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~十二話 暴走する大蛇~

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 今日は外に連れ出された。特に何処に行くとも言わずに、ただ外に出たいからという理由で、いつもよりも遠い距離を移動している。

 とはいえ、私はベビーカーと言われる乗り物に乗っているので楽なものだ。母も常に背負って移動するわけではないので、楽なのだろう。

「そういえば達也は車には驚かなかったね」

「そうだなぁ。なんでだろう」

 車か。

 飛行機というモンスターに出会った私からすれば全然理解できるものであった。

 確かに早い。確かに巨大。確かに硬い箱の塊であったが、あれはなんてことはない。

 要は馬車の動力を魔力に置き換えただけのものだ。動力が魔力であれば速度に制限など無い。制御するのは大変だろうが、無理な事はないだろう。

 車の驚くべきことは速さや硬さではない。

 車輪から伝わる衝撃が非常に小さくなっていることだ。

 馬車も衝撃に対しては非常に大きな問題だったため、少しずつ進化していた。この車はその進化系であることは間違いない。

 ついに私もこの世界の物に驚くことが少なくなってしまったようだ。私の知識も日々増えているということだ。

 そこまで考えていると、周囲からカン! カン! カン! と甲高い音が響き渡った。

「はきゃ!?」

 すわ何事かと考えていると、目の前の道路に黄色と黒の棒が降りてきているではないか。

 一体なんなのだろうか。

「お、良い反応」

「そっかー、こっちはまだだったね」

 両親の反応は軽いものだ。彼らにとっては日常なのだろう。だが私からすればまだ学ぶべきことがあるのかと目を見開いて確認するべき事だ。

 棒が降りきり、目の前の道が遮断され、隔絶された通路となる。

 そこから数秒後。

 ゴッ! という音と共に、私の体に風が叩きつけられた。

 目の前をとてつもない早い何かが轟音をあげて通り過ぎていく。

 車のような箱だ。だがそれはとても長い。その姿はまるでかつての世界で災厄といわれるほど大きな魔物のようだった。

「電車の敵と言えば?」

「魔列車。あとはグラシャラボラス」

「どう考えてもF○です」

「あとはねー、カラス。石置くの。カーカー」

「急に現実路線」

 両親は相変わらずとぼけた会話をしているが、半分以上何を言っているか分からない。

 そしてその状況で私はさらに考察する。

 あの中にも人が乗っていた。

 そして箱が何個か連結されて一つの形になっていたように思える。

 思い出したのは二つの魔物。

 牛をも軽く飲みこんでしまう大きな大きな大蛇。そしてその蛇の中に寄生すると言われる小型の魔物。

 あいつはある決まった時期にある程度決まった場所を高速で移動していく。その途中に立ちふさがる物は容赦なく粉砕していくが、道を遮らなければそこまで大きな脅威ではなかった。勿論例外はあったが。

 この黄色と黒の棒、そしてあれが通って行ったあとの場所を見ると、不思議とあの蛇と共存していた村の光景を思い出す。

 蛇の行く手を遮らないように家々を並ばせていたのだ。まるでここを通れと言わんばかりの風景であった。

 まさかこの乗り物のアイデアはあの魔物なのか。だがこの世界にはあのような魔物は居ないはず。それとも私が知らないだけで、あのような魔物がいるのかもしれない。

 全く関係ないとすれば……人の想像力とは真恐ろしいものだと再確認するのだった。


暴走する大蛇(電車)


ふと思いついたので息抜き書き書き

グラシャラボラスを電車みたいな形にしたFF8の罪は大きい(何)

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