1パート
エストレーリャは宇宙空間を飛んでいた。ユイがおとなしく言った。
「相手への牽制などの目的で、今回は敵基地に対しハイパーメガランチャーを使用します。」
「ハイパーメガランチャー食らって相手は大丈夫なんですかね。」
カイトが聞いた。
「相手はハイパーメガランチャーくらいじゃやられないよ。あえて近くにはずすし。今回は恐らく敵も相当気合いをいれてくるだろうからハイパーメガランチャーを撃って先にジェミニに出てきてもらう。それをリオンソードが迎え撃って、残りはリオンソードの補助。」
「わかりました。リオンセイバーが戦いに来たときはリオンセイバーと戦わざるを得ないと思います。」
「その時はリオンセイバーを優先するしかないね。」
「もう、リオンスピードとリオンバスターの分も敵は作ってるかも知れないですね。」
「もしそうなったら三機ともそいつら相手になるからジェミニと戦えるのはわたしたちだけということになる。」
作戦としては牽制の意味でハイパーメガランチャーを使用、リオンジェミニが出てきて攻撃にきたらリオンソードが迎え撃ってその隙にユイが敵基地に潜入。ノゾミと合流し、エストレーリャにノゾミと共に帰還する。ジェミニはリオン三機が力を合わせて破壊する。シンプルだが順調に行かない可能性の方が高くそれぞれの状況に対応する必要があった。
「敵基地、見えました。」
「ハイパーメガランチャーを使用するときは光学迷彩が解除されるからバリアをはって攻撃を防ぎます。一応知っておいてね。」
ハイパーメガランチャーの発射は男性隊員達ががリオンに行ってしまっているので女性隊員のうち最も射撃に強いアユミに任された。
「敵基地に接近しました。」
マイの発言を聞いてユイは司令の席から離れ、非常口の近くに行き特殊なスーツを身に付けた。
「作戦を開始してください。」
マイの言葉と共に作戦が始まった。光学迷彩を解除したエストレーリャがハイパーメガランチャー砲へエネルギーを溜め始めた。パソコンが内側になくなり、双眼鏡のような形をした機械が出てきてアユミはそこに覗きこむようにして頭をはめこんだ。照準を合わせる作業を手慣れた手つきでこなした。
「ハイパーメガランチャー発射!」
ハイパーメガランチャー砲からエネルギーが吹き出し敵基地の脇をかすめた。敵のジェミニが現れカストル、ポルックスという二刀流を持ちエストレーリャへ突っ込んだ。敵の剣が戦艦を貫く瞬間にリオンソードが敵の剣をうけとめた。
「お前の相手はこの俺だ!」
敵の腹部を蹴り飛ばしたリオンソードは目を発光させた。
それを見たユイは敵基地にワイヤーを撃ち込んだ。
「じゃああとは頼んだよ。何かあったら連絡して。」
そう通信機に言って下に広がる背筋も凍るような景色を見た。
私、バンジージャンプ嫌いなんだよね。
と内心に呟いてワイヤーに降りる為の機器を取り付け飛び降りた。
金属同士がこすれあう音がして、地面に向かって直進した。