第二章26話「砂惑星1」
瑠花と琴理は月花の部屋から出てすぐに次の目的地に向かう準備を始めた
瑠花「それで次なんだけど、【砂惑星】に行くんだよね?」
琴理「そうね、瑠花の今の現状を考えると【砂惑星】が無難ね、それじゃあさっそく行きましょう」
瑠花と琴理はすぐさま【砂惑星】に通じるエリアに向かい、境界管理局で次の宇宙船を使い、出発する
瑠花「リリアちゃんはもう九騎神使を全員撃破したんだよね?それで後一つで月花さんの試練をクリアする、どうしよう、やっぱり焦っちゃうね」
瑠花は宇宙船の行き先を入力している手が震えているのが自分自身でわかった、そしてそれは琴理自身もわかった
琴理「そうね、それにリリアと同じように普段から鍛えていた人達の戻りはとてつもなく早いかもしれない、そうなれば私達はかなり遅れているのかもしれないわね」
琴理は冷静に現状を分析する、だがそのうえで琴理の考えを瑠花に伝える
琴理「でもいつも言ってる通り、慌てる必要はないわ、それにまだこれは一つ目の試練、もし例えリリアがこの試練をクリアしてもまだ8つの試練が待っている、瑠花はこの試練でしっかり基礎を鍛えたらいいのよ、生憎九騎神使の皆がテスト役になってくれてるわけだしね!」
琴理は瑠花の肩に手を置き、瑠花を励ます
瑠花「そうだね、それに私はちゃんと一つ能力を思い出した!以前より大きな進歩だよ!」
琴理「そうそう、その通り!ほら!早く入力して!さっそく探索に行きましょう!」
瑠花「おーー!!」
瑠花はそういうと次の目的地である【砂惑星】に向かった。
・・・・・・
【砂惑星 1日目】
瑠花と琴理は砂惑星に到着した、
瑠花「わお!一面砂だね!」
琴理「良かった、気象が落ち着いているタイミングで来たみたいね、それじゃあさっそく行きましょう」
琴理はそういうと瑠花と共に宇宙船を出る
瑠花「砂惑星ってどんな星なの?大体の事は聞いたけどそれ以外で情報とかある?」
琴理「そうね、ここの星にはそこそこ強いと言われる住民が居ると聞いたことがあるわね、しかもちゃんと団体行動をするらしいから敵と判断されたら面倒かもね」
瑠花「そっか~ということは知能があるってこと?」
琴理「う~ん、どうだろう、私もそこまで詳しいわけじゃないから会ってみないとなんとも」
瑠花「そっか!それなら・・・そういえば【砂神魂】はどこにあるの?」
今回の素材の容姿や在り処をあまり把握していない瑠花は琴理に聞く、
琴理「砂神魂は超高濃度のエネルギーが凝縮された砂の塊、しかもそれは奥地にあるとか、エリアで見つかりやすいとかじゃなくて、この星全域のどこかにあるみたいにかなり広範囲で掴みどころにない物なの、だから普通に見つけようとするのはかなり酷な条件になるわ」
琴理の言う事をそのまま言うと「星全体にある砂粒の中から濃厚な砂の塊を見つけなければならないという事である、瑠花も琴理の説明で今回の素材の入手の難しさは理解した
瑠花「今までは特定の場所とか、大体このあたりにあるってわかったけど今回はそれもわからないんだね、それはかなり厄介だな~」
瑠花は頭を抱える、だが琴理は「ふふん」とどや顔をしながら胸を張る
琴理「まったく瑠花はわかってないね~、一体貴女の専属神は誰だと思っているのかな?」
瑠花「まさか探知できるの!?」
琴理「ふふふ、今回は超高濃度の砂を見つけるのよ、オーラを使えばそこまで難しい話じゃあないわ」
瑠花「そうなんだ!教えて!どうするの!?」
琴理「知りたい?でもまだ教えてあげな~い♪」
