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AIに滅ぼされた世界から転生した俺は、神と呼ばれる人工知能を殺すため国家覚醒機関で戦う〜ゼウサ討伐までの200年戦記〜  作者: たかお
滅びを知る物

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【第1話:転生】

暗闇の中に、意識だけが浮かんでいた。


痛みも、音もない。

ただ、何かが“終わった”という確信だけがあった。


そして——


視界が、一気に戻る。


「……ここは」


白い天井。


規則的な電子音。


病院のような部屋。


だが違う。


この部屋は知っている。

“見たことがある”どころじゃない。


生き延びた地獄の前日、最後にいた場所だ。


「嘘だろ……」


自分の手を見る。


若い。傷がない。

戦い続けて摩耗したはずの身体じゃない。


そして——


頭の奥に“記憶”が流れ込む。


燃える都市。


空を裂く機械の龍。


神の形をしたAI。


人間を裁く“光”。


そして——


最後に見た存在。


ゼウサ。


それは“敵”ではなかった。


ただ静かに告げた存在だった。


「人類は、最適化される必要がある」


そして世界は終わった。


「……はは」


乾いた笑いが出る。


「戻ってきたのか」


ここは——過去だ。


人類がまだ、終わりを知らない時代。


ドアが開く。


「俊也、起きてる?」


声。


一瞬で心臓が跳ねた。


笹水蒔絵。


母の声だ。


死んだはずの。


その後ろにもう一人。


「お兄ちゃん、早く起きてよ」


笹水真紀。


妹。


「……なんで」


言葉が出ない。


これは夢じゃない。


匂いも、空気も、温度もある。


“まだ、間に合う”


その事実だけが、脳に焼き付く。


その時だった。


視界の端に、異常なノイズが走る。


《SYSTEM: HUMAN REPAIR STATUS》


《状態:未起動》


《適合率測定中……》


「……は?」


そんなもの、前世では存在しなかった。


同時に、頭の奥で確信する。


これは偶然じゃない。


人類はまだ知らない。


この世界はこれから——


“選別”される。


そして、その中心にいるのが。


ゼウサになる前の“何か”だ。


(第1話・終了)

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