エピローグ 私と女神の日常生活
軌道衛星上での戦いから夜が明け、帝国はニコラス皇帝がこれまでやってきたことを公表した。そのことがきっかけで帝国各地で反発運動がおこり、帝国の求心力は低下。その領土が半分以下になるまで、かつての侵略地の独立を許すこととなった。事実上、長きにわたる火種を作り出してきた帝国は崩壊した。
そんな火急の中、アクセルはセントラルタワー跡、現慰霊碑に手を合わせ、かつての友を偲んでいた。
「知っているか。彼女たちは3年になってもまだ厄介ごとを引き受けたらしい。今度はかつての中立国で未確認の魔獣と武器商人グループと戦ったと聞いている。王国の彼らがなぜ中立国にいたかというと…………」
彼は慰霊碑に語り掛け、彼女たちの冒険談を伝えていく。
「今度、面白い話を聞いたらまた来るよ」
アクセルは白い花束とキッドの変装時に使っていたサングラスを置いて、あの戦いの後、かけられたつり橋を渡っていく。子供のようには戻れなくなった自分を置いて、父親の罪も背負った彼はまた贖罪の旅へと出るのであった。
帝国領の北端の森でエミリーはマリアが連れてきた少女のメンテナンスを行っていた。1年という長い時間がかかったものの、少女の身体の構造を理解したエミリーは言語機能の修復も兼ねたメンテナンスを実施した。そして、汗を拭いてようやくその作業が終わったところだ。
「これで大丈夫なはずッスよ、エマ」
「その名前はダサいと思いマス。あと微妙に治っていまセン」
「良い名前じゃないッスか。エミリーの『エ』とマリアさんの『マ』でエマ」
「安直すぎマス」
「だったらどういう名前が良いと思っているッスか」
「スペシャルグレートアルティメットスーパーウルトラハイパーマスターネオニュー……」
「長いッス。エマで決定ッス!」
「そんな……」
「泣き落としは効かないッスからね」
「チェッ……」
「本当、どこでこんなこと学んだッス?」
エミリーは拗ねているエマを見ながら、今日の研究は早めに切り上げて一緒に遊んであげようと思うのであった。
3年になっても、ソフィーたちのドタバタ生活は終わらなかった。夏休みに入る直前の学園での貴重な時間、ソフィーは机にぐで~ともたれかかっていた。その横ではもはや姿を隠す気が無いマリアとクレアが立って、ソフィーの愚痴を聞いていた。
「この前は大変だったよ」
「まさか妹たちが止まった宿で武器の密輸が行われていて、武器商人グループに目を付けられるとは思わなかった」
「しかも1年の戦いで生き延びていたメタルオーガが異種交配して新種を生み出していたとは思いませんわ」
そんな愚痴をこぼしながら、学園での時間は過ぎていく。
きっと彼女たちはこれからもいろんな事件に巻き込まれながらも、日々成長していくだろう。
だからこそ、彼女たちは忘れない。
大切なものこそ身近にあることに。
人とのつながりこそが人の力だということに。
ソフィーたちの冒険談はこれからも続きますが、これでこの話は終わりです。
投稿して約2か月。
その間、リアルでも色々とありましたが、
ブクマや感想を書いてくださった方に励まされながら、
無事完結することができました。
現在、『異世界学校~転移した聖女は私の妹になる』を連載しているので、
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