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第6話

「お前さん、センスないって思ってたけど違うな」


「へ?」


「その尻尾だ。その尻尾が邪魔してバランス取れなかったり、体勢維持ができなかったりしてるんだ。まぁ、9本も付いてれば邪魔だな」


「・・・・・・た、例えこの尻尾のせいで戦えなくても外さない!」


「お、おう・・・そうか・・・」


衝撃の真実・・・いや、衝撃ではないか。普通に考えればわかることだし。

現実じゃこんな尻尾はないんだ、そりゃ動きに影響与えるに決まってる。

よかった、俺は運動神経が悪いんじゃなくて身体に慣れてないだけなんだ。


「ま、まぁいいか・・・。共通スキルは慣れたな?」


「はい、慣れました。使えって言われたらすぐに使えるかと」


「ならいい。これからはお前もその3つのスキルを他人に教えることが可能だ」


「え?教えることが可能なんですか?」


「ああ、スキルの詳細を説明し、実際に見せる。これで他の奴も使えるようになる。まぁ、違う職業のやつだったり、条件が存在してるのもあったりで全部じゃないんだけどな」


「条件?」


「例えば、レベルで覚えるスキルだな。足りてなければ使えないのは当然だろ?」


「ああ、確かに」


そりゃ、レベル50で覚えるスキルをレベル1から使えるって言われたらおかしいからな。

他にも腕力とか魔力量とか条件がありそうだけど今はいいか。


「んじゃ、銃使い専用のスキルを教えるぞ?」


「お願いします」


「1つ目はホーミング、これは弓でも使えるスキルだ。撃った弾が対象に向かって追尾する」


「・・・あれ?さっきの練習全否定のスキルじゃ・・・」


「お前ホーミングするっつってもあれだぞ?直角に曲がったりしないからな?それに、ホーミング中は常に魔力を消費する。発動自体は消費も少ないけど発動時間次第じゃかなりやばい量になる」


なんだ、直角に曲がったりしないのか。

相手が避けた瞬間に弾がクンッって感じで曲がったら面白かったのに。


「次が、ゼロ・ショットだ。文字通り零距離射撃のスキルだ」


「・・・あれ?銃使いの戦う距離は?」


「あん?そんなもん、常に相手と距離を取れるわけねーだろ。普通に考えろよ」


物凄い正論が返ってきた。

相手が近付いてきても常に距離を取れるとかどこのエージェントだよって話だ。

しかも俺には尻尾が付いてる。余計に無理だな。


「零距離っつってもあれだぞ?5cm以下で撃てばいい。銃口を相手の身体に当てる必要はない。そうすりゃ、ダメージは5倍になる」


「・・・え?5倍?え?え?」


「それだけリスクが大きいってことだ。前衛職じゃないのに敵に触れ合える距離に近寄るとか自殺行為だろ?」


「・・・確かに。俺には絶対に無理ですね」


「お前さんは尻尾掴まれて終わりだな。戦闘に関して言えばマジでその尻尾いらねーわ」


「理解したうえで付けてるので大丈夫です」


「・・・そうか、これ以上は言わないでやろう」


その優しさは、時に人を傷つけるのですよ?

その優しい視線は、人を傷つけるのですよ?


「最後が、クリティカル・ショット。これは自動発動するからやっかいだな」


「自動発動するからやっかい?」


「ああ、勝手に発動した結果、他に使う魔力が無くなり、死ぬ・・・とかな」


「・・・・・・いらない気がするんですがそれは」


「バカ言うな。この技はな、対象の急所に当てるとダメージが2倍になるんだ。銃使いの基本ダメージ源であり、これがないと通常弾はクソみてーなダメージしか出ねーんだよ」


「2倍かー・・・それはでかいな」


「だろ?麻痺弾で敵さんを足止め、属性弾を零距離で急所にぶち込む。これだけで10倍のダメージを叩きこめる訳だ。そこいらの雑魚なら2,3回殺せるだろうダメージが出るな」


