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第3話:錬金術とアルゼバブ

第3話:錬金術とアルゼバブ


コイツの家(豪邸)の風呂……広過ぎ……!


どこぞの温泉かよ。

お察しのやつは分かるだろうがもちろん1日付きっきりの修行のあとは寝なきゃ俺も流石に体力の限界だ。

「ノエルの回復魔法があるだろ?」って思うだろうが、アレも何回も使ってたら効力が一時的に薄くなるらしい。流石に永遠と回復してたらチートだもんなぁ。案外この世界厳しいとこあるなぁ……


まぁそれは置いといて。

とにかく寝る前には風呂に入る。

当然の流れだ。


「にしてもアルゼバブの使徒怖かったなぁ。

あんなのが千体も世界に散らばってやがるのか……」

クソ広い温泉のような風呂に浸かりながら俺はさっきのアルゼバブの使徒を思い出す。

今でも思い出すと動悸がする。

でも大丈夫。いざとなれば《コール》の魔法でノエルとテレパシーで話せる。

アイツはコールで話した相手の魔力を感知してその場所までワープ魔法で移動できるらしい。(ちなみに俺もやってみたがさっぱり相手の場所なんか感知できなかった)


「アイツやっぱりバケモンだわ……」



そして風呂から出てパジャマに着替えてから(誰かが用意してくれてたっぽい)やけに豪華な扉を開けて廊下に出るとメイドがそこでお辞儀していた。

「ダークネス様。ノエルフィア様からお話は聞いております。お部屋は用意してありますので付いてきてもらえますか?」

「お、おぉう……分かった。助かるよ」


ノエルフィア……?あぁ、ノエルの本名か。

言い忘れていたがダークっていうのはただのあだ名で本名は『ダークネス・フルメルダフ』とノエルには言ってあるんだ。

クソかっこいい……

それは置いといて。

俺はメイドと螺旋階段を登り廊下に出て右の突き当たりの部屋に来て「ではごゆっくりどうぞ」とメイドが会釈したのを見終わってから部屋に入る。


中は高級ホテルって感じで中央に大きめの白いベッドがある。

部屋の地面までつきそうな大きい窓があってそこから夜景が見える。

月の光に照らされた広い庭と噴水が見えた。


「異世界転生して良かった……のかな」

俺はホッとそう呟いてからふと気づく。


「そういや夕飯食べてねぇや」


その時、部屋の扉がガチャリと開いてメイドが俺の夕飯(恐らく)を白の台に乗せて運んできてくれていた。

その後ろからピンクのパジャマ姿のちょっとだけ色っぽいオーラ出ちゃってるノエルが「夕飯持ってきたよ?」

って真顔で入ってきた。


「何でお前も来んだよ」

「ん……ちょっとダークに話さなきゃ行けないことがあるし」

「何だよ…………(なんか暗い話きそうだなぁやだなぁゆっくり一人でご飯食べたいなぁ)」



 カチャカチャとナイフとフォークの音が立つ。

俺は羊肉のステーキを頬張る。

「で、話さなきゃ行けない事ってなんだよ」

庭を見ながら黄昏ているノエルが俺の方を向いた。


「結論から言うとアルゼバブの使徒ってね。ノエルが原因で生まれたんだよね」


俺はブホッとかいう汚い音と共に思わず羊肉を吹き出した。

ベッドが汚れた。


「お前なんだよいきなり!冗談か?ってかそうであってくれよ?」


思わずそう言ったが冗談ではなさそうな雰囲気だ。

(てかこの吹き出したのどうしよ……)


