第二章30話「圧倒的格の違い」
アトリーは瑠花達に聞いた
アトリー「そういえばなんで二人はこんな星に居るの?」
瑠花「それは帝王神候補の試練を受けてるからだよ」
アトリー「帝王神候補の試練?」
琴理「そうよ、メリア帝王神様の後を継ぐ帝王神候補が今帝王神になるための試練を受けているの、瑠花は帝王神候補に選ばれて、私はその瑠花の専属神としてサポートしているの」
アトリーは琴理の説明を聞いて、驚いた
アトリー「ええ!何それ!なんで私には話が来てないの!?」
瑠花「リリアちゃんが選ばれたからじゃないかな?」
アトリー「リリア?」
琴理「貴女の実の姉よ、知らない?」
アトリー「知ってるよ、一応凄く天才だって聞いたことあるから」
アトリーはリリアの話をするとさっきまでと違い表情を曇らせる
アトリー「でもなんでリリア姉様が関係あるの?」
瑠花「だって帝王神候補は1専属神の家系に1人のみって決め方があったからだね!だから私はリリアちゃんが選ばれた場合、アトリーちゃんは選ばれなかったのかなって」
琴理「こればかりはどうしようもないわね、上というかお母様達が決めたことだからね、もしかして帝王神に憧れがあったとか?」
琴理はアトリーに聞く、だがアトリーはサラッと答える
アトリー「いや、帝王神には興味ないかな~、でもその帝王神候補に選ばれなかったのはちょっとショックだな~」
アトリーはそう言いながら紅茶をすする
アトリー「それで瑠花と琴理はそれなりに強いのよね?なのになんでこんなところで止まってるの?」
アトリーは状況が把握できていないため、二人に素朴な疑問を投げつける、そして琴理が今までの事、月花の試練の内容について説明する、そこでアトリーが理解する。
アトリー「成程、それはかなり面倒なことね~、力を抑えられたからまともに戦えないか~」
アトリーは少し考える素振りをして二人に提案する
アトリー「じゃあ私が手伝ってあげよっか!」
瑠花「え!?本当!?」琴理「本当!?」
二人はアトリーの意外な提案に驚く
アトリー「だって私は候補とか専属神とか、姉妹同士の関係性とか全然ないんだもん、だから私が楽しそうって思ったからちょっと協力したいな~ってね!」
アトリーは自分の胸元とドンっと叩き、ドヤ顔をする。
琴理(これは願ってもいないことだわ!ネモフィールも出てこれない、私も戦力になれないならアトリーに任せた方がいい!、あくまで護衛として!そうすれば多少危険なことがあっても安心できる!)
琴理はアトリーの提案に対して賛成の意をみせようとした時
アトリー「ただし!ちょっと瑠花と一回戦わせて!実力が見たいんだよね!」
アトリーがそう言った
瑠花「別にいいけど、多分アトリーちゃんからしたら私すっごく弱いよ?」
琴理「それに関しては私も同意だわ、今私達のオーラ数は12000、アトリ―の足元にも及ばないけど」
アトリーは二人の心配をっちっちっちと指と振りながら遮る
アトリー「大丈夫、私がする戦闘は本来の潜在能力を発揮した方の二人、つまり脳内シミュレーションに近い戦闘ってこと!これは結構派手な戦いが出来ない天帝界ではよくある戦闘方法なんだよ」
アトリーはそう言いながら席を立ち、瑠花の横に座る
アトリー「まずはこうやって互いにおでこに手のひらをかざすの!そして互いの潜在能力というか、相手の身体全体に互いのオーラを流して互いのイメージと感覚、能力値を共有させるの、そして二人のオーラが共有出来たら戦闘出来るだけの広さのステージをイメージして出す、そこで戦うの!肉体の重みもリアルに実感できるから自分の今の実力を確かめたい、相手の潜在能力を確認したいって場合にはすっごくいいやり方なのよ!」
二人はアトリーの説明を聞き、関心する
琴理「へぇ~そんなやり方があったのね~、そもそも帝国にはそういう設備は割とどこにでもあったから気にもしてなかったわ」
瑠花「そうだね~、確かあれはお父さんやお母さんの時代に出来たものだから割と昔からある技術だね」
二人がそう話していると逆にアトリーが感心していた
アトリー「え、そんな設備があるの!?」
そうこう話している間にアトリーの言った方法で互いのオーラを共有し、感覚をリンクする
アトリー「あ!でも瑠花は確かメリア母様の試練で制限がかかってるんだったわよね、なら瑠花は何もしなくていいわよ」
瑠花「そうなの?」
アトリー「ええ、私が瑠花のオーラを一方的に繋いで、瑠花の本来の力と対面してみるから、ゲームで言うと私とコンピューターの瑠花が戦うって感じね」
琴理(ゲームの事は知ってるのね、多分雪花様の影響かな~)
瑠花は了承し、ただ何もせずに目を瞑る、そしてアトリーはその瑠花の額に手を当て、オーラを送り、感覚を共有する。
・・・・・・
アトリーは感覚の世界に入る、そして目の前には瑠花の姿があった
アトリー「よし、それじゃあ戦ってみますかね~、【四天才女】の実力、どれ程のものか確かめさせてもらお・・・」グシャ!!!
