表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蒼焔の魔女 ~ 幼女強い 【感謝! 8000万PV・書籍版第3巻発売&コミカライズ、もうすぐです!】  作者: 一 二三


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1161/1214

再会 ⑬

「・・・私はフィオレ・ピーシス。リテルダニア王国ピーシス伯爵家の、名目上は当代当主だよ。ケイナちゃんのお友だち、と言えば少しは安心して貰えるかな?」

「噂の常識外れな伯爵様なのニャ!? ―――ハッ!」

「こんなに小さ―――、ハッ! 済みません!」

 髭モジャオジサンを崩しに掛かったのに、釣れたのは黒猫っぽいお姉さんと白黒の斑髪のお兄さんだった。

 2人して自分の口を両手で塞いでいる。


 ふぅん? 常識外れで小さいか。

 慰霊碑と私の実物を見れば、「常識外れ」も「小さい」も傍目に見れば事実なのだろうし、言いたいことは有っても否定できる要素はないな。

 ニコリと笑い返せば、しまった! という顔をしている2人の肩から力が抜けた。


 白黒の斑・・・? ホルスタインかな?

 偶蹄目っぽい形の耳をしてるし、大人しそうな雰囲気なのも乳牛種っぽい。

 ネコ耳と細長い尻尾のお姉さんの方は、警戒心が強いノーアと違って好奇心が強そうな感じが普通に猫っぽいね。

 レーザーポインターとかで光点を動かせば、すぐに釣れそうな気配がする。


 レイクスさんにお願いしたら、レーザーポインターを作ってくれないかな。

 いやいや。走りすぎて吐くまで光点を追い掛けさせてみたい、なんて考えてはいないけどね。

 乳牛種は牡だと牛乳が搾れないから食肉用に回されるんだっけ。

 いや。他意はないよ?


 乳牛種の牡がどうなるのか、どのぐらい猫を走らせたら吐くのか、少し気になっただけで常識外れで小さい私は根に持ったりしないし。

 私の探究心と自制心が葛藤をしていると、身長110センチほどの私よりも少しだけ身長が高い、茶色の髪をお下げにまとめた女の子が首を傾げた。


「ケイナさんのお友だちですか」

「・・・そうだよ。あなたのお名前は?」

 質問を返せば、名乗ることを忘れているようで、女の子はパチクリと瞬いた。


「えっ? あっ。リットです! リット・ドウェルチと言います!」

「・・・リットちゃんか。よろしくね。―――で、こっちはリットちゃんのお父さんで良いのかな?」

 他の人たちに話の腰を折られて、ようやく髭モジャオジサンに戻って来たよ。


 他の人たちは友好的な姿勢を示してくれたから、話の腰を折った件は許そう。

 失礼が有っても尊大な態度に出なかったことが良かったのか、リットちゃんとの穏やかなやり取りで毒気を抜かれたのか、髭モジャオジサンの目から警戒心が薄れている。


「むっ? ううむ・・・。儂はロブウッドだ」

「・・・ふむふむ。ロブウッドさんね。―――そっちのお2人は?」

 門前払いされず普通に話せるのなら、取っ掛かりとして最低限の関係構築はクリア出来ただろう。

 深追いせずに猫と乳牛の2人へと目を向け直す。


「アチシはミャウラにゃ。ミャウラ・マタタムブ」

「わ、私はイカウです。イカウ・ベルと申します」

 これで全員の名前は聞けたかな。

 全員が種族を思わせる雰囲気の家名なんだけど、亜人種族には、そういう文化が有るんだろうか?


 ピーシーズの獣人枠であるマーミナさん・マーリカさん姉妹の家名はクルシュ家なんだけど、別に種族を思わせる家名じゃないよね。

 地域性とか、そんなのが有るのかな。

 ディディエさんとダーナさんの家名なんて村の名前がそのまま家名になっているそうだから、田んぼの中に家が有ったから田中さんとか、木の下に家が有ったら木下さんとか、そんな感じだろうか。


 民俗学とか風土学とか、そんな分野なのだろうけど、あんまり興味ないな。

 私の背後でミセラさんが小さく咳払いをした。

 おっと。脱線している場合じゃなかったね。


「・・・ミャウラさんにイカウさんね。テツさんたちも一緒だから、みんな領主館へ来て貰えるかな?」

「テツたちも一緒か・・・」

 警戒心を抱かせないように気を付けながら、怖くないよ~? とアピールしてみる。

 ログウッドさん以外は問題なく受け入れてくれそうだけど、ロブウッドさんだけは慎重な姿勢を崩していない感じに呟く。

 もう一押し、必要かな?


「・・・レイクスさんたちもね」

「「「「「―――ッ!!」」」」」

 ダメ押しに出した名前に対する反応は劇的だった。


 そういうことね?

 エルフ族の存在が明らかになった際の危険性を理解していて、その上で仲間を守る意志は有ったんだね。

 うんうん。感心、感心。

 まだ詳しくは訊いていないけど、みんな“ヒト族至上主義”で不利益を被った経験が有るのかも。


「・・・事情は把握したし、私たちは味方だから、心配しなくて大丈夫だよ」

「レイクス殿たちも受け入れたのか。なら、儂らが肩肘を張る必要はないな」

 溜息雑じりにロブウッドさんが小さく首を振る。


 リットちゃんは心配そうにお父さんを見てるけど、ロブウッドさんにはまだヒト族に対する抵抗感が有りそうだね。

 簡単には不安を払拭することは出来ないかも知れないけど、私たちの基本スタンスを明言して理解を促すべき?

 だったら―――。


「・・・これも言っておいた方がいいかな」

「言っておく、ってのは?」

「・・・私たちも“神教会が大嫌い”だからね。いつの日か、この手でブッ潰すよ」

 探るような目を向けてくるロブウッドさんの目をジッと見返して宣言する。

 だから、手伝ってくれない?



再会⑬です。


根に持ってる!?

次回、故郷!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
cow bellって...
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