魔王家の動乱ー11 ノーグルーサ、動乱邂逅
ノーグルーサの部屋は闇と共に深い沈黙が降りていた。
ベットに腰かけたノーグルーサの隣には銀髪のエルフの少女――ハリーファが血涙を流したまま深い眠りについていた。
窓から、陽射しが射し込んだ。
すると、ノーグルーサは立ち上がりカーテンを閉める。
「すべて、僕の失策だ……」
誰へでもなく沈んだ声で呟くとノーグルーサは両手に力を込めた。
爪が手のひらに食い込み、血が滲む。
だが、この程度の痛みなどハリーファのものに比べたらくすぐったいほどであろう。
今は、ただ憎いのだ。
自分を、妹たちを、そしてあまつさえ最愛の部下たちを引き裂いたスルターンが。
「あいつを僕は赦さない!ペドラザ!!」
「はっ!」
ノーグルーサの言葉に呼応して、桃色の髪の少女が現れる。
「僕の配下、全勢力をもってスルターンを探し出して――
殺せ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「yes,my master」
ノーグルーサの絶叫にペドラザは微笑み一つ礼をすると、一瞬にしてその姿を消した。
さて、ノーグルーサの配下は総勢百万。
いかに神出鬼没であろうと数で押されてはたまらないはずだ。
だが、これだけではない。
今回は特別なプレゼントがある。
ノーグルーサは短刀で手のひらを切り裂くと、血雫を一滴床に落とした。
すると、紅の花弁が咲き乱れ、血雫は一瞬にして広がり、魔法陣を幾重にも描き出す。
魔法陣から放たれた閃光と咆哮が辺りを支配する。
「私の幻獣すべて――総勢十万体!!行け、敵を貫け!」
幻獣とは魔王の様な莫大な魔力を持った者が召喚する事が出来るものだ。
幻獣はそれ単体でも非常に強力な上、知能が高く、他個体との連携も取れる。
知能と連携の面だけで言えば、幻獣種の中でもドラコーンが特別に強い。
今回の術は、この世界に生存するいままでノーグルーサが召喚した幻獣を自分の命令だけ聞く一種の暴走状態で召喚する、最上位魔法より一つ上の魔法ーー禁忌とされた魔法ーーである《禁忌術》だ。
これを止める術はもうない。
そして、存分に受けるがいい!!
「スルターン、お前をその罪過と共に煉獄の業火で炙ってやる!!!!」
彼女の叫びは部屋を通り抜け、いつのまにか曇天に変わっていた空に轟いた。
そういえば、ドラコーンってドラコーンですよね。
ややこしい。っていう事で、名前つけようと思います。
なんかいい案があれば書いてくれれば有難いです。