なるほど・・・。

敵や味方に合わせて臨機応変に立ち回りつつ、必要ならメインアタッカーにもなれるってことか。

銃使いの基本戦闘パターンを大体理解できたと思う。


「気をつけなきゃいけないのはあれだな、麻痺中の敵だ。一部の奴は麻痺中に身体を動かそうとかなり力む。その結果、剣や弾が弾かられる可能性が出てくる」


「筋肉で剣や弾を弾くって・・・この細腕を持つ俺じゃ想像出来ませんね」


「その細腕じゃ絶対に無理だな。まぁ、あとは特殊弾が効かない相手を知っておくくらいか?」


「・・・石の身体を持つ相手に毒や麻痺とかですか?」


「ん?おお、そんな感じのだ。なら、俺が今教えれることはこれで全部教えた事になるな。どこまでいっても弾の選択と命中率、それが強さだってことを忘れるなよ?」


「了解です。今日はありがとうございました」


「おう、練習したくなったらいつでも来い」


きちんとお礼を言って、訓練場を出る。

受付があった場所に行くと、黒猫が待っていた。


「おっす、そっちは今終わったのか」


「うっす、今お礼を言って出てきたところだ。待たせたか?」


「んー・・・5分くらいだし、気にしなくていいぞ。んじゃ、簡単に報告会するか」


「了解。それが終わったら次は魔法だな」


二人で簡単にあったことを報告し合う。

武器の基本的な扱い方やスキルについてなど、似たようなことを学んでいたようだ。

一番大きな違いは、武器のメンテナンスについてだった。

銃は弾を消費して戦うため、メンテナンスをしなくていいらしい。

しかし、剣は定期的にメンテナンスしないと、能力値が下がったり、壊れたりするとのこと。

剣ってめんどくさいんだな・・・。

そして、スキルの報告をしている途中、俺の特訓の成果を見せる。


「お、そうだ。俺かっこいいジャンプができるようになったから見てくれ」


「は?かっこいいジャンプ?スキルの?」


「そう、スキルの」


「見せてくれ」


黒猫から少し離れ、尻尾を高く、大きく広げる。

9本の尻尾全てが大きく広がっているため、かなりの場所をとる。

そして、その尻尾を全て地面に向かって叩き下ろす。

と、同時にジャンプのスキルを発動させる。


「ぷっ、くくくっくくっ・・・お、おま・・・」


「どうよ?この尻尾を使った大ジャンプに見えるジャンプは」


「面白いわ。何が一番面白いってそこまで高く跳んでないことだな」


「それは俺の限界だからな、しかたないね」


「まぁ、そこは個人の才能や努力の域だからな、しかたないわ。俺もなんか尻尾や耳を使った技を開発しようかな・・・」


「頑張れ。ちなみにこの技を練習してる時、教官のおっさんは爆笑してた」


「だろうな。俺が教官でも爆笑するわ」


その後は、普通に報告会を続けた。

一応、掲示板に訓練所のこと、訓練所で教えてもらったことの概要を書きこんだ。

掲示板じゃ、俺の尻尾の話題がかなり出てたけど気にしない。


「さて、これで運営の人もテコ入れする必要なくなるんじゃないか?」


「さぁ?俺たちにできることはもう全部やったし、別にいいだろ」


「確かにな。これ以上なんかやってくれって言われても、報酬貰わないと嫌だしな」


「貰うにしても金か装備か・・・まぁ、なんか言われたら考えるか。魔法だ魔法」


「だな。魔法を習いにいくぞ」


今度は同じ受付に向かう。

そして、二人で魔法を習った。


魔法を習っていて面白かったのは、基本魔法と独自魔法の2種類があること。

基本魔法は、運営が用意した扱いやすい魔法のこと。

独自魔法は、自分で動きを決め、そこから消費が決まる魔法のこと。

最初の30分は基本魔法を習い、その後1時間くらい独自魔法の作り方を聞いた。

なんでも、ここでしか独自魔法の作り方を教えていないらしい。

まぁ、知ってる人から説明を受ければここに来る必要はないんだけどね。

そんな感じで、魔法訓練は終了した。

この後は二人で街中探索だ。




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