第34話
今回はメッチャ長いです。
室内に悲しげにすすり泣き声が漂ってる中、実彩はリュカの背中───左肩の後ろ───に以前確かめた時には無かった痣がハッキリと浮かび上がっていた。
その見た目は花弁が幾重にも重なった小さな花を真上から見たような痣だ。
一見精密な刺青にも見えるが実彩の目にはこれは刺青ではなく痣だと認識していた。
(………確かにあん時には無かったんだけどな。これ……やっぱりリュカの纏っていた靄と何かしらの関係があると見ていいか)
ローゼはリュカが母ソニアの中に居たときから呪いを掛けていたと言っていた。
(まさか、あの靄は元第二夫人がリュカに掛けていた呪い……か? リュカの変質した魔力といい表れた痣といい全く………面倒なこった)
「リュカ、もう服を着てもいいぞ」
「………」
返事が無い。まるで腐った魚の眼のようにドンヨリとしている。こりゃ不味い。
「うっらぁあ!」
「きゃあん!!」
子犬の鳴き声みたいな叫びを上げるリュカを見て、取り敢えずは正気に戻ったなと実彩は一人納得した。
「~~!! 一体何するんですか?」
「チョップをかましただけだろうが。何を大袈裟に……。取り敢えず早よ服を着ろ、風邪引くぞ。あぁ……後、お前の背中に正妻ソニアの日記にあった痣、確かにあったわ。確認出来たから私はもう行く。んじゃあな~」
「はぁい!? え? ち、ちょっと待ってください! ミーシャさん!?」
用件は済んだとさっさと部屋から去る実彩にリュカは待ったをかけるが、実彩が聞くわけが無く、服を着終えてなかったリュカはすぐに実彩を追いかけることが出来ずに取り残されるのであった。
実彩は真っ直ぐにある場所に向かった。
実彩の予想が正しければその人物はあの部屋に居るはずだと思ったからだ。
そしてその人物こそが実彩の抱えている疑問と幾つものシナリオを裏で仕組んで実彩を操っていた者だと感じていた。
目的地に着いた実彩は扉の前でピタリと止まった。
部屋の中からは明らかに人の気配がしている。
実彩はここでようやく自分の予想は間違っていなかったと確信したのだ。
扉をノックして返事を待たずに中に入った。
中には実彩の予想通りの人が椅子に腰掛けて突然やって来た実彩を微笑みながら迎え入れた。
「良く、来てくれましたね。君とは話も出来ずに終わるものだと思っていたので。君から訪ねて来てもらえたのは正直、嬉しいです」
「………」
そこにいたのは王都からやってきたラルフと彼が連れてきた派遣騎士の二人だった。
「私も詳しい話は聞きたいので良かったですよ、気付けて。それにしても随分人をこき使ってくれましたね? 契約時に交わした内容を鑑みるに、どーにも依頼内容と今回の仕事はほぼ詐欺紛いに近いように感じるのは私の気のせいでしょうか……?」
「ねぇ、レタック伯様?」
「ふっ、ハハハッ!」
急に笑い出したラルフの姿が歪み、一瞬後に現れたのはこの場所に居るはずのないクリストファーの父親でありレタック家当主にしてリメスの城主、アンドレアス・バーグレイツ・レタックその人であった。
「いやはや君にはつくづく驚かされるな。後学として何時私だと気付いたのか教えてもらえないかな?」
「ただの勘」
嘘である。本当は魔力を宿した『眼』で視たとき視界の端に僅かに映った髪の色でピンときた。光に邪魔されて本当の姿は視れなかったが、チラチラと見え隠れしていた髪の色の変化に気付いたのだ。
この時期にこの瞬間にクリストファーと同じダークグリーンの髪。どんな馬鹿でも察するだろう。
「……ふむ。まあ、そう簡単には答えてはくれないか……。どうだロイド、なかなか見所のある子だろう? この子ならば信用しても大丈夫だ」
