70 未練
帰りは馬車で安全ルートで帰ることになった。メアリーもヒルデさんも中華料理に未練たらたら。私もだけどね。
「お義父様、あ、お義父さん行ってきます!」
「ああ気をつけてな。キョーコが使う鎧はこんなもんじゃないからな!!」
キョーコが様をさんに直していた。さっき仰々しいからお義父さんって呼んでくれってお爺さんに頼まれたいたから。お爺さんにあいさつする前に私のうちにもあいさつしたけど、いつも通りだった。父はまな板でもいいみたいだ。さらに年齢も関係ないみたいで、ヒルデさんに迫って、母に強烈な一撃をもらっていた。口から内臓出そうな一撃だった。
帰る前にギルドを覗くと、エレナさんは立ち直っていた。ちょっとカッコ良さそうな冒険者や商人に囲まれていた。流石完璧超人だよ。キョーコがやけ食いしてるのは見なかったことにしておこう。
「おじさん帰るよ!」
「おうマーちゃん、楽しかったぜ!またな?」
屑共との攻防とまではいかなかったけど、防衛戦の練習にはなったと門番のおじさんは笑っていた。さて今回もヒルデさんの御者で出発だ。
あっという間に大きな街に到着。ホブゴブリンを何体か撥ねたけど問題なく到着。村を出るときにほぼ一緒にスタートだった檻の馬車はまだ来ていない。昼前に出たと思ったら15時にはついてた。
「ここに泊まる。絶対ここ!」
中華料理が食べられなかった宿に入った。無事チェックイン。ヒルデさんがまた大量に食材を渡していた。夕飯が楽しみ。
「ねえ、マチルダ、メアリー、一緒に市場見に行かない?」
キョーコが誘ってくれたので3人で市場へ。ジュリアは魔道具見に行くんだって。ヒルデさんは都の勇者様、ババアからなにか頼まれたようで冒険者ギルドの売店へ素材を見に行った。
「うわぁいっぱいあるねぇ!!」
街の市場はこんな時間でもにぎわっていた。この街は港もあるから珍しい食材なんかも入ってくる。コーヒーとか紅茶なんかもここで買えるね。
キョーコがいろいろな物を購入していた。お肉におさかな、見たことないような野菜とか果物など。それでいて量に対しての値段が安い。
「お姉ちゃんたくさん買ってくれてありがとうな?朝も来てみな?もっといろいろえらべるぜ?」
「ありがとう、おじさん。起きれたら来るね」
メアリーは大きな魚を切る店の前で釘づけだ。あれよあれよという間に切り身になっていく。きれいに切っていくよね。私はこっちのよくわからない装置も好きだな。子供向けのおもちゃなんだけど、鉄の玉が転がっていくと罠が発動するの。
「ねえ、ギルドも見ておこうよ」
メアリー?売店の拷問具が見たいんだね。
「そうだね。どんな依頼があるのか見ておこうか。今後こっちに仕事しに来ることもあるかもしれないしね」
キョーコも乗り気だった。私も行きたくないわけじゃないからね。行きますとも。
市場から少し歩くとすぐに商店街があり、その奥に冒険者ギルドがあるのが見えた。剣と天秤のマークがある建物が突き当りにある。早速ギルドに入ろう。
「いらっしゃいませ。今日はどのような御用でしょうか?」
入り口を入るとすぐに受付があり、受付嬢に声をかけられた。ここ大きな街、ビッグシティは王の都より冒険者の数が多い。そのため入ったらすぐに買取りなのか販売なのか依頼の受注なのか、達成報告なのかを振り分けてくれる。私たちは依頼の見学。
「どんな依頼があるか見に来ました」
「かしこまりました。奥のボードに依頼が張り付けてありますからご覧ください。受ける場合は依頼表をはがして、あちらの受付に出してくださいね」
受付嬢にお礼を言っておくのボードを見る。午後、夕方に近い時間だから依頼表はまばら。メアリーは飽きたのか売店に行ってしまった。キョーコと依頼表を眺める。お、王の都に荷物を運ぶ仕事があるね。なになに?
【加工した長芋を王の都の錬金術組合に渡す。運べるだけ運んでほしい。1ケース 100キロ。1ケース10000ギル出す 運ぶ時間とランクは問わないが劣化のないように。劣化が見られた場合その度合いにより報酬から引かせてもらう 錬金術組合】
「ねえキョーコ。この依頼受けない?都に行くし。時間とランク不問だよ?」
「そうね。マジックバックがあれば問題ないよね?」
私とキョーコがそんな話をしていたら隣で聞いていたベテラン冒険者が鼻で笑った。
「フン、嬢ちゃんたちが持てるようなマジックバックじゃ入らないぜ?ケースが大きいんだよ。一メートル四方だな。一番安いのだと一つしか入らねえから馬車で運ぶだろ?時間がたちすぎてしまうと劣化しちまうんだ。まぁ、俺たち世界の果てがほとんどこの依頼をこなしているといっても過言ではないがね?」
「そうか、そうだよね。冒険者って個人事業主みたいな感じだもんね。冒険者が大きなマジックバックなんてそうそう持ってないか。持っているとしたら商人とかベテランの大規模なパーティーの冒険者位だよね」
キョーコが難しいこと言っているけど、まあそうだね。アイテムボックス持ちがいれば別だけど、そうそう若い冒険者がこんな依頼見て受けようとは思わないだろう。アイテムボックスあればもっと儲かる仕事もあるだろうな。大きなマジックバック持ちもこれ受けなくても仕事は他にもあるだろう。
「そういうこと。だから俺たち世界の果てにまかせとけ?いらん事するなよ?これだからよそ者は…」
いい度胸だ。殺すのは最後にしておいてやる。