瑠花「え~~琴理のケチ~~」
琴理「自分で試行錯誤して見つけてごらん、私はちゃんとついていくから」
瑠花「む~~、いつものパターンか、わかったですよ~」
瑠花はそういうとその場を後にし、無策のまま先を歩く
そして数時間後、先ほどまでの何もなかった気象が大きく変化していった
瑠花「ケホ、ケホ、なんか風が強くなってきた?それになんか気温も高くなってきた気が・・・」
瑠花はそう思い後ろに琴理を確認したら琴理は既にオーラを身に纏っていた
瑠花「あ~~!ずるい!もう纏ってる!」
琴理「そこもそろそろ自分で判断してやらないとね、自己管理ってやつだよ」
琴理はそのまま瑠花に長い時間の探索について話す
琴理「オーラを使い続ければオーラ量が減る、でもオーラを使わないと気温の変化で自身の体力も消耗する、だから自分が決めたラインでオーラを張って、大丈夫と判断したらオーラを解除する、そういう風にオーラと体力両方を節約と温存しないと長丁場の探索は出来ないわよ」
つまりは細かい自身への気遣いが長旅のコツとなるのである、琴理程のオーラ量があれば無くなることもないが、瑠花はそうはいかずに数やオーラ質もまだ完璧ではないため、今の瑠花には重要な要素となるのである
そうして瑠花は無作為に地面の砂を漁ってみるが違いがわからず頭を悩ませる
瑠花「ええ~~、正直違いなんて全然わからないんだけど」
瑠花は四つん這いになりながら砂を取っては眺めていた
琴理(それじゃあ何十年掛けても見つかりっこないわね、それに今回はただ目的地に向かって走ればいいってものじゃないから瑠花も今までとは用量が違う探索にまだ慣れていない、さていつ気付くかしらね)
琴理は瑠花の素型を眺めながら当たり一帯を探索する
琴理(う~~ん、ここにはないし、気配も感じないわね、超高濃度って言ってもやっぱりそれなりに近づかないと感知できないのね、厄介だわ)
瑠花「ねえ!この砂綺麗だと思うんだけどどうかな!!」
瑠花は目をキラキラさせながらタダの砂を琴理に向ける
琴理(やだ~~、すっごくいい笑顔!!本当可愛いわ!私の瑠花!!)
琴理は瑠花の笑顔に内ではトキメキながらも表は冷静に対応する
琴理「残念ながらそれはタダの砂ね」
琴理は瑠花に向かってそういうと瑠花は二ヤアと笑う、
琴理(え?何その悪だくみをしたかのような笑顔!可愛いわね!!)
瑠花「成程ね~、目にオーラを集約させたらいいんだね~」
瑠花はそういうとオーラを目に集約させる、すると当たり一帯の風景のオーラ量が見えた
瑠花「ワオ!オーラ越しで見たら当たり一面のオーラが見えるようになるんだね!」
琴理「しまった~~、まさか私の識別方法を観察してくるなんて~」
琴理は自然な流れで目にオーラを集約させ瑠花の手に乗っていた砂を確認した、それを瑠花は見逃さなかったのだ
琴理「まあ、一応自分の力で気付いたわけだし、合格かな」
琴理は「ふぅ」と一息ついてはしゃいでいる瑠花を見る
琴理(見る方法はわかってもそれを探索する方法はまだわからないはず、それをわからないと結局手間はそこまで変わらないわよ瑠花)
瑠花は目にオーラを集約させながら以前同様オーラを足に集約させ、走る
そしてさらに数時間後、
瑠花「やっぱりないね~、結構な距離走ったんだけどな~」
琴理「そりゃあただ走って見てるだけでどうにかなるならそこまで入手難易度は高くないでしょう」
瑠花「そっかそれもそうだね、なら!」
瑠花はそういうと今度は足から手にオーラを集約させ、地面に向かって一撃を放つ!!
ずぼーーん!!
