魔王家の動乱ー5 将たちと動乱の始まり
こんにちは。終焉の焔です。一日遅れました。すいません。
贖罪したいところですがいかんせん時間が……まあ本題へ、
三人の動乱の始まりと同じ様に将の話です。
ですが、動乱関係なく日常を楽しんでいる感じです。
タイトル詐欺ですいません。
明るく街を照らす月の下、ドラコーンは湯飲みに入ったお茶をずずっと啜ると。大きく溜息を吐いた。
日本風の庭園に縁側といった異世界らしからぬ場所にドラゴンの少女がいるとミスマッチが途轍もない。
そう、ドラコーンが今いるのは先述の通りの日本風の家屋。何故そのような事になったのかというと……
「いや、やっぱり我が家が一番だな」
将は呑気にそう言いながらドラコーンの横に腰掛ける。
そう、ここは将の前世の実家を魔法でそっくりそのまま異世界に現出さした将たちのいわば愛の巣なのだ。
だが、この表現をすると将の家にC4といった危険爆発物が投げ込まれないかが危惧される。
正にリア充爆発しろである。
そして異世界でリア充を狙った爆発テロが立て続けに起こると死者数が大変な事になりそうだ。
これにより少子化のさらなる進行が懸念される。ハーレム主たちには是非とも頑張って欲しい所だ。
冗談はさておき、将はお茶啜るとドラコーンに藪から棒に尋ねた。
「そういえば、ドラコーンって名前なの?」
その言葉にドラコーンは眉を寄せた。
「藪から突然棒を突き出しましたね。英語で言うと a Bolt From the Blueですね。略してBFB」
「勝手に略称を創るなよ…てか、ドラコーン何か怒ってる?」
「いえ、なにも」
ツンとした表情を崩さずに素っ気なく答えるドラコーン。それに将は頭をボリボリと掻いた。
「うーんと……俺なんかしたっけ?」
「丁度、1日と4時間53分27秒前を思い出して下さい」
いつものクールさからは考えられない女々しさを全開に言うドラコーンに将は苦笑いで約1日と5時間前を回想した。
そう、丁度あの時は無党派の魔物を蹴散らしていたはずだ。
ミルシェアが目覚めるまでまだ30日ほどもあるというので『ボルソルン』のギルド長として仕事をこなしていたのだ。ギルドは未だに以前の魔王軍の進行の傷が癒えておらず、まともに動けるものは将とその一行しか居なかった。ギルド長が動くというのもなんだが、それでも街の治安を守る為で致し方ない。
それに将も自分の持て余した力を使う興が必要であった。
その日は魔王軍より離脱した人型魔獣を中心に形成された部隊の討伐もしくは撃退、あるいは説得による懐柔といった任務であった。もちろん説得など通るはずもなく送った通信魔法も返信はなかった。
そこで将たち一行は無党派討伐に向けた討伐メンバーを決める為、リビングのテーブルに向かい合いミーティングを行っていた。
「んじゃあ、俺一人で行ってくる」
その将の言葉にドラコーンは挙手して意見する。
「それでしたら、主人様にもし何かあった時に危険では?」
「うん、ヘルドもそう思う」
「私も将さんの身に危険が及ぶのは避けたいですし連絡係程度にもう一人付いて行った方がいいかもしれませんね」
ドラコーンの言葉にヘルドとリーフィアはそれぞれ、賛成の意を示す。それに将は唸った。
「うーん、じゃあ誰がいいか……」
その言葉に三人の少女が一斉に手を挙げた。
ドラコーンは恥ずかしいのか顔を赤らめ遠慮がちに。
ヘルドは顔をほんのりと赤らめながらピシッと真っ直ぐに。
リーフィアは顔を逸らし、はにかみながらこれまた遠慮がちに。
「え?みんな行きたいの?」
将が戸惑いながら尋ねると三人の少女はそれぞれこくりと頷いた。
すると、将は悪びれのない笑顔を見せる。
「じゃあ、みんなで行こうか」
「はい、主人様がそういうのであれば」
「うん」
