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第46話

「お?」


掲示板に書き込んだ後、街まで戻り、クランホームに移動した。

街中からしか移動できないのは少し不便に感じるけど、色々悪用出来そうだししょうがないか。

そして、このクランホーム。

大きく変わっていた。

具体的に言えば真っ白な部屋から家と工房みたいな建物が生えた白い空間にだ。


「家出来てる。これ・・・黒やんの金かな?」


「家って何か意味あるの?無くてもよくない?」


「家を作るとスポンサー様の提供品を使えます。より具体的に言えば紅茶が飲めます」


「あー・・・うん、なるほど」


「まぁ、でもあれだよ?この家は一番安いやつだし横の工房なんて中身無いっぽいからね?」


「中身が無いって?」


「建て物はあるけど生産設備が無い。だってメニュー見た限りは何も置いてないもん」


「メニュー?・・・・・・あ、こんなんあるんだ」


メニューのクランタブ。

そこにはホーム内のオブジェクトの数や配置場所などが分かるようになっている。

地味に便利な機能だ。


「んー・・・あれか。俺も台所作るか」


「お?料理?てかここから作れるの?」


「今見てるメニューの場所に追加とか編集ってあるだろ・・・。お前の目は節穴か?」


「ほんとだ・・・」


「てか今思ったけどこの家3人用じゃん。2人は野宿になるのか?」


「え?灰虎と赤象野宿になるの?」


「ナチュラルに俺野宿にされたんだけど怒っていい?」


「資金提供者2人とマスターである俺が部屋を貰う。どこに問題が?」


「じゃあマスター以上に金払ったら・・・?」


「マスターが首になる」


「重すぎ」


「てかそろそろ入るぞ。話すなら話すで座りたい」


家と言うなの豆腐小屋に入る。

あっちのクランホームを見ているとこの寂しい空間が少しだけ嫌になるな。

自然豊かで大きくて自分の部屋もある家と明らかに全てが足りてない小さな家。

こっちに住むの辞めるか?


「ほらやっぱり紅茶飲んでる」


「ん?おかえり」


「ただいま~。マジで飲んでた」


「何の話?」


「家が出来た理由は黒やんがこっちで紅茶飲む為だろうなって話してた」


「当然だろ?リアルは金欠だからこっちで楽しみたい」


「こっちはタダで飲めるからな。しかもバフ付きで」


「え?バフ?なにそれ知らない」


「すっごい微妙だけどね?取得経験値1%上昇」


「1%かー・・・序盤じゃ効果なさすぎるだろ」


「後半になればもっと効果が高いのが出てくるからね。だから攻略にはほぼほぼ関わらない」


「ちな、課金すれば味は同じで効果が高いのが買えるようになるらしいよ」


「え?マジ?そんな課金要素あるの?」


「次のアプデで実装される。称号とか自由に決めれるアイテムとか自分の見た目を作り直せるアイテムとかだったかな?態々買う必要は無いけど・・・ちょっと欲しいかな?ってレベルのアイテム」


「攻略や効率に影響は?」


「さっき言った効果が高い食品くらい?ただ、普通のポーションとかも売ってるんだよね。リアルマネーで」


「それ買う奴いるの?」


「んー・・・どうだろう?リアルマネーを出せばどこでも買えるってのはかなり大きなメリットだし。公式曰く、戦闘中でも買えます・・・死ななければ、らしいよ」


「準備不足が発覚したらリアルマネーである程度解消出来るよって公式は言ってる。まぁ、しっかりと下調べして準備すれば必要無いよね?とも言ってるけどね」


「負けるか金払ってピンチを凌ぐか選べってこと?普通負けを選ばない?」


「攻略組の心情を理解してたら答えは変わるよ。一時の名誉の為に少しばかりの金が減るのは普通に許容するからねあの人達は」


準備に時間をかけなくてもいい。

準備不足があってもアイテムは買える。

だから、多少の無理はリアルマネーでゴリ押してでも進める。

最前線に行く人達や追いつこうと必死な人からはかなり稼げるようになるだろうね。

よく考えられてると思うよ。


「ま、リアルは金欠である俺達には関係ない話ですな。とりあえず増築すっか」


「する必要ある?」


「黒やん・・・このままだと2人は野宿だよ?」


「・・・・・・?あ、そっか。これ小屋レベルの家だから部屋足りないのか」


「マスターである俺とサブマス兼資金提供者である白黒が部屋貰うだろ?赤象と灰虎は野宿だ」


「え?俺もう部屋貰っちゃったよ?」


姿が見えなかった赤象が現れると同時に爆弾発言をする。

これで、俺か虹鳥のどちらかの部屋が無くなった。

黒猫は寛いでいるところを見るにもう部屋は決めているのだろう。


「それマスター権限で剥奪するから」


「いやいやいやいやいやいやおかしくない?一番の役立たずが部屋貰って頑張ってる俺らが部屋無しとかダメだろ。それに灰虎もさっきこっそりと部屋登録してたぞ?俺だけ剥奪って不公平だろ」


・・・・・・そう言えばいなくなっていたな。

こっそりと部屋登録して野宿回避してやがったな。

別にベッドがある場所でログアウトしなくても問題無いのにな・・・。


「白黒で纏められたのが納得いかないけど・・・虹鳥の部屋はあるぞ?」


「へ?なんで?」


「俺はまだ部屋登録してないからな」


「なんで?」


「俺は最初から工房に部屋を作るつもりだったんだよ。だから白やんが戻ってくるまで触れなかった」


なるほどね。

確かにここに来るのは紅茶を飲む為か工房を使う時の2択くらいだ。

それなら工房に部屋を作った方が効率が良い。

俺もそうしようかな?