「ノエルは強すぎて退屈だった。

だから生み出したんだよ。

『アルゼバブ』というノエルより強い存在をねっ」


「話が入ってこねぇけど

どうやってそんなの生み出したんだよ

お前より強いっていうならお前の世界最強の魔術師って肩書はどうなるんだよ?」


「どうやって生み出したかってそれはね。

"錬金術"で生み出したんだよ。

生み出した事自体は後悔はしてるね。

『呪印封』っていう最強の封印術でアルゼバブは今封印してるけどさ……

てかっ!もちろんノエルは世界最強の魔術師だよ!あいつはもう封印されてこの世にいないんだから」


「ノエル。ホントお前って何でもありな奴だなぁ。

自分より強い存在のアルゼバブって奴を生み出して封印したってのは分かったけどさ。

アルゼバブの使徒はまだ居るじゃねぇか。

アレは何なんだよ?(てかそれがこの話のメインテーマだろ)」


その俺の問いにノエルはめんどくさそうに答える。


「ノエルが封印する時、隙を見てアルゼバブは分身体を生み出してきやがったの。

お陰で千体の使徒が世界中に散らばった……」


「そういうことかよ……てかヤバくね?あんなのほっといてたらどこかの街とか崩壊するだろうし人だってワンチャン殺される……だろ?」


「うん。まぁ国の自警団とか"神級魔術師"っていう強い人達が相手してくれてるしノエルめんどくさくてほっといてる♪千体も相手してられないし」


「えぇ……それで俺の修行なんか見てんのかよ。

罪悪感とか出てきたぞ俺(てか神級魔術師ってなんだよ)」


「話は終わりっ!ノエルの事嫌いになった?」


ノエルがそうやって俺の方を向いてきた。

(クソッ。とんでもない奴だけどやっぱり改めて見ると可愛すぎる。しかもなんだよそのセリフッ!破壊力やべぇ……)


「別に……師匠だしな」


「良かった……弟子に嫌われたら終わりだしね♪あとその吹き出したのさ……」


「え?掃除してくれたりすんの?」


期待の眼差しで俺はノエルを見た。


「ノエル知らない♪」


ノエルはスキップで部屋を出て行った。


「……」


俺の優雅な食事タイムぅぅぅぅ!!返せ……



 次の日の朝。

目が覚めて俺は朝イチで思い出す。

昨日のノエルとの会話……

ノエルの秘密……

「てかあいつ会ってまだ間もない俺によくあんな企業秘密を暴露したよな……」

俺が言いふらさないと信じてるんだろうが……

てかさ……それを逆手に取ってあいつを脅してあんな事やそんな事しても良かったなッ!

クソ俺の馬鹿!吹き出したご飯が気になってたせいでそこまで頭回らなかった……!


ちなみに昨日は掃除大変でした。


 螺旋階段を下り、アホみたいに広い玄関まで行くとノエルがいつもの白黒ゴスロリ服を着て待っていた。

頬に手を当て思考を巡らせているようだった。

(なんだ?修行内容でも考えてんのか?)

そして予想通りノエルは開口始めに今日の修行内容を宣言。

どうやら魔力の扱い上達の修行らしく、魔力を足元に集中させて水の上に10秒間浮くらしい。

だが俺はそれに反論。


「それよりさ、そろそろ魔物と戦わせてくれよ?

まだ早いとか言いそうだけど実戦で習うのが1番早いとか言うじゃん!」

俺は子供みたいに駄々をこねたがノエルはそれを意外にも肯定してくれた。

「まぁ確かに地味な修行ばかりさせてたかな……?

でも今のダークじゃスライムも倒せないから困ったもんだけど……」

ノエルがジト目で俺を見てきて馬鹿にされたと感じ言い返してやる。


「はぁ??スライム!?あの魔物界最弱スライムくらい倒せるわボケ!

頭に来たわ。見せてやるよ俺の実力ぅ!」


「言ったね?あとノエルはボケじゃないもん。

どっちがボケか分からせてあ・げ・る♡」


ノエルは不気味な笑顔でそうぶりっ子したあと、「じゃあガラナス平原へ行こうかっ」と告げる。

その後すぐに俺の足元に蒼い魔法陣が浮かんできた。

「おわっ!?何だよ何だよ!?」

「ワープ魔法だよ?本当は詠唱してカッコつけたかったけどノエル知らなーい」


ノエルは若干プンスカしながらそう言った。

「ワープ魔法?」

そう言ったと同時に目の前が白い光で包まれていた。

そしてその光が消えたと思えば目の前に広がる景色は広い平原と綺麗な青空になっていた。


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