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人生ゲーム  作者: 柚樹
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終幕

いったいどこまで走ったのだろうか。

そしてどこへ向かっていたのだろうか。

潤はとにかく早く1日が終わって欲しいと、現実世界にいた時以上に強く願った。

フラフラになりながら学校らしき場所にたどり着いた。

潤は学校名を確認せず、まっすぐ校舎へ向かって歩いた。


「もう・・・ここに隠れよう。ここに隠れて1日を凌ごう。」


 その時、辺りが急に明るくなった。

潤は驚き顔を上げた。

校舎の屋上から無数の光が潤を照らしている。

あまりの眩しさに潤は顔をしかめ、手で光を遮り辺りを見回した。

見たことのある校舎。

そこはS高校だった。

潤が嫌っていたS高校。

いつの間にか見知った通学路を走っていたのだ。


「最後の最後にたどり着いたのはここ・・・」


「銃を捨て、手を上げろ!!お前は完全に包囲された。」


「うるっせぇぇぇ!!撃つぞコラァ!!!」


 潤は拳銃を警官隊に向けた。

しかしそんな抵抗は意味がないものだ。

ぐるりと辺りを見渡すと、正門には十数人の警官隊が拳銃を構え、上にはライフルを構える警官隊がいる。

中には一般人も混ざっている。

野次馬ではなく、潤の敵として集まっているのだ。

自分が劣勢なのは目に見えている。

潤はそれでも生にすがり付こうと、必死に助かる道を頭の中で探した。


『思い出せ。何か見落としているんだ・・・これはゲーム・・・これはゲームだから・・・そうだルールだ。説明書を思い出せ。』


潤の頭にある一節が過ぎった。


“命を落とせばゲームオーバーとみなし、意識は自動的に現実世界に戻ります”


必死に逃げ回っていたが、これは所詮ゲームで、ここで死んでも現実世界に帰るだけなのだ。

ゲームのルールを忘れていたが、思い出すと同時に冷静になった。

潤は拳銃を1mほど先に放り投げ、高笑いをした。


「あははははは!!!撃てよ・・・俺はここの住人じゃねーんだお前らと違うんだよ!!ここで死んだって俺は俺の世界に戻るだけだ!!」


 痛みは腕や肩を撃たれた痛みとは比べ物にならないだろうが、ここで逃げ回るよりさっさと現実に戻った方がいい。

潤は急かすように撃てと叫び続けた。

ゲームのルールを思い出してよかったと、潤は表情には出していないが安堵していた。

そして次から次へとゲームのルールを思い出していった。

しかし高笑いがピタリと止まった。

先程の潤とは打って変わって表情が曇っている。



“ゲームを終えたければ、ゲームの世界で、このヘルメットを装着してください”



“現実世界でヘルメットは絶対取らないでください。ヘルメットは命綱のようなものです。”



「じゃあ・・・さっき戻れなかったのは・・・」


“へるめっとハ命綱”


「・・・・・・こっちで死んだ俺の意識はどこへ・・・?」


「構え!!」


 警官隊の一人の号令と共に、みな拳銃やライフルを構えた。



“絶対取ラナイデ”



あの時現実世界に戻らなかったのは―



現実世界の俺が―



「撃つな!!撃たないで―」

「撃てぇぇぇ!!!」


潤の悲痛な叫びは銃声にかき消された。








GAME OVER














 


「おい達雄、何やってんだ?」


達雄と呼ばれた男は後ろを振り向いた。

達雄は声を掛けてきた男と向き合いニヤニヤと笑った。


「悟、見てわかんねー?」


 そう聞かれて悟と呼ばれた男は今の光景をまじまじと見た。

ここは町のそこら辺にあるゴミ置き場の一つで、達雄はそのゴミ置き場を漁っている。

この光景が悟の見たままの光景だ。

悟は率直に答えた。


「ゴミ漁り。」


「正確に言うと掘り出しモン探しだ。人を変人みたいに言うなよ。」


「いや、側から見たらただのゴミ漁りだって。

誰も『あ、あの人何か掘り出し物を見つけてるんだ』なんておもわねーよ。

だからさっさとやめろよ。

恥ずかしくねぇの?」


「だって、これ見ろよ」


 達雄が手にしているものは人気のゲーム機、PS2の本体だった。

悟はさっきまでの発言とは裏腹に、興奮し声を上げた。


「マジかよ!

勿体ねぇなぁ売ればいいのにさぁ〜。

捨てる奴いるんだなぁ」


「俺欲しかったんだよなぁ〜。

ご丁寧に、ソフトもこんなにあんぜ?」


達雄は大量のゲームソフトが入った箱を持ち上げ、悟に見せた。

その箱を除く悟の目が輝いている。

注意していた悟もだんだんこの話に乗ってきた。


「なぁ、いらないやつは売って、面白そうなやつはやろうぜ?」


「そうだな!

元々捨ててるもんだし、貰ってもいいよな!」


「それは?

一応PSのロゴマークついてっけど?」


悟は“それ”を指差した。

それは確かにPSのロゴマークが入っているが、通常のゲームソフトのケースより何倍も多く、しかもA3サイズほどの箱だ。

そんなケースは見たことない。


「何てゲーム?」


「えーっと・・・タイトルは―」








“人生ゲーム”







最後までお付き合いくださりありがとうございました。

文章を書くということは大変難しい事だと痛感しました;

アドバイスくださった方々、ありがとうございました。

アドバイスを取り入れてまた頑張って新しい話を書きたいと思います。

いつになるかわかりませんが、またお会いできたらいいなと思います。

その時も是非ビシッとお願いします(笑)

それではこれで失礼します。

本当にありがとうございました!

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