第2章17話「第一関門 九騎神使アイレ戦1」
アイレが瞬時にオーラを出し、凄い勢いで瑠花の元に突撃する
瑠花はアイレのスピードに反応し、即時に足元にオーラを集め、アイレの攻撃を回避する
瑠花「いきなりだね、でもオーラを纏っている位置を見れば次の攻撃は大体把握でき」
瑠花はアイレを観察するが、アイレはオーラを全く纏っていなかった。
瑠花(あれ?オーラを纏ってない?)
瑠花がアイレを見て驚いているとアイレは再度攻撃を仕掛ける。だがその時には間違いなくアイレは
オーラを纏っていた。
瑠花は足にオーラを纏っていたため、そのままアイレの攻撃を回避する。
瑠花(攻撃してくる時はちゃんとオーラを纏っている、でも攻撃を終えると瞬時にオーラを纏うのを辞めている、そっか、読めないようにしてるんだ)
瑠花はそう考える、逆に言えば今瑠花は足元にオーラを集めているため、アイレから見たら瑠花の次の行動が手に取るようにわかるということである
アイレ(記憶を失っているにしても、まさか戦闘の基礎が出来ないなんて、ずっとオーラを纏っていたら消費も早いし、相手に行動も読まれやすい、メリットが少ない)
アイレは再度瞬時に足元にオーラを纏い瑠花に向かって突進する、
瑠花は再度かわす、そしてアイレは再度オーラを0にする
琴理(成程、瑠花のオーラ疲労が狙いか・・・アイレちゃんはあのオーラ技術を使っていれば全く疲労しない、瑠花が倒せる範囲の実力になっているにしてもこのままだと瑠花は何も出来ずに負けてしまう、それにアイレにはまだ能力がある、オーラの基礎戦闘だけで苦戦しているようじゃアイレに勝つのは不可能)
琴理は現状の瑠花の不利な状況を冷静に判断し、瑠花がこの状態からどう打破するかを観察する。
琴理(失敗したわね、私のスピードにしか慣れさせてないから、もっとオーラの技術を教えれば良かったわね、まさかアイレちゃんが相手になるなんて思いもしなかったから・・・)
琴理は腕を組み、自分の考えの甘さを悔やんだ、そして今は瑠花の今の可能性を信じるしかないのだ
瑠花はアイレの攻撃をかわし続けている間にオーラ量を消費し続けていた。
瑠花(うう!!このままだとガス欠でそのまま倒れてしまう!それに戦闘が始まってから私は回避しかしてない!アイレちゃんの行動を観察しようとしてるから行動が後手に回ってしまってるんだ!、もっと攻めないと!)
瑠花はそう考えると、足に蓄えたオーラをそのままアイレの元に行くために使う、
アイレはその攻撃を読み、瑠花の攻撃をかわす
アイレ(瑠花が足にオーラを纏っている以上攻撃手段は突進のみ、なら直線的な行動だけを警戒していればかわすのは容易いよね)
アイレは瑠花が連続で攻めてくるのを今度は全てかわす、だが瑠花はその攻撃している間にアイレの足元を見る
瑠花(アイレちゃんの足元にはずっとオーラを纏っている、今はかわす事に集中しているってことだね、つまり、『アイレは足元にオーラを纏っている』という状況だけは把握できるってことだね!)
瑠花はそう考えると、次は自分の行動を思い返す、
瑠花(今の私の攻撃は直線的な突進攻撃、つまりアイレちゃんからしたら『読みやすい攻撃』って事、つまりここからアイレちゃんの想定を超えていかないと、攻撃は届かない)
瑠花はそう考えると、次はアイレの居る場所とは違う場所に突進する
アイレ(ん?今度は私とは違う方向に移動した?何か策でも?)
アイレが瑠花を警戒する、瑠花は再度違う方向に走る、そしてアイレを囲むように瑠花は動き続ける
琴理(成程、自身の単調な動きを理解して変化を加えたのね、フェイント、行動の中に嘘を混ぜることで本当の行動を理解させにくくする、戦闘の基礎)
瑠花はアイレを囲むように走り周り、そしてアイレが瑠花への意識が刹那に離れたタイミングを狙い今度はアイレに再度突進する!
だがアイレは反射神経で瑠花の攻撃を反射的にかわす!!
アイレ(よし!これくらいなら反応できる!!)
だがアイレがかわした背後に瑠花が再度突進を仕掛けていた!
アイレ「うそ!!」
アイレに仕掛けた最初の突進すらフェイント、本命はアイレが攻撃を咄嗟にかわし、安堵している隙であった。
瑠花の攻撃はアイレの背後を捕える、そしてアイレがそれを遅れながらも反応し、そのまま裏拳を放つ
だがそれすらも瑠花は想定済み、
アイレ(後ろに居ない!?)
