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第二十四話 晩餐会

 どうもHekutoです。


 二十四話完成しましたのでお送りしたいと思います。どちら様も御緩りとどうぞ、第二十四話始まります。




『晩餐会』


 姉妹姫とのお茶会後、俺は自室で荷物の整理をしていた。頼まれたものや少し?暴走気味に作ったものをバックに詰める作業なのだが新ためて見ると結構な量になっていた。


「ふむー結構な量だな触媒はあいつらが来たら渡すとしてお茶関係が結構かさばる」

 合成魔法の魅力にドップリ嵌り作りすぎた茶葉は種類も量も凄いことになってしまっていた、明日ここを出る時に置いて行ってもいいが品質や効果がいろいろと暴走して大変なことになっているので、ちょっと不味いだろうと思っているとあることを思いついた。


「ん?アミールって転送できるんだし回収もできるんじゃないかな?お土産?プレゼントってことでアミールにあげるかな、品質も良いし神様も少しは美味しく頂けるでしょ」

 そう考えて俺は晩飯の後にアミールに連絡することにした、品質的に店売り品くらいの物は置いて行ってもかまわないだろうし、明らかに品質が高すぎるものは一部自分用に残して後はアミールに飲んで貰おう、神様的な感想とか聞けたら嬉しいし。


「あとは薬品関係か、これはちょっと市場には出せないなぁ身内にあげるか使うか自分で使うかかな?」

 あのミドルポーション程度の効果で小銀貨4~5枚なのだ、楽しくっていろいろ試した薬ははっきり言って金貨数枚とか言われかねない効果になっている、いや元の世界でもこんな薬あったら血が流れそうだ。


「うーんこっちはそんなにかさ張らないしとりあえずはいいかな?」コンコンコン

 そんなことをしていると扉をノックする音が聞え振り向く、ふと窓の方を見てみると暗くなっていて大分時間が過ぎたことを伝えてくれる。


「は~い?」


「ユウヒ様お食事の準備ができましたのでお出でください」

 どうやら晩飯のようだ・・今回は毒が入ってないことを祈ろうなどと縁起でもない事を考えながら、片づけ中の荷物をそのまま置いておくと部屋出た。


「ユウヒ様、ご案内いたします」


「よろしく」

 そう言って俺は様付けをやめてもらうようにメイドさんと交渉しながらその場を後にするのであった。


「(なんだろこのデジャブ感、そして意外と頑固だぞこのメイドさん)」





 こちらリポーターのユウヒです!現在私の目の前には信じられない光景が広がっております。・・・あれ?これも前にも同じことがあったような。


「・・・なぜこうなった・・」

 食事だと俺が連れてこられた場所は前回の様な場所ではなくあれよりかなり広い所謂ホール又は、大ホールと言った所であろうか。


「おお!ユウヒようやく来たか待っておったぞ!」

 俺を呼ぶ声に振り向くとそこにはすでに酒の入ったバルノイア、それからアルやルティアナ様もいる。


「どうしたのユウヒ?」


「・・なぜ晩飯がパーティー会場なんだ?」

 そうここには王族だけではなくお偉いさんっぽいのや貴族っぽいのや騎士ぽいのが沢山いて、どうやら立食式のパーティーと言った様相だ。


「うむ実はな昨日と同じ様式でやるつもりだったのだが、方々でお主と食事会を開きたいとか茶会をしたいとか要望があがっての・・しかしユウヒは冒険者なのだし時間は有限こちらが王権で縛るのもあまりよく思われんと思ってな」


「それで要望があったとこ全部まとめた結果こうなったと・・・」


「はっはっは思うたより参加したい者が多くてな!」

 まったく予想外だと笑うバルノイア、悪気はまったく感じられないので事実なのだろう。しかしなぜこんなにも規模が大きくなったのかまったくの謎である。


「あはは、ごめんねユウヒ」


「まぁいいさ」

 アルが苦笑いを浮かべ申し訳なさそうに言ってくるが、別に飯が食えないわけじゃないし問題ない。そう考えているとバルノイアが近づいてきて小声で話かけてくる。


「…どうやら妙な噂が立っているようでな、こちらでもアホな連中にはマークをつけておるが気をつけるのだぞ…」


「ふーむ何だろね?まぁ気をつけるよ・・そんなことより飯だな」


「そうだな!はっはっは、そこの者ユウヒに飲み物を、何にする?」


「酒以外で頼むこの後もいろいろやるから酒精は邪魔なんだ」

 まだ余ってる素材を合成しないといけないしアミールに連絡するのに酔っ払ってるのもな、まぁたぶん妄想魔法で酒精も飛ばせると思うけど試した事無いしね。


「そうか冒険者もたいへんだの」

 ふむぅと眉を下げるバルノイア、そんな話をしながら俺は目当ての食べ物を探していた。どうやらテーブルごとにメニューが違うようで料理を見ているとメイドさんがお皿とフォークを持ってきてくれる、周りを見ても好き好きに取って食べている。