「……個人的にはこの様な子どもに、ましてや女の子に国の厄介事を任せようとするのは些か気が引けるのですが……」
瞬間、派遣騎士の姿が揺らめいたと思ったらその姿を変えていた。
その様子を実彩は冷めた目で見詰めていた。驚きはしなかった。何故なら派遣騎士も姿を偽っていることに、とっくの昔に気付いていたからだ。
元から派遣騎士として来た者達の中にはアンドレアスと同じ光の靄を纏っていた者が数人いた。これで分からない方がどうかしている。
「───初めましてお嬢さん。私がこのスカイを治める領主にしてバズーラ家の当主ロイドです。貴女には第二夫人や息子が大変迷惑をかけてしまった……。夫として父としてこの場で詫びたい。本当にすまなかった!」
金髪緑眼の美丈夫。
洗礼された立ち振る舞いと思慮深く見える眼差し。丁寧な物腰と真摯な態度が、彼が実彩に本当にすまなかったと思っていると如実に伝えていた。
「リュカのこともそうだ。父親として助けるどころか愛する人の残してくれた形見を守ってやることすら出来なかった私の代わりに、貴女が愛息子を救ってくれた。ありがとう。貴女には感謝してもしたりない程だ……」
リュカを守れなかったことを本当に悔いているのだろう。握り締めているその両手は、細かく震えている………恐らくは爪が皮膚に食い込んで血が滲んでいるだろう。
「鍋……いや、マロリーを息子として扱うんですね。血が繋がっていないことはクリストファーから報告されているはずですが………」
思わず何時ものように鍋の具と呼びそうになってしまったが、ロイドは少し首を傾げただけで流してくれた。
「マロリーは、たとえ血が繋がっていなくとも私の息子として今まで育ててきました……。マロリーが『ああ』なった原因は私にもあります。その事実から目を逸らすつもりはありません」
真っ直ぐに実彩を見詰める眼に偽りは見えなかった。実彩は少しの間瞑目していたが、やがてゆっくりと目蓋を開いて静かに頷いた。
「親としての貴方からの謝罪は受けます。しかし私はアレを許す気はありません。そのことだけは心に留めて置いてください」
「………すまない」
これで……少なくとも実彩とバズーラ家との確執はひとまず解決した。残る問題は………。
「君とバズーラ家との確執は、これで和解したと思っても良いかな?」
傍観を気取っていたアンドレアスが二人に声を掛ける。
───ここからが正念場だ。
「まずは最初に聞いておきたいのですが……、今回の一件は一体何年前から立てられたら計画だったんですか?」
「……そこまで察していることこちらとしても手間が省けるな」
ヒントはそこら中に転がっていた。
まずは最初にアンドレアスが実彩に王都に広がるリュカとマロリーの入れ替えの真実を探る調査。今回のようにマロリーがロイドの血を引いていなかったというアクシデントはあったが、本来ならば正妻と第二夫人の子どもの入れ替えは家の乗っ取りという国に取っての大スキャンダルである。何故ならこれは簒奪行為だ。特に第二夫人であるローゼは他国の人間。正妻でない以上はローゼはソニアの産んだ子を害するなど反逆罪ととられたとしても文句は言えない。
それ程の大事を腕が立つからといって冒険者に、それも無名でほぼ素人の子どもに依頼などするわけがないのだ。それこそ国の上層部が徹底的に調べるだろう。
だとしたら考えられるのは……依頼された実彩でなく、実彩と一緒にスカイにやってきたクリストファーこそが鍵だと見るのが妥当だ。
クリストファーの言っていた王直属の部下である査察官。
アンドレアスとロイドがその査察官であるのはまず間違いないだろう。その二人が自分達の領域で起きている国の災いを見逃していた? 必要とあれば親類縁者を裏切り切り捨て利用すると恐れられている査察官が?
