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患者の隣ではお静かに

今日は終焉の焔です。

忙しい合間を縫っての執筆なんで何を目指して書いていたか忘れる……

まあ、ともあれ本編どうぞ

「貴方は奥さんが大変な時に何やってんですか⁉︎」


リーフィアは患者が隣で眠っている事も忘れて大声で叫んだ。患者の隣ではお静かに願いたい。

目の前には正座して此方に向かって頭を下げている将。

そしてその傍にはここら辺では珍しいドラコーン族。さらには姿は人と変わりないが二本のツノの生えた見た事もない種族の幼女。妻が寝込んでいるというのによくこれ程ハーレム要員を連れてきたなとリーフィアは激昂しているのだ。いや、落胆といったほうが近いかもしれない。


「それにこの人達は誰です!」


そう大声でドラコーンの少女と幼女を指差し叫ぶリーフィア。


「えーと。説明した方がいいのか?」

「当たり前です。私達は主人殿とこれから共同生活をするのですよ、このお方には迷惑をかける事になるでしょうし」

「将。ヘルドもそう思う」


申し訳なさそうに耳打ちするドラコーンとそれとは対照的にあどけない笑顔を見せるヘルドという少女。

ドラコーンは将の事を主人と呼んでいる事から主従契約をしたのだろうが、この少女は……


リーフィアがそう訝しげに少女を見つめる。

するとその視線に気付いた少女は怯えた表情で将の背後に隠れてしまう。


「ああ……リーフィア。そんなおっかない顔しないでくれよ。ヘルドが怖がってるから。…それにそんなに怒ったら可愛い顔が台無しだぞ」

「っっっ!!!」


将の苦し紛れの言葉にリーフィアの顔が一気に紅潮する。


「っδΔゅαΣωβσふぁ!」


取り繕おうとするが言葉という言葉が出ない。そしてただ手をあわあわ彷徨わせている。


「そそそ。そうですよね。すすすすすみません。とととと取り乱してしまって。もう大…大丈夫…でですよですよです」


そうやっと発せたリーフィアだったが、全然大丈夫でない。

しかも語尾がなんかおかしくなっている。ミルシェアとかぶっている感が否めなく、将も苦笑いである。

最近はミルシェアキャラかぶり事件が多発している。


「からかわないでください!私なんてどうせ醜い獣の血ですよ……」


そう俯くリーフィア。それと呼応して耳も萎れておりそれがとても愛らしい。

気付くと将は頭をワシャワシャと犬を撫でるように撫でていた。


「醜くなんてないぜ。逆に可愛すぎてずっと見ていたいぐらいだ」

「はう……」


その将の言葉に再びリーフィアの顔が紅潮する。だが、今回はあまり取り乱さなでなでを喜ぶ犬の如く尻尾を振って嬉しさをこれ以上ないまでに表現している。


「って!」ーーその言葉と共にめまぐるしく動いていた尻尾が止まったと思うと。

「そうじゃないでしょ!!!」


病室に再び絶叫がこだました。患者の隣ではお静かに願いたい。


「この人達は誰かと言っているーーはうう〜」


凄まじい剣幕で問いただそうとしたリーフィアの頭を将が再び撫でるとその迫力は一転、ただの可愛らしい犬の少女となってしまった。


「はっ!だからこの人達は誰かと言ってーーはうう〜」


気を持ち直したリーフィアだったが再びの将のなでなで攻撃に一転して屈服してしまう。


「はっ!だからこの人達はーーはうう〜」


再び気を持ち直したリーフィアだったが(ry


「はっ!だからーーはうう〜」


さらに再び(ry


「なんと恐ろしい攻撃なんでしょうか……」


そう、床にへたれこんで肩で息をするリーフィア。それを将は苦笑いで見遣る。


「えーとなぁ……こいつはドラコーンていって、俺の眷属だ」


リーフィアの努力虚しく、頼んでいない時に素っ気なく答える将。

床に座り込んだまま顔だけ上げて聞くリーフィアにドラコーンは深々とお辞儀をした。


「へぇー眷属を手に入れたんですか。それは凄いですね」


素直に感心するリーフィアに将は先を続ける。


「んで。こっちがヘルドラシル・シュターゼ。魔王だ。ヘルドって呼んでやってくれ」


「へぇー魔王ですか。凄いですね……………………………………………………って!!魔王!!!???」


3度目の絶叫が病室内に響き渡る。患者の隣では(ry


「何連れてきてるんですか!?魔王ですよね!?」

「うーん。何でって言われても可愛かったからとしか……」

「そんなんで連れてこられたら魔王もたまったもんじゃないですね。ねぇ、ヘルドさん?」


リーフィアの言葉にヘルドは将の袖をぎゅっと握りしめ、首を振る。


魔王が可愛い過ぎる…………


リーフィアはこれまで生きたきた中で一番の驚愕をした。


「そんなに怖がらなくても大丈夫だよ、リーフィア。今は俺の魔法で力を抑えてるから」


驚愕で固まっていたリーフィアを怖気づいていると勘違いした将がそう救いの言葉をかける。


「……え!ああ……はい。そうなんですか……良かったです」

「それでなんだけど………この子達とここで暮らしたら駄目かな?」

「え!?」


将が切り出しにくそうにそう言うとリーフィアは驚きを隠しきれなかった。


一緒に暮らすと言うことは将と………


そんな妄想をして顔が緩んだリーフィアにここぞとばかりに畳み掛ける。


「駄目かな?リーフィア。頼む。この通り」

「私からもお願いします」

「ヘルドも」


3人が全員、頭を下げる。

それにリーフィアは緩んだ顔を引き締めた。


「はい。その事については構いませんが……一つだけ」

「なんだ?なんでもする」


将の言葉にリーフィアは謹厳な瞳を向けた。将はその瞳を受け止め、真摯な姿勢を示す。

するとリーフィアは少しの間を置いていった。


「はい。将さんには『ボルソルン』にギルド長として入団して貰いたいのです」



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