「ユウヒはこんな様式は初めて?」


「いや初めてではないと思うが?好きにとって食べていいのか?」

 アルが気にかけて話しかけて来てくれたので聞いてみることにした。


「うん大丈夫だよ好きなものを皿にとって食べてね取るときはテーブルにおいてある専用のカトラリーを使ってね」


「ふむふむ把握した、さて何から食べるかな!」

 俺がそう言って料理の置いてあるテーブルを見回す姿を、アルはニコニコと見てるのであった。


「お、いたなカッパルパこれにするか」

 そう、探していたのは昨日食い逃したカッパルパである、どうやら揚げてソースがかけてあるようだ。


「見た目は白身魚なんだよな・・むぐむぐ、白身魚だな淡白な味にソースが絡んでてうまい・・何ソースだろ?」

 その後も興味をを引いた食べ物を食べていったのだがここで俺はある違和感に気がついた、それはいつもより食べれることだ別に小食ってわけでもないが空腹だとしてもかなり食べてるはずだがお腹が苦しくならないのだ。


「(ふむ?まぁ別に異常は感じないし問題ないか?ここのとこよく動いてるしそのせいかな?)」


「あの!ユウヒ様」

 そんな違和感について放棄しようと考えていると、突然後ろから声をかけられた。


「はい?」


「あの昨日は危ないところを助けていただいてありがとうございました御礼が遅れましたことまことに申し訳ありません」

 後ろを振り向くとメイド服の上から白いエプロンをつけて頭にはふわっとした白い帽子を被ったメイドさん?が十人ほど並んでいた、一番目の前にいる人が御礼?を言うと一斉に頭を下げてくる。


「おお?」

 急な出来事に変な反応になるも、どうも話によると彼女らは昨日の晩飯襲撃の時に優先的に助けた給仕らしい、どうやら俺が彼女らを助けていたことを誰かから聞いたらしく御礼に来たそうだ。


「ふーん?まぁ怪我とかなさそうだしよかったよ、手加減はしてたけど魔法の流れ弾当たってたらただじゃすまなかっただろうし」

 ついでにおれが城で迷子になっていた時に会った子も列の中にいたのであの謎の御礼も今理解できた、そのことを述べるとその子は顔を赤くしていた。


「(ああ、めっちゃ癒されるわぁメイドさんてこんないいものだっけ?メイドカフェとは次元が違うな!リアルメイド!)」


「ユウヒいた」


「ん?おールルイアかどうした食べてるか?」

 リアルメイドの癒し度数に感動してるとまた声がかかる、後方斜め下を見るとルルイアがこちらを見上げていた。


「あまり食欲ない」


「あぁ、まぁついさっきお茶してお菓子も結構食べてたしなぁ」

 先ほどまで一緒にいたお茶会でティーラに注意されながらもぱくぱくとお茶菓子を食べていたルルイアの姿を思い出しながらそう言うと、ルルイアは少し頬を赤くしながら。


「ユウヒいじわる・・」


「ははは、まぁ食べたいときに食べたらいいさしばらくしたらお腹も空くだろ」


「うん・・またね」

 そう言うと少し離れたところに居たティーラのところに小走りで走っていくと勢いそのままティーラのスカートにしがみついていた、ほんとに仲のよい姉妹である。そう思いながら微笑ましく見つめていると姉妹は何か話すとこちらを見て微笑み返してくるのであった。


「ほっほっ姫様方があのように懐くとは珍しいですな」

 またも後ろから声がかかる、俺におとなしく飯を食わせてほしいものである・・まぁ結構たべてるんだけどね。


「そうかい?いい子達だしそうでもないんじゃ無いか?・・ねぇ?ガーデナーな王宮魔術師顧問のバトーさん?」


「おや、バレてしまいましたかな」

 後ろをむくとそこには庭で会った自称ガーデナーのバトーがいた、その面白そうに細められた目と口調にはまったく隠す気も申し訳無さも感じられなかった。


「いい子ですか・・そうですなやさしい子たちですな、それ故調子に乗った馬鹿な男が寄ってくるのじゃよ・・」


「なるほどねぇ・・ま、俺は今のとこそんな下心は無いから気を張る必要もないんでしょ」


「ふむ・・・それだけじゃなさうじゃがのぉ」

 微妙に納得していない顔でバトーは何か言うが小声でよく聞き取れなかった、その後バトーからお勧めの料理を教えてもらったり、給仕の娘達が何かとお世話してくれたりえらそうな人や警備の人が話しかけてきたりとなかなか騒がしい晩飯となった。