アトリーがイメージ瑠花に対して臨戦態勢になったとたんに顔半分が砕け散った。
・・・・・・
アトリー「っは?」
アトリーが瑠花の額に手を置いて感覚を共有してから数秒だった、だがその数秒でアトリーの身体は冷や汗でいっぱいになり、目の前に居る少女に恐怖を覚える
瑠花はまだ目を瞑っている、そして琴理はまだ数秒の出来事故にお茶をすすりながら見守っていた
アトリー(も・・・もう一回・・・)
アトリーは二人に黙って再度共有しイメージの世界に入る
・・・・・・
アトリー「次は最初から全力で行かせてもらうから」
アトリーは出し惜しみなしで最初から全力を出す、そのオーラ量は琴理よりも多く、覇気のある威圧的なオーラだった
だが目の前に居るイメージ瑠花はそんな状況でも涼しい顔で、尚且つオーラを全く出さない、
アトリー「不気味を通り越して恐怖だね・・・でもそんな圧倒的は私はいくらでも体感してる!!」
アトリーはそう言いながら自身の能力で武器を宙に無限に生成する、そしてそれらの武器を瑠花に向けて放つ!!!
アトリー「これは私の【負荷支配】から生まれた能力!!負荷を加えることで必要以上の力を相手は要する!つまり私より圧倒的不利な状態の中で戦うことになる!!」
アトリーの放った武器は不可支配で生成された産物、空気、空間に存在する微弱な元素を使い、それらに多くの負荷を加えることで一つの物を生成する、それは言葉で表す以上に非常に難易度の高い芸当である、それをアトリーは計算し、無限に近い数の武器を生成する、そして生成する工程の中で自身の能力を付与し、生成された武器の本来の重さや切れ味以上の威力を持たせる、
つまり【切れないナイフを負荷を与えることで、大地を真っ二つにするほどのナイフ】を自発的に生成できるのである。その様はまさに星1つを用意に破壊する流星群である。
アトリー(さあ!まずは私の十八番!これをどう潜り抜ける!!ちなみに武器に干渉しようとしても負荷支配で何千、何万という複雑な層で作り上げている!理解、解読は困難!!)
アトリーがイメージ瑠花に対し、自身の能力に対してどう対処するのか、ただそれだけの好奇心で眺めていた。だがそんなアトリーが目にしたのはアトリーの想像を超える現象だった。
ガガガガガガガガガ!!!!!
イメージ瑠花に向かって飛んでいく無数の武器は全て瑠花の周りで弾かれ行く、それどころか、弾かれた後、そのまま液体に変わり、気体に蒸発していた・
アトリー(うそ!!全部解体している!でもなんで!?どうやって!!)
アトリーは自分の能力が通用しないことを脳で認知し、次の策に移ろうとするがもう既にアトリーの横にイメージ瑠花が攻撃態勢に入っていた!
アトリーは目の前から自身の横に移動したイメージ瑠花に対して反応が遅れ、ガードが甘くなる!
アトリー(体術なら私は色んな人に教わった!それでそれなりに対等に戦えるほどは実力を持っている!大丈夫!)
アトリーは刹那の時間で自分のモチベーションを上げ、イメージ瑠花との肉弾戦に思考をシフトチェンジした!
グジャリ!!!!
イメージ瑠花の放った攻撃はアトリーのガードした腕を粉砕し、そのままアトリーの顔面を粉砕、そして粉砕した部分が液体化し、見るに無残な姿になる。
・・・・・・
アトリー「・・・・・・うそだぁ・・・」
アトリーは目の前の存在に対し、明確な恐怖心を覚え、そして今までの自分の努力が無駄とも思える出来事に対し、涙を流す。
アトリー「うう・・・うぅ・・・」
瑠花はアトリーの様子がおかしいと思い、目を開ける、そうすると目の前で号泣しているアトリーが居たため、瑠花は慌ててしまう
瑠花「え!?いきなりどうしたの!?大丈夫!?何かあったの!?」
瑠花はそういいながらアトリーを優しく抱きしめ、頭を撫でる
瑠花「ほら~怖くないよ~、ね!だから安心して~~」
琴理はそれを横で眺めながら
琴理(まあ、そうなるでしょうね、【手加減なしの瑠花】と戦ったのなら・・・私が瑠花に対して絶対に勝てないって思っている理由が少しでもあの子が理解したら瑠花と戦おうなんて思いもしないでしょうね・・・)
琴理はアトリーが見て来たものに対して大体理解していた
琴理(多分、気化攻撃でも受けたのかな~、あれは本気で凶悪な攻撃だからなぁ~防御不可、守備力無視、触れたら最後、身や骨は砕け、飛び散り、それが液体化し、そのまま気体化する・・・そして瑠花のとびぬけた体術とオーラ技術によるかわしきれない強制体術戦、これだけでももう無理なのよ、それに瑠花の【変化支配】は相手の能力性質を変えて無力化もしてくる、能力の防御も瑠花の前では紙と変わらない、瑠花の実力の片鱗を見ただけで嫌になる・・・)
そしてアトリーは落ち着くまで瑠花になだめてもらい、数時間後、落ち着きを取り戻したアトリーから本題に入る
アトリー「わかったよ、これだけの格の違いを見せつけられたら納得した、瑠花姉様!!どうか私を弟子にしてください!!!!」
瑠花「はい?」