「なら俺もそうしようかな?その方が一々移動しなくても楽だし」


「その程度の距離を楽しようとするなよ・・・いいの?」


「いいんじゃない?ねぇ、黒やん」


「別にいいよ?住むだけならあっちに戻ればいいだけだし」


「あっちってどれくらいの部屋持ってるの?」


「今いるリビングくらいの部屋。けど、白やんの方がやばい」


「俺?俺もこのリビングくらいの部屋と別荘が2つ・・・両方ともここよりも大きいね」


「は?何で別荘なんてあるの?」


「狐と戯れる為にね、現地に泊れるようにって作っちゃった。森と山にあるよ」


「俺は森の中の方が好きだな。あのツリーハウスは最高だろ」


「あー分かる。けど、俺は山の方だな。あのログハウスは何か落ち着く」


「底辺クランと最上位クランの差を見せ付けられたな・・・よくそんな金あるな」


「未だに初期装備ですが?」


「少し改良したけどほぼ初期装備ですが?」


そう、俺と黒猫は未だに初期装備だ。

キャラクターエディットで作った時に貰った装備で、レベルに合ってない。

お金をほぼ全部クラン関係に使ったことが原因だな。

あと、自分で作ろうと思ってたのもあるな。


「武器や防具買うとメンテ費用も含めてかなり飛ぶだろ?稼ぎが違うとは言え、そもそもの出費額が違うからね」


「あー・・・俺何回か武器変えてるしメンテ費用やばいな」


「武器の摩耗は砥ぎだけじゃ修復出来ないから買い直しが必要になるとか大変だな。初期装備は壊れないって優秀すぎるし」


「なんか現実よりも早く摩耗で壊れるってクレーム出した人がいるらしいけどさ、その回答見た?」


「見た。現実に魔力を持ったモンスターはいません。消耗速度に違いがあってもおかしくはないです・・・だろ」


「あれ笑ったな。ゲームだからって答えるんじゃなくて現実に無いもの切ってるから違いが出るんだよで通すか普通?現実に魔力持った存在が生まれたらそっちに仕様を合わせますとか頭おかしいだろ」


「でもだからこそ好き。あんまり人気無いのがちょっとあれだけどこう言うのを聞くと買ってよかったって思う」


「え?人気無いの?」


虹鳥が驚きの声を出す。

お前まとめサイトとか見てたじゃん、なんで知らないの?


「世間での評判はそこまで良くないよ?安くなったから買えるけど、ステータスが無いってのは大きなマイナスになってる。値段が今までと同じだったら買わなかったって人がかなりいるらしい」


「ステータスの割り振りとか楽しいし、ゲーム!って感じがしないからね。しょうがないよ」


「確かにステータスとか武器の数字とか無いからゲーム!って感じはあんまりしないな」


「そ。だからゲームらしいゲームが好きな人は買ってないんだよ。んで、VRゲームって言っているから旅行とかスポーツ系のしかやらない人は買わない。だからそこまで人気は無いって評価になってる」


「そのせいでこのゲームは廃人が少ないんだよね。だから検証や要素の発見が遅い」


「レベル上げても強くなったって実感が薄いのも原因だよね。だからモチベが続かなくて辞めるって人も出てきてるし・・・まぁ、俺はこの手探りでの冒険が好きだから続けるけどね」


「やっぱり攻略見てただなぞるだけとか面白くないからな。自分で開拓してこそゲーマーだろ」


「お前ら詳しいな」


「虹鳥は掲示板あんまり見てないんだろ?この話題は初日から出てたし結構有名だよ?てかまとめとか見てたじゃん。なんで知らないの?」


「あれはゲーム出来ない禁断症状を抑える為に見てただけで普段は見ない」


「そうですか・・・普段から自分で調べてくれると嬉しいんですけどね・・・」


「お前らに聞いた方が早いからな。・・・おいこら露骨に溜息をつくな」


「あ、俺らの部屋作らなきゃ」


「そうだな、作りに行こう」


「おい、無視すんな。おい!」


騒ぐ虹鳥を無視して家と言う名の豆腐小屋から出る。

さぁて、立派な豆腐小屋を作るぞ!





長期入院することになりました。

なので次回更新は無期限延期になります。

申し訳ございません。


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