んなわけあるか、被害が出ているのに放置などあり得ない。見逃していたのだとしたらそこには必ず思惑があってのこと。それも一年、二年ではない。もっと長い時間をかけての計画。
そう思い付いた時、次に疑問に思ったことはリュカのこと。
彼らの様子を見るに、リュカがソニアとロイドの実子だと既に気付いていることが分かる。だとしたら何時でもリュカが正統後継者だと証明するものを用意していたとしても不思議ではない。
ならば実彩とクリストファーがスカイにきた意味は何だ?
考えられる理由は、
「私に連れられてきたクリストファーは囮ですね? 証人として連れてきた貴族子息、それも辺境伯という爵位も高い子息となれば誰もクリストファーを囮だとは思わない。成人したばかりで冒険者としても半人前、箔を付けるためにバズーラ家の調査に送り出したとしても不安の声は挙がれど不満の声は挙がらない。というところでしょうかね。そしてクリストファーと私を囮に使って貴方方は何をしたかった……。そんなところですかね」
「正解だ……。本当に、クリストファーがもっとしっかりしていれば君には是非、息子の妻になってくれと頼み込んでいたよ」
アンドレアスのクリストファーに対する評価は一体どうなっているのだろうか? アンドレアスの隣にいるロイドも実彩と同じことを思っている筈だ。胡乱な眼差しでアンドレアスを見ている。
「アンドレアス……。君はクリストファー殿をどう思っているのですか? 彼に期待しているのかいないのかまるで分からないのですが……」
「優秀な息子だと思っているぞ? 流石、私の子だとな。しかしクリストファーは辺境伯の跡継ぎとしては良いが『私』の後としては───はぁ、無理そうだなぁと思っているだけだ……」
(貴族子息としては合格点を出せても査察官としては期待出来ない──ということか?)
「いや? いっそミーシャ殿に『査察官』の後を継いでもらってクリストファーに家と領地を任せるのも………」
「お断りします」
即答、断然拒絶。断固拒否。
勝手に跡継ぎプランに人を巻き込むな。
「そうか? 残念だ。君になら任せられると思っていたのだが………。仕方がない、か」
「アンドレアス、そろそろ雑談は無しにして彼女に話してあげたらどうですか? 彼女も私達も暇ではないのですから」
ロイドは呆れた風情でアンドレアスを促す。
アンドレアスはやれやれと肩を竦めながら「遊び心がないな」と小さく呟いた。
聞こえてんぞ、コラ。
「君の言う通りだミーシャ殿。君達二人には査察官ではない国の上層部と他国の目を欺ける為の囮として利用させてもらった。クリストファーとミーシャ殿を危険な目に合わせてまで私達が欲しかったのは我が国と友好を結んでいるタージマハル国第三王女リリィ殿下だ。彼の姫君を王太子殿下の側室として嫁いでいただく。その為に私達はバズーラ家を利用した」
「タージマハル国?」
確か、コルト公国を挟んだこの国の友好国だったとセフィロトから貰った本に載っていたな。
「その国の第三王女を王太子の側室とするために犠牲を払ったと?」
「より正確には第三王女と王太子が婚姻することによるより確かな同盟が本当の目的です。その為に私とアンドレアスは陛下にも無断でこの度の計画を進めました」
ロイドの補足に実彩はギョッとした。
「国王に無断!? ちょっと待ってくれ、つまりあんたらは王の命令どころか許可もなくこんな大騒動をやらかしたのか!? 下手すれば国自体が滅ぼしかねないこんな事を!?」
丁寧な言葉使いが一気に吹っ飛んだ。
その実彩の反応にアンドレアスもロイドも待ったをかけた。
「勘違いしないでくれ。亡国の危機にしようとは私もロイドも思っていなかった……。まさかマロリーが禁術である魔獣の魔物化などといったことをやらかすなど思いもよらなかったのだ」
「私達の当初の計画ではスカイを敢えてローゼに掌握させることにより彼女の背後で糸を引いていた人物を引きずり出し、ローゼがバズーラ家とその領地、ひいてはバイエル国を裏切った反逆者としてタージマハル国に交渉することが目的だったんです」
