隠蔽工作の片棒
「ではァ、作戦開始だァ!」
サイモンが拷問部屋の壁に手をついた。
その途端、壁の中から地下へ続く通路が現れる。どうやら隠し通路らしい。
中を覗いてみると、真っ暗でどこへ続いているか全く分からなかった。それにジメジメしていて、なんだかカビ臭い。
「作戦?」
僕の問いかけにアルフォンスが答える。
「この通路は支部の外に通じていてのう。今から荷物を回収して脱出しようという訳じゃ」
「荷物って?」
「そう急ぐでない。答えを求めるばかりではなく、自らの目で知ることが大切じゃ」
さっきから思ってるけど、アルフォンスは聞きたい事に全然答えてくれない。
「この通路は?」
サイモンなら答えてくれると思って聞いてみる。
「これはァ、悪魔崇拝者の逃走用に作ったのさァ。連れてこられた悪魔崇拝者をここから逃がすんだァ」
「全く気付かなかった。でも骨や死体を見たって噂を聞いた事がある。それは?」
「頭を使うんだァ、ワンちゃん。支部には毎日、大量の死体が届くだろォ?」
そんな物、届いた日には大騒ぎになる。ダメだ、やっぱりこの2人の話にはついて行けない。
答えが出ない僕に痺れを切らして、サイモンが話を続ける。
「牛だァ、ジョージが食う為に毎日届くだろォ? それをここで捌いてたのさァ。あの牛はアルフォンスが仕入れて送ってくるんだァ。だからジョージは毎食、ここで捌かれた肉を食ってたって訳だァ」
なるほど、見た目の割にずる賢い。
「でェ、トドメにこれだァ。この秘蔵コレクションが周りの奴に聞こえればァ、キチガイ執行官だと思われるだろォ?」
そう言ってレコードプレーヤーを指さす。スピーカーからは相変わらず、男の絶叫が垂れ流しだった。
「もう話は終わったかのう? 早うせんと荷物が回収出来んようになる」
「ほらほらァ、行くよォ!」
サイモンが僕の尻を引っ叩き、暗い通路へ押し込んだ。
拷問室で解体された肉を食べてたジョージ。不衛生な環境で捌いた肉なのに、おなか壊したりしなかったんでしょうか?
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