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蒼焔の魔女 ~ 幼女強い 【感謝! 8000万PV・書籍版第3巻発売&コミカライズ、もうすぐです!】  作者: 一 二三


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精霊種 ㊲

「・・・うんうん。そっか。じゃあ、先ず自分の中に有る魔力は感じ取れるかな?」

「胃の辺りに有る熱のことだよな?」

 一番の問題児であるテツさんからの確認に頷く。


「・・・そうそう。それだよ。それ、動かせる?」

「「「「むむむむむむ・・・」」」」

 ああ。これダメなヤツっぽいね。

 テツさんと獣人族の3人が力んで唸り始めたけど、数分間経っても唸っているだけで何かが進展した様子はない。


「・・・だいたい分かったから、もう良いよ」

「「「はい・・・」」」

 ストップを掛けると4人が唸るのを止めた。

 獣人族組が落胆を見せて、テツさんに至っては最初から諦めてるのが在り在りと分かる。


 体内魔力の移動は放出をする際の放出量に関係してくるんだけど、4人とも魔法術師を目指しているわけじゃないしね。

 “出来る”と信じられるようになってから再挑戦させても良いかな。

 ここは後回しにして次へ行こう。


「・・・クァタルさんって身体強化魔法は使えるよね?」

「あまり得意ではないですが、一応は」

 最初の頃のエターナさんと似たような反応だな。


 体内保有魔力量が増えた今でこそエターナさんも苦手意識は無くなったみたいだけど、体内保有魔力量の少なさと女性ゆえの非力を補うためにお尻がカチカチに硬くなるまで筋肉を鍛えてたんだっけ。

 よく、あそこまで鍛えたもんだよ。

 本当にカチカチだったし、脳筋具合ではウォーレス領の人たちにも負けていなかったからね。


 たぶん、エターナさんの脳筋具合へのシンパシーでエゼリアさんたちもエターナさんを受け入れて、エターナさんのお仲間だからエウリさんたちも直ぐに受け入れられたんじゃないかな。

 ウォーレス血統の人たちが直ぐに模擬戦を始めるのは、仲間意識を強めるための”社会的毛繕い(グルーミング)”みたいなものなんだろう。

 クァタルさんにはストレートに訊いた方が早いか。


「・・・得意じゃないっていうのは、体内保有魔力量が少ないから使っていなかったせいじゃないの?」

「それは・・・、有るかも知れません。エクラーダ人は魔力量が少なかったですから」

 過去形か。

 てことは、テツさんの狩りに付き合わされて体内保有魔力量が増えた自覚は有るわけだ。


「・・・だったら、もっと使うと良いよ。以前と違って、今はそこそこの体内保有魔力量を持ってるんだから」

「あ。はい」

 理由の説明を素っ飛ばしたけれど、フレーリアのプリンセスパワーなのか、具体的なアドバイスをクァタルさんは素直に受け入れる。


「・・・イカウさんとミャウラさんは?」

「私も一応、使えることは使えます。ただ、私の場合、重たいものを運ぶときに少し楽になる程度で、戦闘に使えるようなものではないと言いますか・・・」

「アチシもニャ。高いところへ上るときぐらいしか使ったことないのニャ」

 なるほど? 自分が何を出来ているかは自覚していると。


「・・・ああ。苦手意識かな? どんな形でも使えているなら、もっと積極的に使って慣れると良いよ。2人とも、一般的なヒト族よりも体内保有魔力量は多いし」

 イカウさんとミャウラさんが驚いた表情になる。

 私のアクティブソナーは、私の魔力と接触した魔力との質の違いで他者の存在を探知するものだ。


 私が常時発動に近い状態で使うようになったアクティブソナーで捉えている反応の強さと、当人の体内保有魔力量が比例することは体感的に確信へと変わっている。

 2人の反応の強さで判断する限り、クァタルさんに近いぐらいの体内保有魔力量を持っている。

 それは狩猟業務に従事していない町の人たちに較べて遙かに多いものなんだよ。


「慣れですか」

「アチシも魔力が増えてるのニャ?」

 2人の質問に頷き返す。

 クァタルさんも含めた3人に共通しているものは、“出来ない”って認識だろう。


 これはテツさんが“魔法を使えないと思い込んでいる”原因も同じかな。

 出来ないと思っているから使わない。

 使わないから気付かない。


「・・・魔法ってね。慣れれば慣れるほど、無駄がなくなって消費魔力量が減るんだよ」

「そうなのニャ!?」

 乱暴な言い方だけど、慣れれば細部を意識しなくても使えるようになるのが魔法というものだ。

 意識せずに使うようになれば、だんだん、無駄な部分に魔力を籠めなくなっていくんじゃないかと推測する。

 そして、その無意識下の効率化に放出系の魔法も身体強化魔法も違いはない。


「・・・いきなり減るものじゃないから気付きにくいけどね。身体強化魔法は意識して魔力を使うものじゃないから余計に分かりにくいんだと思うよ」

「へぇ。そういうものなんだな」

 そこ! 他人事みたいな感想を口にしてるけど、“テツさんは特に”だからね!


「・・・実際、考えたこと無かったんじゃない? テツさんの場合はバカみたいに体内保有魔力量が多いし、意識するも何も勝手に発動していたんだろうし」

「パワーが上がってるな、とは思ってたが、俺、身体強化なんて使ってたのか」

 意外な指摘を受けたようにテツさんは目を丸くした。


 レイクスさんやケイナちゃんは、放出系を指して“魔法が使えない”と言っていたようだけど、よくよく考えてみれば、テツさんだって使っていないわけじゃないんだよ。

 体内で完結してしまっているか、体外にも効果を及ぼしているかの違いに過ぎない。

 だってね?


「・・・認識の問題かな。使っていなくて、あれだけの力が出たりしないよ。結果論としてテツさんも間違いなく魔法を使ってる」

「この俺が魔法をなぁ・・・」

 この頑固オジサンめ。信じてないな?

 自分のことを自分が信じてあげないで、どうすんの!



精霊種㊲です。


グルーミング!?

次回、心の問題!?

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