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第一話「とある世界の日常」

”約千年前のある日 アルタ・ワールドの様々な場所に異界へ通じる『ゲート』が出現したんだ。


『ゲート』から出てきたのは異型のモンスター。アルタ・ワールドにはそれまで存在しなかった謎の生物。


人々はこれを『モンスター』と呼んだ。


その当時の対抗手段は銃や爆弾などの一般兵器のみ!おったまげ〜!


しかし、次第にモンスターは進化し銃や爆弾などの一般兵器の類は一部の下級モンスターにしか効かなくな

ってしまった。


人類滅亡まっしぐら、、、とはならなかったんだ。


ではどうやって人類はモンスターに対抗していったのか、謎だよね。


その答えの鍵となるのが、モンスター討伐時にモンスターから発生するエネルギ―――。


人々はそれを、『モンスターエネルギー』と呼んだ。


当初、人々はこのエネルギーの正体を理解できなかったんだって。


だけど、ある日。


討伐されたモンスターの近くにいた一人の人間に、奇妙な現象が起こったんだ。


その人間の体内に、モンスターから発生したエネルギーが吸収されたのだ。


そして次の瞬間、その人間の体に異変が起きた。


その討伐されたモンスターに似た能力を発現したんだ!見た目に変化はなかったらしいよ。


本来ならば人間には不可能な現象を、その人間は当たり前のように引き起こしたのだ!


そう――。


人間が、モンスターの力を手に入れたのだ。


後の研究によって、モンスターエネルギーはすべての人間に吸収されるわけではないことが判明した。


人間にはそれぞれ、モンスターエネルギーとの相性が存在する!


エネルギーを体内に取り込み、その力を自らのものとして扱える者。


そして、同じエネルギーをどれほど吸収しても、何の変化も起こらないが別のエネルギーなら適合できる者。


つまり、モンスターエネルギーを取り込むことで、誰でも力を扱うことができるんだってー。


チートじゃん!羨ましぃー!


でもこの適合性の違いによって、人類が扱う能力は多様化していった。


人々は、モンスターエネルギーを取り込み、その力を扱うことができる者たちを――


**『能力者』**


と呼ぶようになったんだ。


能力者の誕生により、人類はようやくモンスターに対抗するための力を手に入れたのである!!拍手!


それから長い年月が流れた。


年月が経つにつれて**『能力者』**の解釈も変わっていったんだ。


最初はモンスターの力を扱うことができる者全員を能力者と読んでいたが、何も鍛えていない者が安易にモンスターの力を使い続けてしまうと体が崩壊してしまうということが増えてきてしまったんだ。


大変だよね〜


人々は対策として、試験を通過した人のみが所属できる世界モンスター討伐機関『WMSF(World Monster Subjugation Force)』、それぞれの国に支部を設立。神凪皇国の場合は『KEB(Kannagi Empire Branch)』を設立した。


英語ばっかでめんどくさいだってー?翻訳しろぉ、翻訳!


その2年後、それぞれの国に養成学校が設立されたんだ。


この物語の主人公が通うのは神凪皇国にある養成学校の”皇英学園(こうえいがくえん)”だね。


でも、モンスターとの戦いは今もなお続いている。


そして、世界中にモンスターエネルギーが溢れ、人類が能力者になることが当たり前のものとして受け入れ


られるようになったってのがいまの時代。

でも誰もが能力を持つことを当然と考える世界で、一つの異常事態が起ころうとしていた―――。”


 ピピピピ! ピピピピ! ピピピピ!


 朝、6時30分。


 けたたましく鳴り響く目覚まし時計の音によって、一人の少年が目を覚ました。


「ん……んん……朝か……」


 少年――鷲尾龍真(わしお りゅうま)は、眠そうに目をこすりながら上半身を起こす。


 カーテンの隙間から差し込む朝日が、部屋の中を明るく照らしていた。


 龍真は大きく伸びをすると、ベッドから立ち上がる。


「よしっ! 今日も一日頑張るか!」


 そう言って、勢いよくカーテンを開けた。


 窓の外には、いつもと変わらない街並みが広がっている。


 通学する学生たち。


 出勤する大人たち。


 そして、街のあちこちに設置された巨大なモニター。


 その画面には、モンスターの討伐映像や能力者に関するニュースが流れていた。


『――昨日、神凪皇国北部に出現したC級モンスターは、討伐隊の迅速な対応によって無事討伐されました』


「おっ、もう討伐のニュースやってるのか」


 龍真はニュースを眺めながら、制服に着替え始めた。


 この世界では、モンスターの出現も、能力者による討伐も、決して珍しいことではない。


 むしろ、それらは人々の日常の一部となっていた。


 そして、龍真もまた、その日常の中で生きる一人である。


「俺も今日から、いよいよ本格的に能力者への第一歩ってわけだ!」


 そう。能力者は全世界の子どもから大人までの憧れの的!


 自分にはどんなモンスターの力が宿っているのか。


 どんな能力を使えるようになるのか。


 考えるだけで、胸が躍る。


 自分が能力者になったときのことを考えながら、龍真は鞄を手に取った。


 この世界では、人間がモンスターエネルギーに適合することは、ごく当たり前のことだった。


 そして、能力者としての力を本格的に学ぶため、今日から養成学園に通う。


 つまり龍真にとって、能力者になることは疑う余地もないことだったのだ。

 

 浮かれていたら背後から声がした。


「りゅう!忘れ物ない?入学初日で忘れ物したら恥ずかしいわよぉー?」


 龍真の母親だ。


「うるさいなぁ!昨日一緒に確認したじゃん!行ってきます!」


 ”全く、親にはもう少し優しく接してあげたほうがいいんじゃないの〜?って思うよね”


 龍真は元気よく家を飛び出した。


 勢いよく家を飛び出した龍真は、春の風を全身に受けながら、通学路を駆け抜けていく。


 今日から始まる、新しい学校生活。


 そして何より――。


「ついに今日かぁ……!」


 龍真は思わず声を漏らした。


 そう、本日は皇英学園の入学式。


 それだけではない。新入生全員が受ける、**能力適性測定**が行われる日でもあるのだ!


