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図書室に置かれた歴史

―2028年8月28日

  宮城県 某市 某中学校 図書室



少年はその日、学校の図書室にいた。

彼の得意分野は科学と歴史、公民。

他の生徒が部活に精魂費やしている時に、彼は日常的にそこに向かう。彼にとっては、読書こそが部活なのだ。

今日、彼が読む本は、近代史。

自然災害や事件、政治の動き等が詳しく書いてある。

今日も彼は意気揚々と読書を始めた。




2012年5月20日11時25分25秒

関東大震災発生。東京付近の地震波観測用の装置が建物ごと全壊し、正確な規模は確認できていないものの、M9.2以上ともいわれる大地震となり、それに続く最高12mもの津波と合わせ、死者24万9312名、行方不明者9万2951名、負傷者957万1845名という未曾有の大災害となった。また、衆議院では議決中であり、地震により国会議事堂が全壊、衆議院議員全員が死亡、国会機能が完全に壊滅した。また、皇居も甚大な被害を被るが、幸いにも皇族全員が京都御所への移転下見中であった為、皇族に死者は出なかった。津波により御前崎原発壊滅、高レベル放射性廃棄物を含む大量の放射性物質が、海中、陸地に拡がり、東京を中心とする広い範囲で立ち入り禁止となる。東京湾、太平洋等も壊滅的被害を被る。


5月24日

チリ沿岸部にて津波到達。津波情報が伝わっていた為、死者無し。

5月25日

アメリカ・ハワイにて海中より強烈な放射線反応が確認される。


5月30日

地方知事より結成された臨時政府の閣議で、首都機能を東京から京都へ移す事を決定。また、御前崎原発の壊滅による海洋汚染に対し、国連主導の下、太平洋浄化計画が始動。


5月28日

衛星写真により、御前崎原発の情報取得。制御棒が津波により吹き飛ばされた結果、核分裂反応が暴走、大規模核爆発が起きていた事が判明。国連が加盟国全てに非常事態宣言を発表。現地への救援物資の輸送開始。


5月29日

衛星による放射線観測の結果、東京一帯の放射線レベルが致死量を超える事が判明。臨時政府、東京一帯の全面立ち入り禁止・放棄を発表。


6月1日

韓国からの第一次救援部隊が到着。放棄地区を除く各地で救助活動開始。


6月2日

対放射線装備の救援部隊、放棄地区に到着。放射線レベルが装備の危険レベルを遥かに超えている事が判明。救助活動断念。


6月4日

衛星による地上観測中、東京湾湾岸において放射線レベルの急上昇を確認。


6月6日

東京湾湾岸において大規模核爆発発生。北朝鮮の核攻撃とのデマも流れたが、後の調査で放射線源と燃料が同一地点に集中した事による事故的核爆発と判明。千葉においても放射線レベルが装備の危険レベルを超える。


7月2日

本格的救助活動開始。死者10万人超える事が確実に。


7月10日

日本政府、国連の直接的支援を要請。国連、これを承認。


10月29日

死者20万人超える。


11月1日

犠牲者の追悼を国葬とする事が閣議決定される。

2013年5月10日

関東大震災被災者国葬。ハワイにて放射線障害の発生が確認される。


6月6日

太陽、大規模フレアの爆発。放射性粒子の放射性との相互作用で地球規模の電磁波障害発生。世界各地でコンピューターが故障、情報取得が困難に。


2013年6月7日〜2015年9月27日

電磁波障害の為、情報が交錯。現在も情報は統合されていない。


2019年2月14日

選挙体制確保。衆参両院一斉選挙。政党も壊滅していた為、議員全員が個人立候補、リコール有等の新選挙法を採用し、投票率は92.4%と非常に高かったが、大量のわいろ等が横行していた為、全議員がリコールされ、二次選挙が行われるも、投票率27.1%に低下。わいろ等の横行も収まらなかった。




『下校の時間です。学校中に残っている生徒は、速やかに下校しましょう』

毎日恒例の校長の放送だ。何故かあの校長は面倒な事を自ら進んでこなす。それゆえ人気も高いのだが…

少年はしぶしぶ、近代史書を本棚に戻した。

借りられるようにしてくれ、という要望を漏らしながら。


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