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蒼焔の魔女 ~ 幼女強い 【感謝! 8000万PV・書籍版第3巻発売&コミカライズ、もうすぐです!】  作者: 一 二三


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精霊魔法というもの ㉘

 日本に居た頃は、空を見上げることなんて傘が必要そうか天気を見るためぐらいで、空を飛びたいと思ったことも無いし、全く興味が無かったからなあ。

 うろ覚えのいい加減な自分の知識に私が首を捻っていることを知らないお母様が、テツさんではなく私に質問を向けてくる。


「星が見えた、というのは?」

「・・・宇宙―――、空の星の世界に近い高空で、そんな高さだと昼間でも星空が見えるんだよ。よく生きてたね」

 お母様に答えつつ呆れた目を向ければ、げんなりした表情でテツさんは首を振った。


「マジで死ぬかと思ったぞ。先に穴から逃げ出した黒トカゲが下を飛んでやがったから、空中で黒トカゲの背中に取り付いてやったんだ」

「・・・飛んでるドラゴンの背中に飛び乗って墜落させたんだ? メチャクチャだね」

 背中に飛び乗れるぐらいだからドラゴンの体格が大きかったことは想像が付く。


 体積が大きければ空気抵抗も大きいから、追い掛けて落下するテツさんが空気抵抗を減らせばドラゴンに追いつくことは可能だったんだろう。

 だからと言って紐無しバンジージャンプで正体不明の巨大生物に素手で掴み掛かるなんて、どう考えても常軌を逸している。


「生きるか死ぬかだぞ? 生き残るためなら空飛ぶトカゲにだって乗るに決まってんだろ」

「・・・そりゃそうか」

 テツさんの言い分に納得してしまった。


 何もせず諦めれば訪れるのは確実な死。

 テツさんは娘さんのために絶対に生きて帰ろうと足掻いただけだよね。

 私だって生き残れる可能性が微粒子レベルでも存在するなら、巨大なドラゴンにだって挑み掛かるだろう。

 想像力を働かせたのであろうお母様がテツさんへ目を向け直す。


「“穴”というのは? チキュウ世界に空いた穴のことか?」

「ああ。真っ暗なトンネル―――、デカい筒状の穴を落ちてきた先に明かりが見えてな。その穴を抜けたら空の上だった」

 ワームホールかな?


 トンネル内外の照度差で真っ暗なトンネル内から出口を見れば光って見えるだろう光景は、トンネルを抜けた経験が有れば簡単にイメージ出来る。

 立てた人差し指を顎先に添えて考え中ポーズになったお母様が首を傾げる。


「世界と世界を隔てる壁―――、境界に穴を空けたのか?」

「世界とは空間だろう? 空間と空間を繋いだのなら闇術式だと思うよ」

 お母様の疑問にレイクスさんが仮説を提示した。


「・・・闇魔法って、やっぱり空間に作用するんだ」

「やっぱり?」

 私が漏らした呟きにレイクスさんが反応する。

 首を傾げているレイクスさんに見せるように、渋い表情のお母様が黒い球を作り出して頭上へ浮かべてみせる。

 あの球って基礎訓練のときにお母様が頭上に浮かべていた魔法の球の1つだよね。


「神教会はどうか分からんが、事実上、ヒト族は闇術式を喪失している。あらゆる術式を学んできたと自負している私でも、闇術式は精々がこの程度だ」

「ふぅん・・・。確かに闇の属性は帯びてるけど、性質が全く定義されていないように見えるね」

 黒い球に目を凝らしてジーッと凝視したレイクスさんが観察結果を口にする。


 あれってちゃんと闇属性だったんだ?

 闇魔法って何が出来るかも使い方も分からないものだと教わったけど、それでも闇属性の発動自体は手探りで成し遂げているのだから、お母様という魔法術師の優秀さがよく分かる。

 レイクスさんと一緒に闇属性の球を見上げながら考え中モードのお母様が首を傾げた。


「空間に作用する、と言ったな?」

「そうだよ。闇術式は空間に作用し、光術式は―――」

「・・・時間に作用する?」

 思ったことを口にすれば、レイクスさんは目を丸くして私を見た。


「そっちは知ってるんだ?」

「・・・知っているとは言い難いかな。治癒術式からの推測だよ」

 お母様が黒い球を消して、代わりに白色LEDみたいな“(ルーメン)”の球を浮かべる。


「光術式に関する知識は神教会が独占していてな。我々が知る光術式は、この程度だ」

「それは純然な“光”の術式だね。なるほど。ヒト族が闇術式を喪失したというのは事実のようだ」

 光の球を見上げたレイクスさんが納得顔で頷く。

 気になる言い方をしたね?


「・・・純然な?」

「いつの時代の誰が時間に作用する術式を“光術式”と呼称し始めたのかは伝わっていないんだけど、本来は“時間術式”と呼ぶべき性質のものなんだよ」

 へぇ。そうなんだ?


 じゃあ、やっぱり治癒魔法は光魔法とは違うものなのか。

 違う効果を持つ魔法を一緒くたにして呼ぶなんて、何でそんなことに? と疑問に思う部分は有る。

 でも、レイクスさんの説明に、光魔法に対して感じていた違和感というか、チグハグ感が解消された私が居る。


「・・・もしかして、神教会が勇者召喚に使ってる“召喚術式”って?」

「“時間術式”の一種だと思うよ。連中が使っている術式がどういう理屈で効果を生み出しているのかは知らないけど、光術式と闇術式は性質が似ているとは伝わっているから」

 ほほう? 性質が似てる?


 伝わってる、ってことはレイクスさんもよく知らないのか。

 国を滅ぼされて父祖の土地を追われた以上、史料や知識の喪失は理解できなくもないな。

 人類が積み上げてきた知恵を踏みにじって無に帰すなんて、神教会という存在は、とことん害悪だ。

 レイクスさんの推測にお母様も首を傾げる。



精霊魔法というもの㉘です。


光と闇!

次回、魔法道具!?

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― 新着の感想 ―
光と闇で完全に時空間魔法になったな。
んじゃ、闇は重力魔法だな。いや、空間を歪ませる魔法と言った方が良いか。
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