二十話 謁見
こんな話いかがでしょう^^
「私が・・・山本長官直属に?」
「うむ、そちにとっても悪くないであろう」
そう高松宮は言いドアの窓を開け顔の衛兵に訪問の旨を述べた。
いくら今上天皇の弟であっても直ぐに面会が許されるわけではないのだ。
ややあって、先ほど顔を見せた衛兵ではなくその上司の人がやって来て面会の許しが出たと応えた。そのまま車で庭まで進み皇居の前で止まった。
「まあ、気が向いたら私の方に連絡をしてくれ。異動の書類を此方で準備するゆえ」
そういい残し高松宮は車を降り去って行った。柳内は言われた言葉の意味を理解しきれず唖然としていたが高松宮の声で再び意識を戻した。
もちろん特務士官の彼は皇居に踏み入れる事は出来ないため一度車を降り高松宮に深く最敬礼をし、見送った。
「お乗りください、貴方を送り届けるよう言い渡されています。」
と車の運転手から声がかかった。分かった、と言い柳内は車に乗り込んだ。
帰途に着く道すがら再び訪れた感慨とともに柳内は車に揺られながら皇居を後にしたのであった。
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「高松宮様がいらっしゃいました、陛下」
侍従長の百武三郎は深々と頭を下げた。
「ほう、来たかね。今日は何の話をしてくれるのかね。」
正面に構えている扉が開き自分の弟の姿を見ると、少し裕仁の固かった表情は少し柔らかくなった。
高松宮は数歩歩き、裕仁のやや前で大きく頭を垂れた。
「今上天皇陛下につきましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。非常にお恐れ多い事ながら今回は・・・先日の襲撃事件について奏上させていただきたく参上した次第でございます。」
参上の旨を伝えるやいなや、場の空気は凍りついた。勿論裕仁の顔も再び固くなってしまった。
「頭を上げよ・・・先日の件と言うのは広島の海軍基地襲撃の事であるな?」
「はい、その通りでございます。」
頭を上げた高松宮ははっきりと述べた。
「ふむ・・・余もその話について聞きたい。よって百武この場は対談にしたく思う。なれば、テーブルと椅子並びにお茶を摂らせ休息を与えてやりたい・・・よいかな?」
「はっ、少々お待ちください」
数分後裕仁の計らいでお茶の席が出来た。これは弟の配慮でもあり何より彼も詳しく内容を聞かされていなかったため今直接弟の口から出来るだけの事を聞きだしておきたかったのだ。
「今回の事件・・・クーデターなどではないのだろう?」
対談の席のためやや砕けた話をしていた。
「ええ、今回は敵国との争いです。今回の襲撃によって市民に犠牲は無かったのですが・・・軍属や軍人、はたまた呉にある海軍基地は甚大な被害を受けました。」
そうか、とつぶやき出された紅茶を飲んでいた裕仁はそっとカップを置いた。
「争いになるのは辛い・・・市民、兵に関わり無く大勢の国民が死んでしまう。私は幼き頃父から日清、日露戦争について話を聞いた。あの二つの争いに亡くなった日本人は大きな痛手となったのだ、此度の争いどうにかして穏便に済ませぬものか」
裕仁はどこかを見つめ切に自分の国の民の安全を願っていた。
高松宮も飲んでいたカップを机に置き、話し出した。
「閣下・・・今回の相手はアメリカでございます。いいえ、アメリカだけではございません」
かっ、と裕仁は目を見開いた。だがあの大国アメリカだけでなく他の国も賛同しているのだ、さらにそのことについて何も裕仁の耳に届いていなかったためそれは計り知れないほどに裕仁にとって大きな衝撃を受けた。
「外務省は・・・外務省は何をやっておるのだ?」
自分の怒りを抑えるため拳を強く握っていたせいか裕仁のその声は僅かに震えていた。なによりも裕仁自分自身が何も聞かされていないのが腹立たしかった。
「陛下・・・それについて私から説明させてもらいます。」
高松宮は裕仁の怒りを察し、諭す様にゆっくりと話し出すのであった-
こんばんは!9時に間に合いませんでした!
ちょっと時間が無いのであとがきはこの辺で!!
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