第二章 第三部 ファントム戦闘準備完了?②
最近、あまり小説の見直しをしてないので、文章がおかしかったり、時系列がくるってたり、といろいろあるかもしれませんが、あまりにもひどかった場合、何かコメントを書いてもらえればじっくりと見直し改善させていただきます。
ファントム大盗賊は彼らを見つけてから、実に三日ほど作戦を練っていた、彼らがクリセストに到着するまで約五日、それまでに作戦を完遂しなければ、久しぶりにこの荒野に現れた獲物を逃がしてしまう。そこまでしてでも襲わなければならない理由が、ファントム大盗賊にはあった。
「御神龍ともなれば、今持っている装備で攻撃をすべて防ぎきれないだろう」
「では、本部から支援を待ちましょうか」
ファントムの仮拠点の一番大きいテントの中で、一人の男性を囲む数名の人たちが作戦を立てていた。
「いや、そこまでの時間はない、今あるものでどうにかしないと」
「御神龍を手なずけるほど、連れの男はかなりの手慣れだろうし」
ファントム大盗賊は彼らとの戦いでの勝ち目をほとんどないと、わかってはいた。
「どうしたどうした。われの助けが必要になったか?」
テンンの入り口から顔を出しそういった、何者かに気が付くと、ファントム大盗賊はみんなしてぎょっとした顔をして、怯えていた。
「は、はい。サンガルド様。私たちの今の力だと、到底奴らにかないません」
「そうかそうか。何を甘えている。」
そいつは先ほどの優しい言葉遣いから、急変し彼らに罵声を浴びせた。
「何が無理だ、やってもいないのに無理と決めつけて。いつも人間はそうだ、自分に不利な時は顔を背け、優位に立てば、偉そうに。なぜ、なぜ。そう他人に力を求める。」
「お、落ち着いてください。サンガルド様申し訳ございません、私事気があなた様の力をお借りするなど、軽率な考えでした。」
ファントム大盗賊の隊長らしき男がそいつの顔を伺いながら、そう言った。
「す、すまない我もまた、自我を保てない未熟者だ。そうかそうか、では少しばかり我の力を分けてあげよう、ほらこっちにおいで」
そいつはまたファントムに憐れみをを抱き、優しい口調に戻った。そうして隊長と思われし男の額に手を当てて何かを唱えていた。
「ほんとに無理だと思った時。「助けてください」と心で唱えるんだよ。そうしたらきっと君を守ってくれるから」
「あ、ありがとうございます。この恩けして無駄にはしません。」
「よしユーこのまま押し切ろう」
「うんそうだね!」
彼らは自分の力を信じて、立ちはだかるファントム大盗賊をなぎ倒していった。あともう少しで全滅させれる、そう思った時だった。
「助けてください、助けてください、助けてください」
誰だ、この声は心の声。誰かが助けを求めている。
そうして、その声が聞こえた方に振り向いたとき。
「ぐ、ぐわああああー」
大きな悲鳴と共に一人の男の体が少しづつ膨張していき、瞬きをした、あとにはすでにユーの三、四倍にもなる巨大な狼へと変わってた、そいつは自我がなくなったように見方もろとも蹴り飛ばしながら彼の方へ、ものすごい勢いで突進してきた。
「あ、危ない優馬!」
「火炎玉」
突っ込んでくる大きな狼に怯まず、彼は正面から火炎玉を唱え、それは狼の元へものすごい勢いで、飛んで行った。しかし、火炎玉はたかが知れている下級魔法。狼の走る気流により火炎玉は風と共に消え、狼には一切のダメージが通らなかった。
「んっ!」
そうして狼は彼に突撃し、すかさず追撃を仕掛けに後方へと飛んで行った彼を、追いかけるように飛んで行った。
「僕もそこそこ強いんだよ!」
後方へと飛ばされた彼は、次の攻撃への準備をし、反撃のこぶしをぶち込んだ。スキルは通らないが、彼のこぶしは確実に狼に打撃ダメージを入れていた。また、少し怯んだ狼も負けじと次の攻撃の準備をしていた。
狼は大きな口を上に向けて、何かを口の中にため込んだ。そうして次の瞬間、狼の口は彼の方を向き、ため込んだ力を一気に放出をした。それは、彼が出した火炎玉と比べ物にならないほど、強力な光線であり、ものすごいほどの波動を帯びていた。
「これは食らったらまずい、かも」
距離にして5m、避けることも、防御に徹することもできない、その距離で放たれた光線に彼は少し、死をも覚悟した。
「やめろーー」
ただ、彼には優秀な見方が二人いた。きっと彼らがいなければ彼は今ここで死んでいただろう。光線があと少しで当たるときに狼にユーがタックルし、光線は彼の左へとそれていった。
「ありがとうユー」
少しでもダメージを与えるべく彼はまた狼の顔面にこぶしを入れ、ユーは後頭部をしっぼではたき、二人で挟み込んだ。狼も所詮生き物、脳がつぶれればその体は機能しない。二人の攻撃が脳へとダメージを与え、狼はゆっくりと横に倒れていった。
「所詮はあんなものか、われの力をまともに扱えないやつなど、さっさと死んでくれた方がよい。それよりもあの男と龍、気に入った」
「お、終わったか。」
「優馬さーんユー、大丈夫ー?」
足手まといになるとわかっていたシロエは、テントから自分の命を第一に、彼らの様子をずっと見ていた。そうして戦いが終わったのを確認したシロエは、彼らの元に走って寄っていった。
「一応生きてる、それと、こいつもまだ息があるな」
大きな狼は次第に体が縮まっていき、もとの男の姿へと戻っていた。そいつはまだ息はあり、死んではいないようだった。
「こ、こんなやつ生かしておく価値ないよ、僕が食べてあげようか?」
「いや、さすがに人を食べるのは。」
「うーんじゃあこいつこれから向かう町に連れ帰って、裁判にでも掛ければ、がっぽじゃない?」
「え、シロエってそんなこと言うの?」
思いもよらない言葉がシロエの口から出たことに驚いた彼は少し驚いた後、ほったらかしにしたらまた同じことを繰り返すかもしれないと、裁判はいいとしてクリセストへ連れていくことにした。
「完全治癒」
「ん、あ、俺、」
目収ました、男にすかさずユーがチョップを入れ、気絶させた。
「そんな強引な」
そうして長かった夜も開け、疲れた体を癒しながらゆっくりと、クリセストへ彼らはまた歩みだした。