どうやらマロリーの一件は二人にとっては想定外のことだったようだ。
「……なんでそこまでしてタージマハル国の王女を側室にしたいんだ? 側室っつうことは王太子には妃が居るということだよな?」
「すでに王太子には国内から王太子妃を娶っておられる。タージマハル国は我が国と並ぶ大国。力関係が対等な国に対してその国の直系王族を側室にしたいと言っても断れることは分かっていた。しかし我々は是が非でもリリィ王女には同盟の強化という形で嫁いでもらわなくてはならなかった……」
「だから、それは何故なんだ?」
「───コルト公国を倒す為です。そのためには手段を選んでいられなかった」
ロイドは深刻な表情でそう告げた。
「コルト公国?」
「タージマハル国とバイエル国の中間で隣接している国です。その国が近々戦を仕掛けてきます。タージマハル国と、我が国に。これはすでに避けられない事態となっています」
「本来ならば新興国家であるコルト公国が大国に戦争を───それも二カ国も相手取ろうなどと正気の沙汰ではない。地力が違いすぎる。にもかかわらずコルト公国は二十年以上前から明らかに侵略行為が目的と思われる間者を送りつけてきている。……最初は私とて愚か、と切って捨てていたのだが………その頃からコルト公国からきな臭い噂が流れ始めた。曰わくコルト公国は数多の禁術に手を出してついにその幾つかを成功させたとか、コルト公国には神々の力を手に入れたとか─────神皇陛下がコルト公国の味方をしているとか」
「神皇陛下?」
聞いたことがない名前に実彩が怪訝そうな顔を浮かべるがアンドレアスとロイドは実彩の表情が否定の意だと誤認した。
「君もあり得ないと思うのも無理はありません。世界樹に仕える幻の国────コーネリウス神皇国。彼の国は世界樹の根元に鎮座し世界の安寧を護る国です。かつて生きた伝説と謳われている二ケが建国に力を貸した最古の国であり今尚、守護者達と共に在り続ける方々が、その神皇陛下がコルト公国に力を貸す理由がありません。それに彼の国は世界樹より特定の国や組織に肩入れすることを禁じています。彼らが我々に接触するのは五代に一度、次代の神皇の伴侶を求めて来るときのみです」
なんでもコーネリウス神皇国には五代に一度、外との交流を目的として他国の人間を次代の神皇の伴侶に迎え入れるそうだ。
「余りにも胡散臭すぎる………。だからと言って此方から下手に手出しをすればそれを理由に攻め込まれてしまう。戦の準備をしていながら二十年もの間、コルト公国が沈黙しているのも不可解。理由は幾つか考えつくが……それも想像の域を出ないものばかりだ。警戒するに越したことはない。その程度の認識だったんだのだ、最初は。だが十六年前、ロイドの下にローゼが友好を目的として嫁いでくる時に事態は変わった」
上位貴族同士ならまだしも下位貴族同士の婚姻による友好などあまり意味がない。しかしローゼの実家とタージマハル国はごり押しに近い形でローゼをロイドの下に嫁がせようとした。バイエル国とて対等な関係であるタージマハル国からの無理やりな要望に憤慨していた。
ローゼの実家も外交の仕事を行っており、タージマハル国に訪れたロイドをローゼが一目惚れしたことが事の発端だった。ローゼを溺愛していた彼女の父親は娘の必死の懇願に動いたのだ。しかしロイドはすでに妻帯者。しかも新婚である。ロイドもバイエル国も最初は拒否した。外交を務める家だといっても所詮は下位貴族。人質として来るのだとしても地位が低すぎてバイエル国には利点がないのも理由の一つだったのだろう。
「ローゼと彼女の実家の子爵家のしつこすぎる求婚に嫌気が差した私は本国に頼んで別の外交官を派遣してくださるよう頼んだのです。陛下もタージマハル国に怒りを覚えていらっしゃったので私の要望は直ぐにとおり、私は本国に帰国することになりました。しかし………」
ここで、ローゼと彼女の実家は暴挙に出たのだという。
なんと帰国前夜に王城の貴賓室に滞在していたロイドに睡眠薬を飲ませ無理矢理既成事実を作ったのだ!!!
