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私の新しい人生

※美玖目線に戻ります。


「うーっん……さいっこう」


朝の陽ざしが入りこむ部屋で、寝心地の良い枕と布団。

それに新しく買ったカーテンが映える。


夫の圭太と離婚が成立して、もう2ヶ月が経った。


会社から通いやすい距離のマンションに引っ越し、1人で住んでいる。


義姉は義姉夫と離婚し、弟である圭太の家に転がり込んだそうだ。


お義母さんの計らいで、義姉が別れる時に得た、共有財産を私への慰謝料に

あててくれることになった。


(無理かなって思ってたけど、回収できて運がよかったな)


一方、元夫の圭太はというと。



義姉と住んでいる部屋はとても散らかっていて、私が住んでいた頃の面影は

まったくないそうだ。


金の工面に困った圭太は、義姉を無理やり追い出して新築マンションを

売ったらしい。


離婚前に売却していれば、財産分与の対象とならずに済んだかもしれない。


しかし、実際にはマンションが共有財産と見なされ、夫婦間の貯金とあわせて、私がその大半を取得する形となった。


今後、仮に離婚後にマンションが売却され、高額な売却益が発生した場合には、その金額の一部または全部を慰謝料の支払いに充てることを、事前に取り決めておいたのは正解だったと言える。


(どんぞこでぎりぎりの生活を味わった後に、自分が手放したくないものを売って…またお金が減るってどんな気持ちかなぁ)


浮気女の中原あゆともなにか、揉めたらしいが私には関係ない。


(もめるだけ散々揉めてくれればいい)


私を苦しめた分、何倍ものわずらわしさをどうか感じてほしい。

ああ、こんなことになるなら、やるんじゃなかったと。


誰もいない静かな部屋で、好きな映画を流して寝転ぶ。


義姉は最後に、私みたいな女は幸せになれないと言った。


でも、私は決して強い女じゃない。なりたくてなったわけじゃない。


弱いところも足りないところも、誰かと補って支え合って、認め合って生きて

いけると思っていた。


もちろんそれが圭太で、今回は裏切られたわけなんだけども……。

うーん結婚するんじゃなかったかな~とは正直思う。


だって、今、圭太がいなくて悲しい、なんて1ミリも思ってないから。


(支え合っていこう、補い合っていこう…って、そもそも私には向いてない

考えだったかったかも)


今度は一緒にいて高め合える。

一緒にいてもっと楽しくなる。

そんな相手と恋が出来たら楽しいなと思う


わくわくする時間は楽しく、新しい出会いはいい刺激になる。


嫌な人たちのことを、考えるのはとても嫌な時間だ。



そこからどう逃げる、立ち向かうか。

明日も嫌な時間を過ごすか過ごさないかは、今日の自分の選択で決まる。


少しでも明日の自分がいい気持ちで過ごすような選択をしたい。


だってそれで後悔するのは、他でもない私なんだし。


これ以上、私の貴重な時間を、あんな人たちにかけることこそ、もったいない。


「もしもし、ええ、今から?いいわよ」


かかってきた電話の相手と、出かけるために、新しくかったワンピースを手に取った、きっと新しいピアスとよく似合うだろう。


完



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