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透明人間の俺だが、片思い中の同期のスケベが拝めない  作者: saba20


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15/15

15話:マドンナに告白

隣に居なければ、伝わらない愛がある。


あの衝撃的な夜から数日。高木は自ら

退職を選び、社内から静かに姿を消した。

俺と藤咲の関係は、社内の誰もが気づかない

場所で、確実に変わっていた。昼休みの

社員食堂、周囲の目を少しも気にせず

藤咲は嬉しそうに俺の隣の席へとやってくる。


「佐藤さん、今日も一緒に

お昼ご飯食べてもいいですか?」


そう言って頬をほんのり朱に染めて

甘えるように愛くるしく微笑む藤咲。

会社で見せる隙のない完璧なマドンナの

仮面は完全に剥がれ落ち、俺の前だけで

見せてくれる素直で愛おしい笑顔を

俺は独り占めしていた。自分に向けられる

その無防備で純粋な好意に接するたび

俺の胸は締め付けられるような

愛おしさで満たされていった。


その日の夜、いつものように二人で並んで

帰路についていた。静まり返った夜の中

月明かりが二人を優しく照らしている。

二人が住む社員寮の前に着いた頃には

抑えきれない想いが溢れ出していた。

去り際の一歩を踏み出そうとした藤咲の前に

回ると、俺の動きに驚いたように藤咲が

丸くて大きな瞳でこちらを見つめてくる。

胸の奥で心拍数が跳ね上がるのが分かった。

手に握る汗、喉の渇き、息が詰まりそうなほどの

激しい緊張感。首を少し傾げて俺を見つめる

藤咲の愛くるしい姿が俺の動悸を限界まで

加速させる。一人の男として藤咲の隣に

立ち続けると心に誓った俺は逃げ場のない

真っ直ぐな瞳で藤咲と向き合い、胸の奥に

秘め続けてきた想いを一心に口にした。


「藤咲さん……ずっと、あなたのことを

見ていました。これからは一人の男として

一番近い隣であなたを支えたいです。」


静寂が支配する空間に、俺の震える声が

響き渡った。直後、呼吸すら忘れるほどの

緊張が襲う。一秒が永遠のように感じられる

沈黙の中、真っ直ぐに想いを伝える俺の言葉を

聞いた藤咲は大きな瞳をうるませ、胸元で

小さく手をギュッと握り締めた。真っ赤に

なった顔と、今にも涙が零れ落ちそうな

潤んだ瞳は、胸が苦しくなるほど

愛おしかった。言葉にならない感動と

溢れ出る喜びに、身体を震わせながら

藤咲はゆっくりと息を吐き出した。


「私、佐藤さんに感謝しています。

いつも温かい優しさをくれる佐藤さんに

いつまでも隣にいてほしいです。」


そう言って、弾けたような満面の笑みを

浮かべると、待ちきれないと言わんばかりに

藤咲の方から俺の胸へと小さく

飛び込んできた。軽い衝撃と共に

俺の腕の中に収まった藤咲の身体は驚くほど

小さく、柔らかく、俺の身を溶かすほど

温かかった。抱きしめ返した腕を通して

藤咲の華奢な肩の揺れと、刻み続ける心臓の

鼓動をダイレクトに感じていた。


巡り合えた藤咲というかけがえのない存在と

こうして抱きしめ合える今この瞬間こそが

俺がずっと探し求めていたかけがえのない

愛の形だった。二人を遮るものは何もない。

夜風が静かに通り抜ける廊下で、俺たちは

言葉もなく互いの体温を確かめ合いながら

胸いっぱいの確かな幸せを噛み締めていた。

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