 炎を操る能力か? それとも雷? あるいは風を自由自在に操る能力か?


 想像するだけで胸が躍る。


「やっぱり、炎とかカッコいいよなぁ……。いや、でも雷も捨てがたい! いっそのこと両方使えたりして!」


 ”……おいおい、欲張りだなぁ!”


 まあ、夢を見るのは自由だ。誰だって最初はそんなもんである。


「おーい、龍真ー!」


 そのとき、前方から聞き慣れた声が飛んできた。


 顔を上げると、道路脇の歩道で二人の人物が待っている。


 一人は、黒髪で涼しげな目をした少年。


 もう一人は、柔らかな雰囲気をまとった少女だった。


「おっ、蓮音! 雫!」


 龍真は二人のもとへ駆け寄った。


「遅いぞ、龍真。何してたんだ?」


 暗木蓮音(くらき れんと)が腕を組み、呆れたように言う。


「いやいや、まだ集合時間前だろ!」


「それでも俺たちは先に来てる。つまり、お前が遅い」


「理不尽すぎない!?」


 龍真が声を上げると、隣にいた姫野雫(ひめの しずく)がくすくすと笑った。


「まあまあ、れんとくん。りゅうくんも今来たところなんだから」


「……別に怒ってるわけじゃない」


「はいはい、そういうことにしておきますねー」


「おい、雫」


 蓮音が少しだけ眉をひそめる。


 その様子を見て、龍真はニヤリと笑った。


「なんだよ蓮音。朝から機嫌悪いなぁ? もしかして、適性測定が不安だったりして?」


「は?」


 蓮音の目がすっと細くなる。


「誰が不安だって?」


「いやぁ? 誰とは言ってないけどぉ?」


「……お前、朝からずいぶん元気だな。少し黙らせてやろうか?」


「すみませんでした!」


 即座に頭を下げる龍真。


 ”うん、実に見事な土下座……ではなく、ただの謝罪である。”


 幼馴染というのは、遠慮がない。


 遠慮がなさすぎて、たまに命の危機を感じることもある。主に龍真のようなタイプは。


「ふふっ。二人とも、昔から変わらないね」


 雫は楽しそうに二人を見つめた。


 龍真、蓮音、雫。


 三人は幼い頃から一緒に過ごしてきた、気心の知れた仲だった。


 くだらないことで笑い合い、時には本気でぶつかり合う。


 そして今日から、三人は同じ皇英学園の生徒となる。


「……で、二人はどんな能力がいいんだ?」


 龍真が話題を変えるように尋ねた。


「俺は別に、使える能力なら何でもいい。実戦で役に立つなら、それで十分だ」


 蓮音は淡々と答える。


「れんとくんらしいなぁ……。もうちょっと夢とかさぁーあったほうがいいよ〜?」


「そーだそーだ!」


 ”こら龍真、あまり乗りすぎるのも良くないぞ”


「能力は遊び道具じゃない。使い方を間違えれば、自分も周りも危険にさらすことになる」


「うっ……。正論すぎて何も言い返せない」


 ”ほれみろ”


 蓮音の言葉に、龍真は思わず口をつぐんだ。


 確かに、能力は便利な力であると同時に、扱いを誤れば危険なものでもある。


 だからこそ、能力者には訓練が必要なのだ。


「私は、誰かを助けられる能力がいいな」


 今度は雫が口を開いた。


「誰かを助ける?」


「うん。怪我をした人を治したり、仲間を守ったり……。そういう能力があったら、素敵だと思わない?」


 雫は穏やかに微笑んだ。


「おお……! いいじゃん、それ!」


 龍真は大きくうなずく。


「じゃあ俺は、二人を守れるくらい強い能力がいいな!」


「……お前、自分が一番強くなる前提なのか?」


「当たり前だろ!」


 蓮音の冷静なツッコミにも、龍真は即答した。


「俺は絶対に強くなる! 誰よりも強くなって、困ってる人を助けられるようになるんだ!」


 その声には、迷いがなかった。


 ただ強くなりたいわけではない。


 強くなって、誰かを守れる人間になりたい。


 それが龍真の夢だった。


 蓮音はそんな龍真を見て、小さく息を吐く。


「……なら、口だけで終わるなよ」


「へっ、誰に言ってんだ!」


「二人とも、もうすぐ着くよ!」


 雫の声に、龍真と蓮音は前を向いた。


 視線の先に見えてきたのは、広大な敷地と、青空へ伸びる白い校舎。


 正門には、大きく校名が掲げられていた。


 **――皇英学園。**


 能力者を育成するために設立された、神凪皇国でも有数の教育機関。


 ここで学ぶ生徒たちは、やがて国を守る能力者として活躍することを期待されている。


「よーし! 行くぞ、二人とも!」


 龍真は正門へ向かって走り出す。


「おい、走るな。入学初日から目立つぞ」


「りゅうくん、待ってー!」


 蓮音の呆れた声と、雫の呼びかけが背後から聞こえる。


 春の陽射しが、三人の姿を照らしていた。



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― 新着の感想 ―
復活早すぎ、だけどちょっと気になっちゃう。
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