ドラコーンとヘルドは賛成したのだが、後の修羅場を生む原因はここから始まった。
リーフィアはおずおずと手を挙げると切り出しにくそうに言った。
「いえ、私もそうしたいのは山々なんですけど……街にも防衛の必要がありますので、こちらには二人程は残ってもらいたいのです」
「んじゃあ、誰か一人だけだな」
「そうゆう事になりますね」
「じゃあ……」
その瞬間、三対の煌めいた眸が将に向けられた。三人のプレッシャーのような何かが将に冷や汗をかかす。誰かを選べば誰かが哀しむのは明らかだ。そんな状態で決定できる訳もなく将は逃げの一手を打ったのだ。
将は蒼い転移魔方陣を展開し敵の本拠地と思われる洞窟に直接転移した。
早逃げは三手の得と言うようにこの手が最善手であったであろう。
何か問題はあるのだろうか。将に検討はつかなかった。
「逃げましたよね」
湯呑みを持ったままドラコーンは冷たい目を向ける。
それに日昇は苦笑しながら目線を逸らす。
「乙女の純情を放置して逃げるなんて……それでも男なんですか?」
「ははは……」
乾いた笑いをする将にドラコーンの瞳は更に冷たさをまし、目だけで人が殺せる程に冷え込む。
目だけで人を殺すというのはゴルゴーンなのか、バジリスクなのか、非常に恐ろしい化け物なのは確かだ。ドラゴンも爬虫類の一種であると考えられる為、この化け物たちの仲間入りは出来るであろう。
なんだ、その爬虫類は目だけで人を殺せる説は。
「まあ、私はただ主従契約もしてますのでやはり主人様に付いていかなければ行けないかなって思っただけですからね!」
そう顔を赤らめながらソッポを向いて言うドラコーンに将は苦笑いした。
「はいはい」
「本当なんですからね!別に主人様の事なんて好きじゃないんですから!」
「そうか、そうか」
そのように将がドラコーンの言葉を適当に受け流しているとドラコーンは俯いたまま、プルプルと震えだした。
「………なんで、悔しがらないんですか!!」
「え?別にドラコーンはペットみたいなもんだし、別に好かれなくてもペットは居るだけでいいんじゃないのか?」
「私ってペットだったんですか!?」
将ののほほんとした天然(馬鹿)的な言葉にドラコーンは酷く衝撃を受けた。
それに将はお茶を一口啜るとドラコーンの重いショックとは裏腹に軽い感じで頷いた。
「うん、ペット。俺の大事な可愛いペット」
その言葉にドラコーンの頬はショックなど忘れて一気に紅潮する。
そして立ち上がると将の前にモジモジとしながらもたった。
「うん?」
「主人様のそうゆう優しいところ、大好きです………でも…でも、でも!私はペットじゃ嫌なんです!」
そう将に一歩ずつ踏み込んだドラコーン。
ドラコーンのまだ成長途中だが整った顔が将の眼前に迫る。
将の吐息が当たるほどに近い。だが、それは物理的な距離にすぎない。
ドラコーンの恋の旅路は、まだ始まったばかりであるのだ。
しばらくの間だったのか、それとも刹那の出来事であったのか少なくともドラコーンには永遠とも感じられる無言の時間が続く。将にもそうであるように願いながらドラコーンはその静寂を破った。
「もう!こうなったらリーフィアさんに言いつけてやります!」
ドラコーンは意地悪な笑みを浮かべてそう言うと玄関の方に向かって駆け出した。
「え!?ちょっと待って!ドラコーン!?」
その言葉に庭の角で振り返るとドラコーンは得意げに言った。
「主人様、止められるものなら止めてみてください!」
そう言うドラコーンには今を楽しむ笑顔であふれていた。
そうだ、今はこれでいい。この眷属の日常を楽しもう。
ーーこの想いが将に届くその日まで。
書いてて思ったんですが……ドラコーンが可愛い。
ミルシェアを忘れている感が凄いですがそのうち出しますよ。
そのうち……多分、恐らく、maybeで(笑