瑠花はアイレの背後に辿り着いてその場にしゃがみこんだ。
瑠花がしゃがみこんだタイミングでアイレは背後に居るはずの瑠花に向けて放たれた裏拳を放つが当たらず、
そして瑠花はしゃがみこんだ体制のまま体を思い切り回し、アイレの頭に回し下蹴りをくらわせる
琴理は瑠花のその攻撃の行動を見て、驚いていた。
琴理(その行動は私が2日間の特訓で使っていた私の攻撃!?まさかあの時の攻撃を模倣したの!?瑠花!?)
アイレはそのまま思いっきり吹き飛ばされる、そして瑠花はその場で立ち尽くす
瑠花「ふう、体力はなかったけど運動神経は良かったみたいだね!どう?アイレちゃん?結構効いたでしょ?」
瑠花はそう言うと足元のオーラを消す、俊二にアイレの行動を真似したのだ
瑠花「とりあえず読まれたらまた面倒だからね、私もアイレちゃんの見様見真似だけどオーラをそう簡単に見せないようにするよ」
遠くに飛ばされたアイレは歩いて帰ってくる
アイレ「痛ったぁ~~、今のはかなり良い所に入ったな~~、私の能力が無かったらそのまま勝負が決まってたかもね」
アイレはそう言いながら自身の頭の傷を癒していた
アイレ『恩恵支配 完全治癒の加護』
アイレは能力を使ったと同時にアイレの傷が完全に回復した。
アイレ『恩恵支配 肉体硬化の加護』
そしてアイレは続けて新たな加護を自身に付与する、そしてそのまま瑠花に向けて再度攻撃を仕掛ける、瑠花はオーラを纏うのが遅れアイレの攻撃をもろに食らう、そして瑠花はそのまま背後に飛ばされる
アイレ「私の能力、【恩恵支配】私が望んだあらゆる恩恵を作り出して自身に付与することが出来る、その数は無限、そして作れる恩恵に限度はない、これが私の能力の代表的な能力、九騎神使は帝国の従属神の中でも特別な位置に居る強力な神、瑠花ちゃんに合わせて力を落としているとは言え、この能力は関係なく強力だと思うよ」
アイレがそのまま一瞬で瑠花に近ずき、瑠花を吹き飛ばす
琴理(【恩恵支配】帝国にはその能力を持つ神は沢山いるけど、アイレのそれは別格、帝国の従属神ですら足元にも及ばないレベルの【恩恵支配】、それはまさに恩恵を超越した者、その脅威が今も健在なら瑠花の勝ち目は・・・)
琴理は最悪の想像をしていた、だがそれをかき消すように瑠花がアイレの元に歩いてきた
アイレ「へえ、【肉体硬化の加護】を使って攻撃したのに、ちゃんと立ち上がるんだ、私が思っている以上に戻ってきてるね」
瑠花「そうでもないよ、痛くて痛くてたまらないよ、でも勝たないと私も先に進めないし、ここまで支えてくれた琴理に顔向けできないからね!それに」
瑠花は戦闘が始まる最初に地面に置いていた杖の元に行き、杖を手に持つ。
アイレ(杖・・・まさかもう使えるの・・・?なら最悪私の【恩恵支配】が無意味になる・・・)
アイレはそれを拒むために瑠花から杖を奪おうと攻撃を仕掛ける、だが瑠花はアイレのその表情の変化を見逃さなかった。
瑠花(やっぱりこの杖はアイレちゃんにとっても相性が悪い物なんだね、でもどう使えばいいかまだ詳しくはわからない・・・でも一度使えた時は・・・)
瑠花は杖に自身のオーラを込める、そして自身の今求めている物を思い描いた
アイレ(マズイ!!やっぱり使い方を理解している!!流石の私でも【あの子】には勝てない!!)
杖は瑠花の想いに応えるように輝きだし、アイレの方角に向かって光の光線が放たれる
アイレは咄嗟に能力を発動し杖の攻撃を回避しようとするが、弱体化しているアイレのスピードでは杖の攻撃スピードに間に合わなかった。
そして瑠花の持っていた杖から出て来た光線がアイレを包む、特にアイレは苦しむことはなかったが、明らかにアイレの顔は動揺に満ちていた
アイレ(最悪!最悪!最悪!まだ普通の攻撃なら良かったのに、よりにもよって!!『恩恵支配そのものを無効化』するなんて!!)
瑠花が杖に対して思ったことは『アイレの恩恵を無効化してほしい』だった、瑠花はあくまで瑠花自身の手で戦いの決着をつけたかった、そのため一番厄介だったアイレの恩恵の無効化を強く願った結果、アイレは恩恵を失い、使えなくなったのだ
瑠花はそのまま杖を足元に置き、体全体にオーラを纏う、
アイレ(体全体にオーラ?なんで?全体に纏うにはそれだけ消費が激しいはず)
瑠花は体全体にまんべんなくオーラを纏い再度アイレに攻撃を仕掛ける
瑠花「これで決着をつけるよ・・・アイレちゃん・・・」




