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【第一話】転生

とある朝、いつもの様に会社へ行く準備をする。

朝食は用意するのが面倒なので

10秒でチャージできるゼリー的な何かを食べ、

スーツに着替える。


「仕事だるっ」


家には誰もいないが、何か言わないと

やっていられないので

とりあえず思った事を口にする。


「今日月末だから早く帰れないのかぁ、だるっ」

「あれ、電車遅延してね? だるっ」

「もう家でなきゃだめやん。だるっ」

「やべ、今日燃えるゴミの日だ、

 まとめなきゃ。だるっ」


ぼけた老人のように次から次へと言葉が出てくる。

もう全てが面倒なのだ。

すいません! ゴミは来週出しますから!

と、誰も聞いていないのに謝って宣言をした。

自分の都合の良い事を言い、ゴミをそのままにして

家を出たのである。


駅のホームはいつもより人が多い。

電車が遅延しているからだ。


「人混みだるっ」


人混みは苦手だ。人とぶつからないように

気を使いながら歩く。

しかし中にはお互い避けようとして

あわあわすることがあるし、

避けてくれるだろうと思って

避けもしない輩もいる。

そんな奴は、イライラする。


まさにそんな奴が前から歩いてきた。

なぜ俺が避けなきゃいけないのかと思いながら

当たらないよう避けようとした瞬間


(ドンッ!!)


そいつが何をしようとしたのか

わからないが急に方向転換をした。

そして俺とぶつかったのだ。


そいつは勢いがあった。そして場所が悪かった。

ぶつかった俺は勢い余ってホームから落ちたのだ。

落ちたショックで何が起きたのか

すぐに理解できなかった。

周りがざわついている。悲鳴も聞こえる。


遅れていた電車が来たようだ。

ちょうど駅に着いたところなので

タイミングばっちりだ。

あれ?俺ホームを歩いていなかったか?

なぜ俺は横になっている?

たしか前から来た奴を避けようとして…

いてっ、あれ?なんで頭から出血しているんだ?


周りから大きな声がたくさん聞こえる。


「早く起きろ!!」

「上がれーーー!!」


少しずつ意識が戻ってきて、状況がわかってきた。

どうやら俺はホームから落ちたようだ。

周りが叫んでる理由も理解した。


事態を理解し、行動に移すには遅すぎた。

警笛がなる。

人は悲鳴をあげてる。

線路から振動が伝わる


振り向いた瞬間、電車は、俺が立つ場所を

無惨にも通過した。

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