから絶対に言わない。

 そのバルトロイさんが目を眇めて足元の地面を睨み付けている。


「これか? 地中に大きな空洞が有るな」

「空洞だと?」

 例のアレを見付けてしまったバルトロイさんの報告に、ドネルクさんの目が厳しくなる。

 重苦しい迫力を伴ったドネルクさんの目差しをものともしないバルトロイさんもまた、険しい目で首を捻る。


「大きいというよりも巨大と言った方が良いか。地下水脈―――、いや。これは洞窟か? 端が掴めない規模・・・なのか?」

「お前が不明瞭な物言いをするのは珍しいな」

「どうにも変だ。そこに存在するのは分かるのに、魔力が通らん」

 だよねぇ。


 昨日のエレーナさんとノイエラさんと、バルトロイさんも同じことを言う。

 お母様と肩を並べる魔法術師のバルトロイさんでもダメだったか。

 今現在、私も「足」を伸ばして空洞の全容を把握しようとしているけど、昨日と同じで掴めない。

 ドネルクさんとバルトロイさんの目が谷底に居る私を同時に見下ろしてくる。


「しばらく前から嬢ちゃんの様子がおかしかったのは、それが原因か」

「君はいつからコレの存在に気付いていた?」

「・・・空洞の存在自体には昨日から気付いていました。ただまあ、意識してしまうと良くない状況を引き寄せてしまいそうで、異変を見落とさない程度に抑えて意識しないようにしていました」

 気にしているのが態度に出ちゃってたか。

 フラグを回収したくなくて目を背けていた私の敗者の弁を咎めるのではなく、歴戦の将でもあるお二人は肩を竦めただけだった。



生態系の覇者⑪です。


地下に広がる謎の存在!?

次回、拠点建設!?


※ 今日は私用でバタバタしておりまして大遅刻です!

  いつもの時間帯のお待ちいただいていた方々にはお詫び申し上げます!

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― 新着の感想 ―
これまで魔法で迷宮を調べた人はいないでしょうか?魔法の検査という発想は新しいと思いますけど。
モグラかミミズか? 何が住み着いて居るんでしょうね。
地下ダンジョンか?
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