表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された弱小将軍の俺、本能寺の変を「嘘」で上書きして天下を操る 〜光秀を救い、秀吉の嘘をさらに嘘で塗り潰したら、いつの間にか歴史最強の黒幕になっていた〜  作者: ガドウ@歴史改変チート


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/18

第四話:狸の沈黙

三河の古狸、徳川家康。

 織田信長亡き後、最も冷静に、かつ執拗に 次の覇権 を計算している男だ。

 彼は静観していた。秀吉が泥濘に足を取られ、利休が足利に跪いたという信じがたい報を聞いてもなお、その重い腰を上げようとはしない。


「……動かぬなら、こちらから踏み込むまでよ」


俺は備後の草庵で、震える左手を見つめた。

 すでに右肘から先は、冷たい石のような感覚しか残っていない。命を削るたびに、俺の身体の一部が 現実 から切り離されていく。


俺は巻物を広げ、かすれた視界を凝らして筆を落とす。


『徳川家康の枕元に、ありもしない「信長からの遺言状」を顕現させ、その忠誠心を足利への恐怖へと変換せよ』


書いた瞬間、肺を鷲掴みにされたような痛みに襲われた。

 血を吐くことすらできず、俺はただ喉を鳴らしてのたうち回る。代償は、次第に内臓の深くまで侵食していた。


しかし――歴史の糸は、家康の頭上で残酷に絡み合う。


その夜、浜松城の寝所で家康は見た。

 厳重に封じられたはずの枕元に、見覚えのある筆跡で記された一通の書状を。

 そこには、本能寺で焼け死んだはずの信長の声が、紙面から滲み出すような殺意と共に記されていた。


『家康。予が死したる後、天を継ぐ者は義昭なり。これに背く者は、予が地獄より連れ去らん』


「馬鹿な……。これは、上様の直筆……いや、それ以上の『何か』だ」


家康は震えた。

 忍びも通さぬ寝所に、物理的な痕跡を残さず現れた書状。

 知略や武力では説明のつかない 理外の力 が、自分を監視している。その恐怖が、家康の計算をすべて破壊した。


翌朝、家康は全軍に対し、戦を禁じ、足利幕府への全面的な支持を表明する誓紙を書いた。


「……ふ。これで、国内の主要な駒は揃ったな」


俺は薄れゆく意識の中で、不敵に笑う。

 だが、その時だ。

 俺の視界、赤く染まったノイズの隙間に、一瞬だけ 白い光の文字 が走った。


『エラー:因果律の過剰な歪みを検知――修復プロトコル待機中』


「……なんだ、今の音は。誰だ、俺の頭の中に声を響かせる奴は……」


それが、後に 神様 だか 運営 だか呼ぶことになる存在からの、最初の宣戦布告だった。

ついに『天』からの干渉が始まりました。

これまでは人間同士の情報の奪い合いでしたが、ここからは義昭vs世界の理という、より過酷な戦いへと変質していきます。

義昭の身体に起きる異変が、単なる病ではなく『世界の報い』であることに気づいた時、物語の真の姿が見えてくるはずです。引き続き、彼の大博打を見守ってください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