走る神話は機械仕掛け

世界は既に一度滅びかけていた。
20年前落ちた隕石が引き起こした謎の現象によって、全ての機械が暴走を起こすという大災害が起こったのだ。
そんな世界を『機道ユウ』は既に一度救っていた。
幼き日に達成したその偉業と天才的な頭脳によって神様とすら呼ばれもてはやされたユウだったが、実は彼には『人間が死ぬほど嫌い』という秘密があった。

そして現在。
19歳となったユウは世界を救ったテクノロジーを転用して一台のオートバイを作り出した。自ら組み立てたマシンを相棒に、表向きには災厄を乗り越えて復興したことになっている世界に旅立とうとしていた。
しかし、時を同じくして世界には再び危機が訪れる。
それがユウの道の前に立ちふさがるその時、ユウのオートバイ＝ノアは突如として魂を宿し、否が応でも彼を世界と人間を救う戦いの中に巻き込んでいく。

『人間なんかどうでもいい』と叫びながらも戦いに身を投じるユウ。
『人間のようになれたら』と願い、それを叶えるように進化していくノア。

正反対にも思える一人と一機が共に進む時、その先にあるのは希望か絶望か。
つべこべ言っても世界は再び彼に託され、彼女に道を開く。

高鳴るエンジンが、新しい神話を打ち立てようとしていた。



◇
一話2～3千文字程度。1章は大体３万文字程度。

〇現在7章まで完結済み