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魔王家の動乱ー2 リターナスと動乱の始まり

今日は。終焉の焔です。

編集が滞っていた贖罪といいますか免罪といいますか連日投稿に致します。

頑張りました。はい。

「大切な人ね……」


叢雲に隠れた月を一人、豪奢な部屋のベランダで仰いでいたリターナスは漏らすように呟いた。


大切な人。確かに、自分の母であるヘルドもそうだが、それだけでない。

そしてそのもう一つは取り戻せない。ーーたとえ、フェナの『力』を使ったとしても。


もう、取り戻せないのだ。

フェナはそれを知らないはずだが、それでいい。

あの子に永遠の罪過を背負わせるわけにはいかないのだから。


でも、だからこそ『力』が欲しい。何もできないとしても。何もできないと試してみてから諦めたい。

まだ、希望は捨てないでいたいのだ。


だが、もう、希望は捨てなければならない。

フェナが魔王になる事を決意した今、姉として私情は捨てなければならないのだ。


「希望は捨てなくてもいいではありませんか、きひひひひ」


不気味なしわがれた声。心を読み取るなど、余程高位の魔法でなければ出来ない。

この特徴に当てはまるものはもう少なく、リターナスが声の主を推測するのもそれほど難しく無かった。


「どうしたの?魔王三賢者が一人、牽強付会(けんきょうふかい)の玄人、スルターン・R・ナヒヤーンが」

「ご機嫌麗しゅうとはいかないようですな、リターナス殿下」


と、スルターンは影から姿を見せる。

フード付きのマントを深々と被り、顔すらも見せようとしていないその姿はさながら、お伽話で登場しそうな魔女であった。しかし、高身長であるという事はお伽話のそれと違うが。


「退屈な挨拶はいいわ。要件はなんなのよ?ーー私の(しもべ)たちをわざわざ無力化して来るなんて」

「そりゃあもう内密な話ですよ、きひひひひ」


不気味な笑い声は静寂した部屋に響き渡った。

そして、再び静寂が訪れるも、言葉は繋げずに視線が交錯する。


魔王三賢者の一人、牽強付会の玄人、スルターンは相手に取り入り、その相手の心を巧みに使い、操るという。今回、何が目的かは知らないが一瞬でも隙を許すわけにはいかない。


静寂の中、音も立てず吹いた冷たい夜風が身にしみる。

リターナスの背中に何か冷たいものが流れた。


まだ、未発達とはいえ魔王の娘にここまで圧力(プレッシャー)をかける事が出来るとは、こいつ只者ではない。リターナスは警戒心を強めて身構えた。


「そんなに身構えないで下さいよ。愚禿(ぐとく)は何も致しませんので。きひひひひ」

「じゃあ、帰って。一人にしなさい」

朱雀(すざく)浩二(こうじ)それが、貴方が愛していた男の名前ですね?」

「っっ!!!」


よもや、他人からその名前が聞く日が来るとは。リターナスは驚きを隠しきれなかった。

まさか、スルターンが知っているとは。魔王三賢者の名は伊達ではないということか。


いいだろう。鬼が出るか蛇が出るか、試してみようではないか。

ーーそれで、あの人の元へ一歩でも近づけると言うのならば。


「分かったわ。話を聞きましょう」

「そう来なくては。愚禿が出向いた意味がありませんからね、きひひひひ」


リターナスはその不気味な笑い声に歩み寄った。


暗黒なる空に浮かぶ月は叢雲に掻き消され、今では月光をも見せようとしていなかった。





最近、キャラネームを忘れてしまいます。

どうしたものか……

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