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第7話

今現在、俺と黒猫がいるのは大通りに面した喫茶店。

掲示板への書き込みや、今後の探索予定を決めるために、のんびりできる場所を探した結果がここだ。

なお、店の人にわざわざ俺が座れる椅子を用意してもらったから俺だけ違う椅子に座っている。

尻尾があるから普通の椅子にも座れない、わかっていたけど慣れるまで大変だな。

今後のために、椅子を作って持ち歩くのもいいな。


「なんで喫茶店に入るのにも10分近くかかるんだよ」


「そりゃ、俺の尻尾が素晴らしいからだろ」


「切り落とせ」


「切り落とすくらいなら引退するわ」


「お疲れさまでした」


「切り落とさないから引退しねーよ」


「まったく・・・なんでこんな無駄に疲れるんだよ」


「これもVR特有のあれだよ」


「どれだよ・・・。まぁ、俺も尻尾が邪魔で座りにくいから人のこと言えないんだよな」


「キレそー」


くだらない会話をしつつ、適当に注文する。

ゲーム内限定の飲み物は存在せず、普通の飲み物しかないのが少し残念だった。

そして、飲み物が到着し、本題に入る。


「さて、飲み物も着たし、本題に入るか」


「街中探索・・・そりゃやっぱり端から端までだろ」


「だよなー。裏道も含めて自分の足で歩きたいよな」


「隠し通路とかあったら最高だよな」


「もしも見つけても周りに言うかとか悩みたいなー」


「贅沢な悩みだよなー。あ、そうだ。メニューに街の地図があるらしいぞ」


「お?マジで?見る見る」


黒猫がどこでその情報を仕入れたのか少し気になるが、今は地図を見たい。

言われた通りにメニューを操作すると、この街の地図が表示された。

真ん中に噴水広場があり、そこから東西南北全ての方向に大きな道が出来ている。

この街は4つのエリア、区画に分けることができるのか。

探索する際は名前や番号を付けると解りやすいかもな。


「なんとなく気付いてたけどこの街は4つのエリアに分けれるっぽいな」


「それ今俺も考えてた。左上から時計回りに番号付ければすぐに通じるだろうし付けよう」


「お?それいいな。なんか正式名称的なのはそのうち誰かが決めるだろうからそれまでは番号管理でいこう。最初はやっぱり1番から探索だな」


「だな・・・お?このメニュー優秀じゃん。メモ帳あるぞ」


「マジで?もっと早く知りたかったわ・・・。俺必死に覚えようとしてた」


「俺も。まぁ、次から活用しよう」


「くっそー・・・。もう少し色々弄るべきだったかー」


ある程度方針が決まり、そろそろ飲み物もなくなると言ったタイミング。

聞き覚えのある声と、見覚えのある顔がこっちに近付いてきた。


「うっす、お疲れ。お前ら探しやすいな」


「うっわめんどくさ。え?どっちを探してたの?」


「おいコラ露骨に嫌な顔すんな!・・・ったく、白狐の方を探してた」


「うわー・・・もう面倒事が来たの?なに?俺に何をしてほしいの?」


「や、今回は違う。用事があるの俺らじゃなくて、この人達なんだよ」


そう言うと、少し横にずれる虹鳥。

視界に入ってたし気にはなっていたが、赤象と灰虎が知らない人と会話してる。

そして、知らない人が話しかけてきた。


「あー・・・申し訳ない。俺はエルフィン、エルでいいぞ。こっちがルドガーでそっちのはケインだ。白狐さんの横に勝手に座った奴が零で、その後ろに待機してるのがT0T0(トト)とアルケーだ」


一気に説明を受ける。

剣士っぽいエルフィンさん、ルドガーさん、ケインさん。

銃が見えてるから銃使いと思われる零さん。

杖持ってる女性二人がT0T0さんとアルケーさんか。

多分覚えられないだろうが、何回も会うならフレンド登録するだろうし、大丈夫だろ。


「どもども、一応自己紹介をしますね。白狐と申します。よろしくです」


「ああ、こちらこそよろしく。さて、会いに来た理由なんだが・・・あー・・・」


「私が会いたいと言ったのです」


と、後ろに控えていたT0T0さんが前に出てくる。

なんとなく、理由を察した。


「掲示板で白狐さんの尻尾について見て、一度見たい、触れたいと思っていました。ですが、どのように知り合えばいいのか悩んでいたのですが・・・、虹鳥さんが紹介してくれるとのことで、こうして尋ねに来ました」


