第2章20話「鉱石惑星1」
朝、二人は準備を整える、そして宇宙船の行き先を帝国に設定し、帝国に帰る
数分後宇宙船は帝国の境界管理局に到着し、出発した後と同じ手続きを取り、宇宙船を返した
瑠花「う~~ん!なんか帝国も久しぶりだ~~」
琴理「さて、のんびりしたい気持ちはわかるけど次の目的地に向かうわよ!さっそく行きましょう!」
瑠花「次はどこに行くの?」
瑠花はまだ琴理から行き先を聞いていなかった、
琴理「考えたんだけど次は【鉱石惑星】が良いと思うの」
瑠花「待って、【鉱石惑星】ってことは【聖純水晶】!?入手難易度Sランクだよ!?」
琴理「ええ、あそこに居る生物はゴーレム、かなり守備が堅い生き物しか生息しない星だから生半可な攻撃じゃあ傷一つつけられないと思うわ」
琴理が軽く星の内容について説明する。
琴理は星の説明をしながら次の目的地に向かうために転移装置を使い、第12宇宙に繋がる街に行く。
【12-1 工場都市カーヴァラント城下町】
瑠花「うわあ!なんか煙臭い!!」
琴理「ここら一体は工場都市だから結構薄汚いイメージがあるわね」
工場都市カーヴァラント城下町は多くの鉱石を加工したり、錬成する施設が多くある町である、多くの武具がこの町で作られる。
形は【自由】だが、人口は男性型神が8割以上を占める
瑠花「ほら!早く境界管理局に行こう!」
琴理「瑠花もやってること同じなんだからいいでしょ別に」
瑠花「待って!私はもっと綺麗に作るもん!!だって私は・・・あれ?」
瑠花が自分の開発方法を話そうとした途端、すっぽりと穴が抜けたように記憶が無くなっていた
瑠花(記憶がない・・・まさか私の開発方法も能力に関係していたってこと?」
琴理(もしかするとこの星で思い出すかもしれない、瑠花の能力が・・・)
琴理「ほおら!行きましょう!大きなヒント、手に入ったじゃない!」
瑠花「うん!そうだね!!行こう!【鉱石惑星】へ!!」
二人は瑠花の能力という希望を持って境界管理局に向かい、前回と同じような手続きを行い、宇宙船をレンタルする。
瑠花「ここもさっきと同じ最新モデルだね!今回も快適に過ごせそうだよ~~」
瑠花はそう言いながら慣れた手つきで目的地を打ち込む、そして宇宙船が動き出し、数十秒後には目的地の惑星に到着していた。
瑠花「ここが鉱石惑星・・・なんか洞窟の中に居るような感じだね」
琴理「ええ、鉱石惑星は名の通り、鉱石が8割を占める惑星なの、星一帯が鉱石だから先陣が鉱石を採掘しながら星を開拓していったの、それがこの『洞窟みたい』の正体ね」
『鉱石惑星』は上も下も多くの種類の鉱石に包まれていた。
瑠花達が行動するための酸素は技術開発局が発掘のために『酸素製造装置』数台設置しているため、空気は問題ない、だが日が当たってないため上側は冷気に包まれ、下側は溶岩の熱が熱くなっているという変わった星である。
瑠花「でも不思議だね、日が当たってないのに光がある」
琴理「それは光る鉱石が壁に埋まってるからなんだよ、ここを発掘している神もこの鉱石は無暗に取らないの、その光が道を照らしてくれるからね」
瑠花「そうだね、わざわざ不便にする必要もないし、取らない方がいいかもね」
瑠花はそういうと宇宙船の扉を開け、外に出る、すると猛烈な冷気が瑠花を襲う
瑠花「さ、さむ~~~~!!!」
瑠花は開けた扉を勢いよく閉める
瑠花「ねえねえ!!琴理!この星すっごく寒い!!私この格好じゃ凍えるよ!!」
琴理「まあ、ここは星の表面だし、寒くて当然ね、ちなみに星の中心に近づくたびにどんどん熱くなるからね」
瑠花「え~~なんか【自然惑星】より大変そう~~」
瑠花はブルブル震えながら窓から見える外を眺める
琴理「そこで今から体にオーラを常に纏ってもらいます!」
琴理はビシ!っと人差し指を出し、瑠花に指導する
琴理「身体全体に微弱なオーラを纏うことで、今この部屋の環境を保ったまま移動することが出来るの!簡単に言えばオーラを使ってオーラ内の温度を閉じ込めるってことね」
瑠花「成程、つまりオーラで密閉状態にして、この宇宙船の環境を維持する技術ってことだね!」
琴理「そういうこと!でもこれはかなり難しいわ、なにせ微弱なオーラ、つまりかなり薄い膜で覆っている状態だから少しでも乱れたりして穴が開けばそこから外の環境がオーラの中に入ってきてしまうの」
つまり、身体の表面に薄い膜のオーラを張る、そしてそれを波を立てたり、隙間が空かないような巧妙な技術が必須となるのである。
瑠花「でもそれならオーラの膜を分厚くすればいいんじゃないの?」
琴理「環境によってはそうだけど、温度をキープする程度の事だったら薄い膜の方が効率がいいわ、オーラを使うってことは常に消費している状態だから分厚くすればするほど消費が早いってことだからね」
