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蒼焔の魔女 ~ 幼女強い 【感謝! 8000万PV・書籍版第3巻発売&コミカライズ、もうすぐです!】  作者: 一 二三


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精霊種 ③

「・・・柔らかすぎると体が沈み込むから、ベッドは固めの方が腰や背中には良いらしいんだけどね」

「そうなんですか?」

 フォローを入れてみると、ケイナちゃんが首を傾げる。


 たぶん、森での生活は質素だったから、ベッドの柔らかさが落ち着かないって意味で恥ずかしそうにしたんだと思う。

 でも大丈夫だよ。ベッドというものは柔らかければ良いというものではないと、ベッド屋さんだったかマットレス屋さんだったかが宣伝広告を入れていた。


 確か、低反発マットレスで人間工学がどうとかこうとかって、あの辺の話じゃなかったかな。

 日本は健康マニアが多い国でも有ったから、健康を科学した結果なんだろう。

 変態的にマニアックな研究をさせれば世界一の国だったからね。

 イグノーベル賞だって、しょっちゅう受賞してるし。


「・・・そう聞いたけど、何事も“過ぎたるは及ばざるがごとし”って言うしね。個人的には、よく眠れるものが一番だと思うよ」

「すぎたるは?」

 ケイナちゃんの首の角度が深くなる。

 おっと。日本の(ことわざ)は拙かったか?

 誰も分かっていないっぽいし、このままちょっとした雑学ってことで押し通しちゃえ。


「・・・“過ぎる”っていうのは“やり過ぎ”って意味で、“及ばない”っていうのは“不足してる”ってこと。“やり過ぎは足りていないのと同じだよ”って意味の言葉」

「そういう意味なのですね。反省させられます」

 何か思い当たることが有ったのか、ケイナちゃんは苦笑を浮かべながら納得したというように頷いた。

 ルナリアも気付いたみたいだね。


「反省? 何か有ったの?」

「私たちはいつも“追い込み猟”で魔獣を狩っていまして、昨日のイエーティもやり過ぎた結果かと追ってきたのです」

「・・・“追い込み猟”?」

 イルカの? いやいや。分かってるよ?

 ケイナちゃんたちも、森で“イルカの追い込み猟”と似たようなことをしていたって意味だろうね。


「テツさんが魔獣を見付けて、私が術式を撃ち込んでテツさんの前へ追い出すのですよ」

「・・・ふーん? “巻き狩り”かな」

 普通の“巻き狩り”とは少しだけ違うけどイメージはできた。

 面白い狩猟の仕方をしていたんだな。

 普通は大人数で獲物を追い立てるんだけど、テツさんとケイナちゃんなら出来るのか。


 ていうか、テツさんの“危険物センサー”とかいうのって、正確な距離が分かるんだ?

 勘だと言っていたから、あくまでも体感かぁ。

 私には、ちょっと真似できそうに無いな。

 上手くイメージ出来なかったらしいルナリアが首を傾げて眉尻を下げる。


「術式でどうやって魔獣を追い出すの?」

「魔獣よりも少しだけ遠くへ撃ち込むのです。逃げようとする場合は逃げる先へ、大抵は逃げるのではなく襲いに来るのですが」

 苦笑で返したケイナちゃんが、サラリととんでもないことを宣う。


「・・・姿が見えない獲物を、わざと外して撃つんだよね? それって難しくない?」

「距離と方向はテツさんが教えてくれますから」

 簡単そうに言うけど、「少しだけ遠く」ってことは、ケイナちゃんは目を瞑った状態でも指定された距離に術式を発動できるってことだよ。


 私が散々、“蒼焔”をポロリしていたように、自分から距離が離れれば離れるほど魔力の制御は難しくなるものだ。

 かなり魔法に慣れた今でも、目視できない場所に指定された距離で術式を発動しろと言われても出来ないし、練習したとしても出来る気がしない。


 この「出来る気がしない」ていうのがメチャクチャ重要で、正確にイメージ出来なければ制御は難しくなるし、術式が発動しないことも有り得る。

 すごいな。ケイナちゃんってメチャクチャ魔法が上手いんだ。

 事の重大さをルナリアも理解できたようで、私と一緒に愕然とした表情になる。


「何メテル先に撃て、ってこと? うわぁ。難しそう・・・」

「慣れですよ。ただ、近くまで魔獣が迫ってくると、威力の加減を間違えることが有って」

 私たちの表情にケイナちゃんがクスクスと笑う。

 完全無欠かと思われたケイナちゃんもミスることは有るらしくて私もホッとする。


「・・・うんうん。焦ると加減を間違えるよね」

「フィオレもですか?」

 同意するとケイナちゃんが目を丸くする。


「フィオレは失敗すると地面に大穴を空けるのよ!」

「地面に穴ですか」

 ガバガバなルナリアの説明にケイナちゃんが首を傾げた。

 その説明じゃ、何がどうなって大穴に繋がるのか分かんないよね。


「フィオレが空けた穴が湖になった“フィオレ湖”が有るのよ。レティアの町にも“フィオレ池”が有るし」

「そ、そうなのですね」

 ルナリアが余計な追加情報を投下して、ケイナちゃんが頭の上にクエスチョンマークを浮かべている。


 あれ? ちょっと待って。レティアの町?

 巨大スライム事件のときに空けた大穴って名前が付いたんだ?

 “池”ならインパクトが小さいし、まあ良っか。


「・・・ルナリアも出来るし、ケイナちゃんもすぐに出来るようになるし、ヘーキヘーキ」

「私は叱られたくないから穴は空けないわよ?」

「・・・ええ~? 一緒に叱られようよ」

 余計なことを言う子は巻き込んでやろうとしたのに、私の思惑を察知したルナリアが抵抗する。


 勘の良いルナリアも大好物だから逃がさないよ?

 私とルナリアが脱線して遊び始めたことで、ケイナちゃんの目が“待て”を食らっているミセラさんと下働きさんたちへと向いた。



精霊種③です。


超高難易度技術!?

次回、お願い!?


※ 遅刻しました!

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