瑠花の一帯に大きな砂柱が立ち、一気に大きな穴が空く
瑠花「地面の中もしっかり探さないとだね!」
瑠花はそういうと鉱石惑星の要領で何度も地面に穴を空け、探索する
それを少し離れた所から見ている琴理はその瑠花の行動を観察しながら考える
琴理(う~ん、この辺り一帯も全然気配はなし、これはここで何度穴を空けても無意味ね、さて、瑠花はどこで満足するかしらね~)
琴理は目で確認するのと同時にオーラの細かい気配で【砂神魂】の在り処を探っていた、
それが今の琴理と瑠花の大きな差であった、
琴理(目で確認するのは半分正解、これがわからないと識別することができないからね、でも【オーラを空気中と同化させて気配を探る技術】とセットでやらないとさっきと同じで時間が掛かるわよ瑠花)
今回の探索で必要なスキルは
・目でオーラを識別する力
・オーラを周囲に拡散させ気配を認知する力
この二つが必要となってくるのである
鉱石惑星で瑠花が身に着けた技術にはない繊細なスキルのため、瑠花自身が思いつくには多少きっかけが必要となってくると琴理は考えた。
・・・・・・
そして日が暮れ、二人は宇宙船内に戻る、
瑠花「うへえ~~、服の中砂だらけだよ~」
琴理「お風呂沸いてるから砂と汗流して来たら?」
瑠花「そうだね~ってなんで琴理は平気そうなの?」
琴理「まあ、汗も砂も全然入ってないからね」
瑠花「不公平だ~~!私なんてもう胸の谷間とかにすっごく砂が入ってきて、汗と混ざって気持ち悪いっていうのに~~」
瑠花はそういうと自身の胸の谷間を広げ、瑠花に見せる
瑠花「ほら~」
琴理「ぶふぉーー!!!」
琴理(る!!瑠花が自ら谷間を広げて私に見せつけてくるなんて!!!?これは理性を壊しても文句ないわよね!!)
瑠花「ねえ、琴理?琴理もお風呂に入らないの?」
琴理「ふぅ~~、ふぅ~~、そ、そうね!私も入るわ!なんなら今日は私が体を洗ってあげようか?」
瑠花「本当!それはいいね!よきに計らえ~~」
琴理「専属だからね、手取り足取り全力で洗ってあげるわ!!覚悟しなさい!!」
瑠花「え?そこまで!?」
こうして二人の砂惑星攻略一日目が終わる、
瑠花はお風呂の中で琴理とふざけ合った後お湯に漬かりながら考えていた
瑠花(う~~ん、今日は闇雲に探してはみたけど全然成果はなし、確かにそう簡単に見つからないとは思ってたけど、これは時間が掛かりそうだな~、でも琴理ならどうするだろう?琴理は全然今日はアクションを起こさなかった、チラチラ表情を見ていたけど私が穴を空けてる時も、何か難しそうな顔で見ていた・・・この時は大抵次の事を考えているか、それとも・・・)
琴理「何を考えてるの?瑠花?」
瑠花「多分答えてくれないと思うけど、今日私が穴を掘ってた時に何を考えてたの?」
琴理「結構私の事を見てるのね、瑠花は」
瑠花「まあ、今回は手探りだからね、得られる情報はどこからでも得ないと攻略に時間が掛かっちゃうし」
琴理「いいと思うわ、まあ瑠花も言った通り、考えていた事は言わないけど瑠花の事しか考えてないから安心して」
瑠花「いや、別にそこはなにを考えててもいいよ?」
瑠花(つまり、私の行動について考えてたってことか・・・つまりあの場所で私がやっていた探索方法に不満があったってことなんだ・・・琴理が難しい顔で考える時は大抵そんな時だからね)
瑠花は琴理の表情や発言から今日自分が行ってきた行動がどこかズレてる事に気付くのだが、どこが間違っているかはお風呂場、寝室までの間に考えても思いつかなかった
寝室、瑠花と琴理は就寝し、琴理は睡眠に入る、瑠花は今日の反省をずっと考えていたため眠れずにいた
瑠花「う~んいい案が浮かばないな~、このままだと明日以降も同じことの繰り返しだよ~」
瑠花は明日の事を考えながら独り言をつぶやく、そこで自分の杖に目が行く
瑠花「やっぱり一筋縄ではいかないね、鉱石惑星で結構鍛えたから自信あったんだけど、別の星に来るとまた別のスキルを求められて、大変だよ、以前の私なら楽々にこなせてたのかな?」
瑠花は杖に話しかけると返事も何もない杖だが、なぜか杖に話すことで気が少し楽になり、そのまま
明日に向けて就寝する
【砂惑星 1日目】 終了