オーラの分厚さを維持するにはそれだけ大量のオーラが必要となる、必要なら仕方ないが温度を保つためだけなら1mm程度の薄さで十分なのである、つまり瑠花は1mm程度のオーラの膜を乱さないように行動する必要があるのである。
瑠花「うう、とりあえずやっているよ・・・えい!!」
瑠花は身体全体にオーラを纏う、だが
琴理「全然駄目ね、分厚すぎる上に波が大きい、しかも隙間だらけ、これじゃあなんの意味もないわ」
瑠花「がーーーん!!」
瑠花は大きなショックを受け、うなだれてしまう
琴理「とりあえず今の瑠花ではこの星でまともに行動することも出来ない!というわけでまずはオーラの質を高める特訓をここで始めるわよ!!」
琴理はえいえいおーー!!と腕を上にあげる、そのあとにうなだれていた瑠花も続けて腕をあげる
・・・・・・
【鉱石惑星 5日目】
鉱石惑星に到着してから5日が経った、瑠花のオーラの質を高める特訓は順調に行われた。
それと同時にオーラを使用する戦闘の訓練も同時に行った。
これは行動をしながらでもオーラを乱さないため、という目的と、この星に住むゴーレム対策である。
瑠花「この星に来て5日目、まさか宇宙船から出る事も出来ないとは・・・ねえ、来る順番間違えたんじゃないの?」
琴理「何言ってるの、今の瑠花が行ける場所は【自然惑星】【砂惑星】【鉱石惑星】の3つで、【砂惑星】も温暖差がこの星よりより細かく、そして大きく変動するからこの星の方がまだ難易度的には優しい方なのよ、気温も低い所なら低いままだし、高い所なら高いままだしね」
瑠花は「成程~」とうなずく
瑠花(次の【砂惑星】の方がまだ難易度が高いってことか・・・なら今私が攻略できる可能性がある惑星ってここだけしかないってことなんだ・・・頑張らないと!)
瑠花はそう考えると再度オーラの質を高める修行に戻る
琴理「でも今の瑠花なら5mm程度の膜なら安定して作れる、本当は0.00000000000001mmの膜でも十分なんだけど、今の瑠花にそれを求めるのは酷だしね、」
琴理は今の状態の瑠花で攻略を進めるかどうかを考えた、急いでも仕方ないとは理解しているが、今の瑠花には『今のままではダメ』という挫折と経験が必要なのも事実だったため、訓練か攻略か琴理は決める事が出来なかった。
琴理「とりあえず明日外に出してみて、それで様子見してみるか・・・」
琴理は瑠花の特訓姿を見ながらそう考えた。
・・・・・・
そして5日目の特訓も終了し、二人は一緒にお風呂の中に入っていた
瑠花「はあ~~1mmは流石にキツイな~~。薄すぎるんだよね~~、だから少しでも波が起こしたら簡単に隙間が出来るし~~」
琴理「まあまあ、以前の瑠花は出来てたわけだし、ちゃんと感覚をつかめれば今の瑠花も出来るわよ!一緒に頑張ろう!」
琴理は瑠花を励ます、普段は琴理が瑠花の師匠として教えているが、それが終わればお互いを信じあう親友なのである。
琴理「とりあえず今は5mmまでなら安定してるし、少しだけ外に出てみる?」
瑠花「出る!もう宇宙船の中は飽きたもん!!早く攻略したいよ~~」
瑠花はバシャバシャとお風呂の中で暴れる
琴理「もう!あんまりお湯飛ばさないで~~、でもわかったわ!なら明日から攻略も同時に行っていきましょう!」
瑠花「やったーー!!」
瑠花は大げさな動作を加えながら喜ぶ!そして疑問が浮かぶ
瑠花「そういえば今回入手しないといけない【純聖水晶】ってどうやって手に入れるの?」
瑠花が首を軽くひねって琴理に問いかけると琴理は瑠花から目線を外し、ポリポリと顔をかく
琴理「えっとね・・・それがね・・・穴掘りです・・・」
瑠花「穴掘り?」
琴理「ええ、最初にここに来た時行ったわよね?ここは神達が発掘して出来た空間だって、つまりこの先に進むためには私達も発掘するしかないの」
瑠花「え~~~~」
琴理「もちろん!今発掘しているところは歩いていけるわ!でも私達の目的の物は大体星の真ん中付近にごく少数だけ取れる貴重な物、そこからは掘っていくしかないの・・・」
瑠花「かなり過酷だよ~~~」
瑠花はうわあああ~~ん!と泣いたふりをする
琴理「でも堅い鉱石を壊しながら進むんだからきっとオーラの使い方とか学べるし、攻撃力も以前より一気に上がると思うわ!ほら!いい事だらけ!!」
瑠花「絶対拳から血を出す奴だよ~~」
琴理(う~~ごめんね!瑠花!私の【波動支配】なら簡単に一本道を作れるけどそれは瑠花のためにならないの~~)
琴理は口に手を抑え涙を流しながら心を鬼にして瑠花に試練を与える、
外からみると滑稽な姿である。
そして二人はお風呂から出て、食事と明日の準備をし、就寝する、
とうとう明日から本格的に【鉱石惑星】の攻略が始まる
【鉱石惑星 5日目 終了】