 ユウヒが騒がしい食事をするなか別の場所では、

「ふぅなんとかお礼言えましたね」


「ええ、少し緊張しましたが」

 先ほどユウヒに集団でお礼を言いに来た給仕のようである、そんな会話をしつつ仕事をこなしていると。


「あなた達少しいいでしょか?」


「め、メイド長!?はいえっとなんでしょうか?」

 給仕娘の一人が振り向き驚くと肩を緊張させながら恐る恐る返事をする。


「・・そんなに怖がらなくてもいいでしょうに怒りに来たわけじゃないのですから、まぁいいですそれより少しお願いがあります」


「「はい?おねがいですか」」

 給仕娘の反応に少し呆れるメイド長に、メイド娘達はそう言うと声がそろってしまったため互いに顔を見合わせる。


「そうです、あなた達にユウヒ様のお世話をしながらその為人や会話内容などを調べてほしいのです、あとこれは内密にするように・・良いですね?」


「「い、イエス マム!」」

 メイド長の口調とその細められた目から見える眼光は、お願いではなく命令であると言われても差し支えない力が籠ったものであり、その為メイド達は姿勢を正すと青い顔で返事をするのであった。


「(さて例の話が本当かどうかわかりませんが情報は重要ですしねあのおバカさん(バルノイア)がそんな事考えてるとは思えないんですけど・・)」

 そんな事を考えながら冷静でそれでいて冷たい目線をバルノイアに向けるのであった。


「・・!?」ゾクッ


「あなたどうしたの?」

 急に辺りをキョロキョロと見回し始めるバルノイアにルティアナがどうしたのかと疑問顔で尋ねる。


「むぅ?妙な寒気がな?」


「あら風邪でも引いたのかしらね・・駄目そうだったら寝室でお休みになってくださいね?」

 若干顔色が優れないバルノイアを心配するルティアナこういった姿を見るに仲は良いようである。しかし酒で血色のよくなっている筈のバルノイアの顔はどこかやつれた感じがする。


「うむ、そうだな・・今日は体力を使ったからな・・・」

バルノイアは心配してくれる妻に少し感動しながらも今日のある事柄を思い出すと疲れたように零した。


「・・・・そういえば風邪の時は汗を流した方がいいとか?」


「・・・・・」

 そんなバルノイアの顔を見詰めるとルティアナは民間療法について話し始め、その言葉にどこか嫌な予感を感じたバルノイアは無言のままゆっくりと振り向き少し俯き気味のルティアナの顔を見詰める。


「あとは誰かに風邪をうつすとよくな・る・と・か・?」


「ま、まて流石に今日はもう・・」

 語尾をゆっくり強調するように話しながら、ルティアナは潤んだ瞳でバルノイアの首筋へと熱い吐息を吹きかける。バルノイアは状況を完全に把握したのか若干腰を引き、ルティアナの目を見て話そうとするもその目に移ったルティアナの瞳の中には母親ではなく女の光が揺らいでいた。


「うふふふ・・」


「・・・・」ガクガクブルブル

 悪寒のせいかそれともこれから起る未来の出来事を幻視してか、バルノイアはガクガクブルブルと震えるのだった。 



「もぐもぐ・・ん?」

 しばらく時間が過ぎ、ユウヒが気が付いた時にはすでに国王夫妻の姿は無かった。どうしたのか気になって代わる代わる世話をしてくれるメイド達に聞いてみると、少し顔を赤くしたメイド達はお疲れの様で先に部屋に戻ったと言うのであった。


「(ふむ?今日は忙しかったのかな?そうだな滋養強壮に効く薬でもあげようかな?)」

 料理を食べながらそんな事を考えると荷物の中の薬類を思い浮かべ良さそうな物をピックアップするのであった。

「(滋養強壮・・精力増進?・・まぁこれも入れとくか・・)」





 国王がとある強敵と戦っている頃、ユウヒの周りでも静かな戦いが行われていた。


「陛下から話があったが・・まさかこれほどとはな・・」


「あぁまったく、派閥勧誘があったみたいだが入らなくて正解だったな・・む、次はこっちだ」

 現在グノー国内にはいくつかの派閥ができ己が利益の為、ユウヒに接触しようとする者達が居る、主に貴族派、騎士派、魔術師派、文官派、使用人派、と分かれておりまた少数の集まりもあるようだ。