うん、ですよね。

俺の顔じゃなくて尻尾に凄い視線を送ってたもん、目的はすぐにわかるよ。


「構いませんよ。俺もこの尻尾の素晴らしさを理解してもらえるのであれば嬉しいですし」


「本当ですか!!ありがとうございます!!」


凄い勢いで頭を下げるT0T0さん。

そして、すぐに俺の後ろに回り込むと、尻尾を触り始める。

光悦とした表情で、なにやら言っているが、ここまで聞こえない。


「あー・・・白狐さん、すまんな。やりたいこととかあるだろうに・・・」


「いえいえ、今すぐやらなきゃいけないことはないんで大丈夫です」


「そうか・・・、なら、いいのか・・・。いや、迷惑をかけている以上、何かしらのお礼がしたい」


「いえいえ、尻尾の素晴らしさを布教できるのであれば必要ないです」


「いや、しかし・・・」


「そういやお前ら、ここにいるってことはあれか?練習とやらは終わったのか?」


赤象がいいタイミングで割り込んでくる。

アホのくせに話を変えたいちょうどいいタイミングで話題を振ってくるとか、やるじゃん。


「終わったぞ。訓練所で基本的な戦い方やスキルを教えてもらった。あ、灰虎は後で訓練所行けよ?めっちゃ重要だから」


「あん?なんで俺だけ?」


「掲示板にも書きこんだけど、基本魔法と独自魔法があってな?独自魔法の作り方を教えてくれるのは訓練所だけなんだよ。ほら、お前が好きそうなド派手な魔法とか作りたいだろ?」


「マジか!マジか!!え?魔法を作れんの?やばいな!今すぐ行こうかな!」


「あ、その掲示板、俺見たぞ?あれ書き込んでたの君たちだったのか」


今まで座ってるだけだった零さんが話に入ってくる。

てか、なんで俺の隣に座ったの?


「はい、魔法の部分については今さっきここで書き込んでました」


「はー・・・ゲームの中でも訓練とかもの好きだね。まぁ、あのスキルを教えてもらえるってんなら行く価値はあるのか」


「スキルだけなら俺が教えれますよ?」


「お?そうなの?なんで?」


「スキルが使える人間が、スキルの詳細を説明し、実際にスキルを使ってみせると使えるようになるそうです。だから、俺が説明して見せれば大丈夫です」


「ほー・・・なるほどね。スキルをある程度共有できるのか・・・。運営も考えたな・・・これは面白い。スキルの受け渡しで色々稼げそうだな、うん。即、戦闘に出た組は、まぁ俺らの事なんだけど、スキルを持ってないんだよ。教えてくれる?」


「いいですよ。俺も実際に教えるってのやってみたかったですし」


「ありがとー、お礼はなんか適当にあげるよ。ここの飲み物代くらいでいい?あんまり貰うのもあれでしょ?」


「あー・・・訓練所行けばただで教えてもらえることですし、貰うとしてもそれくらいが限度ですね」

「うんうん、取引成立だ。・・・で、T0T0はいつまで触ってるの?」


零さんがT0T0さんに話しかける。

俺の尻尾をなでたり、頬擦りしたり、本当に楽しそうだ。

ちょっとくすぐったいのは内緒だ。


「ダメだ、聞いてない。アルケー、無理矢理引き剥がせ。俺がやったらセクハラになる」


「・・・めんどくさい・・・はぁ、了解。」


アルケーさんに無理矢理引き剥がされるT0T0さん。

かなり残念そうな表情をしているが、色々とお説教をされている。

可哀想に・・・。


「さて、個人的には今から教えてほしい訳だが・・・、時間は大丈夫かい?」


「この後は街中探索する予定だったので、大丈夫です。まぁ、1.2時間も教えろって言われたら拒否しますけどね」


「街中探索かー・・・、いいね。俺もやりたいけど、今回は攻略に重点を置いてるからレベル上げをしなきゃいけないんだよなー。よっし、時間ももったいないし、ちゃちゃっとやろう」


そう言うと零さんは支払を済ませに行った。

黒猫に少し横道にそれることを詫びつつ、全員で街の外まで移動した。

途中、歩きながらだけどフレンド登録もした。

あと、なんでアホ共と知り合ったのかも聞いた。

なんでも、戦闘を見ていた赤象がどうやったらそんな戦えるのか聞いてきたらしい。

・・・お前弓だろ、剣と銃と魔法しかないぞ?


そんな感じで色々話しつつ街の外に出た。

かなり目立つからな、人がいっぱい付いて来たのは想定外だ。

そして、スキルの説明をし、順番に見せていく。

ステップ、ジャンプ、ホーミング、ゼロ・ショット、クリティカル・ショット、ブースト。

6種類全部教えることに成功した。

勝手に付いて来た人達も使えるようになってたのは面白かったな。

盗み聞きでも説明を聞いた扱いになるのかと思ったよ。


あとは、おまけで魔法を見せた。

ボール、アロー、ランス、ブレスの基本魔法4種類、そして独自魔法を1種類。

ちなみに、独自魔法の作り方はT0T0さんとアルケーさんにのみ伝えた。

いやだってさ、盗み聞きしてる人にまで教えるのはなんか癪じゃん?


その後は普通にお礼を言われ、別れた。

どうでもいいことだが、周囲にいる人も色々と試したいのかどこかに行った。

アホ共は何故かエルさんに付いて行った。何をするつもりだ?


そして、俺と黒猫は街の中に戻ってきた。

今から街中探索だ。




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