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魔王家の動乱ー4 インフェナと動乱の始まり

はい、遅くなってすいません。

多分、おそらく、maybeで明日も投稿すると思います。

免罪符の販売は明日ですね(笑

「分かりました。それで全てなのですね?」

「はい、陛下」


ミノタウルスより、職務の引き継ぎを受けたインフェナは目の前で膝をついて平伏しているミノタウルスをみてため息をついた。君主であるという事だけで、ここまで頭を下げられるとは。全く落ち着く事ができない。ここは早く下がって貰わないと気持ちが休まらない。


「そうですか、もう休んでいいですよ」

「はい、失礼します、陛下」


そう言ってミノタウルスは去っていた。

扉が閉まる音にインフェナは大きく安堵の溜息を吐いた。


自分は魔王になった。今になってその実感が湧いてくる。


自分に務まるのだろうか。


人の上に立つという事が。


一抹の不安はやはり、未だとしてインフェナの心に渦巻いていた。


職務机に置かれていた調度品の時計を見ると針は7時を回っていた。

いつまでもここでくよくよしている時間はない。

いつもより一時間早いが今日は早めに床に就くとしよう。


インフェナは椅子から立ち上がると書類の束を片手に謁見の間を出た。


廊下は一見高級ホテルのそれと同じように豪奢にあしらわれたもので、ここが恐ろしき魔王が君臨する場所とは感じさせない造りだ。だがそれは、理由あっての事で、人類との連戦で疲れた将兵たちを気持ちだけでも休ませようという二代目魔王であるインフェナの祖母の取り計らいらしい。全くもって祖母は変わったお人だ。いや、魔王か。


自分の部屋に一人戻ったインフェナは電気もつけずにそのままベットに倒れ込んだ。

柔らかいマッドがインフェナの体を優しく受け止める。


その瞬間、インフェナの脳裏に今日一日の出来事が浮かんだ。


『では、お前がなればいいのではないかい、フェナ?』


いつかのノーグルーサの言葉が思い出される。力の強い者が王になればいい、至極ごもっともな正論だ。


だが……問題はそれでけではないのだ。


子供の時に幾度となく母親から聞かされた言葉がインフェナの口から無意識のうちに溢れるように呟かれた。


「魔王に人望はいらない。ーー恐怖で従わせばいいから。


魔王に友情はいらない。ーー友情は国益を守る上で邪魔になるから。


魔王に優しさはいらない。ーー生物は裏切りしか知らないから。


魔王に仲間はいらない。ーー仲間とは自分と同列の存在で、いらぬ情が湧いてしまうから。


魔王に感情はいらない。ーー魔王とは孤独なる存在だから」


そこまで言ったインフェナはいつの間にか零れていた涙を袖で拭うとこの天井の遥か上にあるであろう、月を仰いで嘆いた。


「お母様にはできても……私には無理です…本当に私なんかにできるのでしょうか?」


だが、その悲愴なる叫びは誰にも届かずにただ虚しく部屋に響くだけであった。

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