「くっ!またあの兵士達か、どこの派閥だ」


「・・よし引いたな、今日の警備はいつもの三倍だから楽かと思えば結局変わらないな」

 どこかの貴族だろうかユウヒに近づこうとするも、数人の警備兵士に進路を絶たれ後退する、無理に通ろうとすれば別の派閥との火種になる為、思うように動けないようだ。貴族派の主な目的はクーデターの芽を摘まれた制裁派と王の覚えの良い冒険者を引き込もうとする利権派である。


「使用人派はどうもできないな・・」


「まぁ強引な策に出ないだろうし、メイド長が代表ならそう間違いもないだろ?」

 ユウヒの周りには常に数人のメイドが付いており、お世話をしながら情報の収集をしている中には暗器の携帯を許可された武装メイドの姿もあるが見た目は他と変わらないので周りは気が付いていない。しかしユウヒは、


「(このメイドさん物騒な物持ってるなぁ・・まぁ敵意は感じないしそういう警備員なんだろうか?)」

 右目と【索敵】の魔法で看破しているようである。使用人派はメイド長を代表にし、目的は現状を正しく把握する為の情報収集に徹しているようだ。


「む!しまった魔術師派に抜かれた、くそ!バトー様の手引きだ」


「あぁそりゃ仕方ねぇな、相手が悪すぎる」

 どうやら魔術派がユウヒと接触したようである。魔術派はバトーを代表に動き目的は、今後の関係を良好に保ちユウヒの魔法と深い知識を頼ることのできる位置に付きたいようだ。接触した者がそこまで考えているかは微妙である。


「あのユウヒさん!私はエメラダ・M・フォフィスンって言いますエラって呼んでください!」


「お!?おお?・・あーうんわかったエラ・・とりあえず落ち着こうか顔近いから」

 野菜のサラダと格闘していたユウヒは呼ばれて顔を上げると顔のすぐ前に少女の顔があり突然の事にびっくりして声が詰まる。


「(くっ!しまった魔術師派がこれほどの強硬策にでるとは・・)」


「(問題無いでしょう基本的に彼らは穏健派・・一応の牽制として初手で強く出たのでしょう、流石はバトー様です)」

 暗器を持ったメイドとメイド長が離れた場所で話し合っている反対側では、バトーと体のラインを引き立てるようなタイトなローブを着た女性が話している。


「ちょ!?出過ぎよ!悪い印象与えたらどうするのよあのバカ!」


「ふぉっふぉっふぉ流石エラじゃの予想通りの動きじゃよ」

 どうやら作戦に微妙な食い違いがあったようである。


「ちょっとどういうことよ!」


「そうカリカリするでないメリエラ・・こちらは穏健派、他の派閥に舐められぬよう初手は大きく出ておかねばな」


「・・はぁそう言うことはちゃんと言っててよね・・いつまでも子供扱いするんだから」


「ふぉっふぉっふぉ」

 互いにある程度性格を解っているのかメリエラは怒りより呆れの方が大きいようだ。そんな二人の視線の先ではエラと言う少女がユウヒと話をしていた。



 そこからずいぶん離れここには騎士派が集まっていた。


「だめです!すべてのルートをつぶされてます」


「くっ・・己裏切り者のバルカスめ!」

 どうやら騎士派は度重なる警備兵の妨害のためユウヒに接触することができていない状態のようである。さらにバルカスともなにやら合った様子。


「いや先輩・・バルカス殿だけでなく男性騎士は軒並み警備側ではないですか。それにバルカス殿は単純にアルディス様の警護優先で動いてるだけですよ?」


「くっそあの堅物め!いつもいつも私の目の前に!」

 どうやらリーダーと思しき女性を疲れたように見つめる女性騎士たちの様子から察するに、単純な逆恨みのようだ。また騎士派を構成するのは女性騎士だけで編成されているようで数も少ないみたいである。




 いかがでしたでしょうか?なるべく誤字脱字は消してるつもりです。


 内容的にはユウヒの周りで巻き起こる勘違いと勘違い、彼の行動はいったいどこにどのような化学反応を起こすのか。次話を楽しみにしてくれる方もそうでない方も、またここでお会いしましょう。(」゜∀゜)」<さよーなら~

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