あまりに無礼過ぎる暴挙にタージマハル国の国王と貴族達は絶句。バイエル国は「貴様等の国の警備と貴族令嬢はどうなっているんだ! 我が国を侮辱しているのか!!」と戦争もじさない覚悟だったという。だが、コルト公国が侵略戦争を行おうとしている空気の中でタージマハル国と戦争など出来るわけがなく。バイエル国は金銭と貿易でタージマハル国に謝罪を求めた。
心と体に深い傷を負ったロイドは養療を兼ねて最愛の妻のいる領地に一時帰還。妻であるソニアは帰ってきたロイドに何も言わず、外交での帰還を労ったらしい。そんな妻の様子にロイドは癒やされ、帰還してから僅か一月でソニアは懐妊。
これには領内と王都の官僚や国王も殊の外喜んだ。
………タージマハル国からローゼがロイドの子を見籠もったという知らせが届くまでは。
「もっともその時の妊娠は誤診だったのですが、そんな事は当時の私達は気付きもしなかった……。分かったのはローゼがバイエル国にやって来て陛下が念のためと用意していた医師が再診したとき。しかし妊娠していなかったと分かってもすでにローゼはバイエル国に迎え入れられた後でした。くる前に分かっていれば………」
「あの女自身も自分が見籠もっていると露ほどにも疑っていなかった。妊娠していないたと知った時の荒れ狂いようは凄まじかった……。そしてそのままローゼはロイドの下に嫁いでいったのだ。……そこで話が終わればまだ良かった。あれ以上に悪いことなどないと思っていた。だが………あろうことかローゼはコルト公国と繋がりがあることが判明したのだ」
バイエル国の重臣達は国力が自分達の方が上だからと気にも止めていなかった。目下の標的は散々自国を馬鹿にしている態度を取ったタージマハル国。怒りに盲目になっていた重臣達は誰もコルト公国に注意を払ってなどいなかった───アンドレアスを除いては。
「あまりにもローゼが巻き起こしたこの一件はコルト公国には好都合過ぎる。今まで対等の友好を結んでいた大国同士の亀裂は、コルト公国からすれば付け入る隙以外の何物でもない。どちらかと協定を結んで攻め入るにしろ仲違いを悪化させて両国を戦わせ、疲弊した後に攻め入れば我が国もタージマハル国も簡単に墜ちるだろう」
そのことに気付いたアンドレアスは戦慄した。タージマハル国の対応のおかしさもコルト公国が裏で糸を引いていたとしたら?
王にも勿論そのことを知らせたが、コルト公国のような小国にそのような技量はない! と切って捨てられた。
だがアンドレアスはどうしてもそうとは思えなかった。
「だからこそ私はロイドに協力を求めた。ローゼがコルト公国と繋がりが有るのならばそれを利用してコルト公国の目的を炙り出すなり、タージマハル国とのより強固な同盟と新たな絆を結ぶ為に彼の国の直系王族の姫との婚姻を望んだのだ」
そしてその交渉はすでに終わっているのだろう。さもなければこの二人が名と姿を騙っているとはいえスカイには来ないはずだ。
………あ゛ー、なんか嫌な予感がするんだが?
実彩の頭の中でロイドが言った『国の厄介事を任せようとするのは気が引ける』というセリフがこだまする。
「ミーシャ殿。タージマハル国は我が国の要望に応じた。リリィ王女が王太子殿下に輿入れなさる。ついてはミーシャ殿にリリィ王女がバイエル国の王城に入るまでの護衛を依頼したい。報酬は君が武神二ケの血族であることを私とロイド、そして息子達が他言しないことでどうだろうか?」
後でクリストファーを締め上げようと心に決めた。
どうしてそうなった?
いつになったら物語が進むのでしょうか……?
おかしいな? ( ̄。 ̄;)




