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駅の爆破

 昨日のおかしな出来事が、まだ頭に残っている中。また、来て欲しく無い朝が来た。


「じゃあ、行って来まーす。」


「気をつけてね。行ってらっしゃい。」


母さんのニッコリ顔を見ながら、僕は家を後にする。通っているのは、私立のまあそこそこな中学校。僕でも入れるのだから、頭は大して良くは無い。その癖、都会のど真ん中にあるので、閑静な住宅街に住んでいる僕は、一丁前に電車通学を強いられている。


「そろそろ電車来るかな。」


駅のホームにて、腕時計を見ながら僕は小さく呟く。自宅の最寄りの駅は、他の路線と繋がっているので、商業施設が併設されている大きな駅だ。もしこの駅が、何かしらの理由で機能できなくなったら、社会的にかなりの大打撃を受けるかもしれない。例えば、爆破予告とか、、、


「いやいや、どうせ起きない事を考えていてもしょうがないし。電車止まって学校休みにならないかなーとか期待してもしょうがないし、、、」


僕は学校が嫌い。とても大っ嫌い。母さんに勧められて中学受験をしたけれど、だからと言って、小学校に比べて環境は良くなるわけでもなく。所詮集団なのだ。悪いところに目を向ければ、いじめの数件は平気で起きているし、せっかく合格したのに、精神を病んで不登校になった子もいる。俗に言う陰キャな僕も、もはやその予備軍だろう。周りのキラキラしている子達の視線がいつも辛かった。


なんて、嫌なことばかり悶々と考えていると、いつも乗っている電車が来た。僕は嫌々それに乗り、サラリーマン達に押し潰されながら、満員電車の中を過ごすのであった。、、、帰宅する時に命の危機に晒されることも知らずに。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 嫌な学校をやり切り、何とか自宅の最寄り駅まで帰り着いた頃。駅のホームから出ようとしている時、とあるアナウンスが鳴り響いた。


「えー、ただいま、と、当駅におきまして、爆破予告が出されてる、、、いえ、失礼しました。出されております。まだ当駅の安全が確認されておりませんので、施設内におります、全てのお客様はただちに外への避難をー」


、、、ナニヲイッテイルノカワカラナイ。

嫌がらせかな?と最初は思った。だって、せっかく頑張って帰ってきてこれなんだし。きっと、爆破予告もたった今入ったばかりなのだろう。じゃなかったら、電車に乗っていた時に急停車が行われていたはずだ。


「と、とにかく逃げなきゃ」


慌ててホームから出て、僕はここから1番近い出口を目指す。しかし、どんなに走っても周囲はお店だらけ。そう、この駅は何故か、ホームから1番近い出口に向かうだけでも所要時間10分を超える。頑張って急いで走るが、通学リュックに大量の教科書を詰め込んでいたのが足を引っ張ったのか、なかなか外に向かうことが出来ない。


そうこうしているうちに、何処かから大きな爆音と、数多の悲鳴が聞こえてきた。僕はマジか、と絶望する。


「なんでいつもは嘘っぱちの爆破予告なのに、僕の時だけ違うんだよ、、、!」


報道番組などでごく稀にみる爆破予告は、大抵実際には爆弾は仕掛けられていないことが多い。しかし、今回の犯人は、、、多分マジだ。


「きゃぁぁぁああああ!!」


「おかぁさん、、どこだよぉ!!」


「急いで逃げて!速く!」


爆破が起きたのは遠くだが、それを掻き消す悲鳴の嵐で、僕は走る気が失せてきてしまった。ああ、どうせ爆弾一つじゃ無いんだろうな。人生ってこんな感じに終わるのかな。なんていう絶望感が体を支配する。



ーそんな時だった。

僕の頭上に、天井に吊るされていた案内板が落ちてきた。恐らく、爆発による振動が案内板に伝わり、支えていた棒がそれに耐えきれなかったのだろう。


ああ、何と言う悲劇。きっと、母さんは僕が居なくなったら泣くのかな。他の人達は、笑ってそう。ジメジメしてる奴だから死んだんだよって言われるかもしれない。

そんな事をぼんやり考えながら、僕はもうすぐ訪れる、死を受け入れようとした。





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