権能の効果はいか程で?
こんな物語あったらいいなあと思ったら、小説を書き始めました。
趣味全開のご都合主義で進みますので、温かく見守って頂けると幸いです。
誤字脱字等ありましたら、ご報告よろしくお願いします。
30分くらい経った頃、我に返った長老さん達と2人は、私たちに謝りつつ、感謝を述べる。
「此度は我々ではどうすることも出来なかった精霊樹様の復活を成してくださり、誠にありがとうございます。我々は未来永劫、忠誠を誓わせていただきたく存じます。」
「え、いや、あの…」
チラリとフィーを見る。私の意図を読み取ってか、代わりに話を付けてくれる。
〈私が任されましたので、返事をしましょう。忠誠は勿論、当たり前です。しかし、それだけでは足りません。誓約を結ぶ事で、この件はお終いとしましょう。〉
「それだけでよろしいのでしょうか?」
〈ええ。ただの誓約ではありませんので。レーナ様、権能をお願い致します。〉
「…ん?え、け、権能?あれを使うの?!わ、わかった、えっと…」
未来永劫の忠誠とか重いなぁ…。でも受けないともっと酷くなるよね…。なんて考えて意識を半分逸らしていたからちょっとだけ反応が遅れたけど、それにしても権能まで使うんだね?
使った事ないからやり方分かんないし、『神眼』でも見れないし。どうやってやればいいんだろう?と、とりあえずステータス画面を開いて、権能【契約と懲罰】をタップしようとすると、頭に使い方が流れ込んでくる。
一、契約は双方同意の上である事。
一、発動呪文は「汝、その契約を望むか?」
(遠隔の場合は使者を通せば可能である。)
一、権能者が事柄を把握出来ていなければ、発動しない。
一、契約締結後、自動で懲罰は執行される。これは認知の必要はない。
一、権能者が直接行使する場合は、権能者が上位になる内容になっていること。
※回数制限なし・魔力消費なし
それを瞬時に理解した私は、少し距離があった長老さんの前に行き、行使する。距離は関係ないはずなのだが、体が勝手に動いた。
「[汝、その契約を望むか?]」
勝手に動いた体は、跪いていた長老さんの額に手をかざし、私の声とは思えない程威厳のある声で問いかける。
どうやら権能を使用すると、神らしい振る舞いを自動で行うらしい。
それを見た神性生物組は最初から分かっていたかのように動じずこちらを見つめている。フィーに関しては、感動して震えているのが視界の端に映る。
それ以外の皆は、突然放たれる神気に自然と片膝をついてしまう。
とても神々しく、美しい。ずっと見ていたいが、目を逸らしたくもある。そんな交差する正反対の感情に支配されながらも、視線を向けたまま跪いた体勢から崩せない。
「[…もう一度、問おう。汝、その契約を望むか?]」
私自身は理解している。突然、神気を放たれ、正気を保って問いに答えられるわけがないと。でも私の意識とは別なようで、回答を急かす。
「…っ、反応が遅れ大変申し訳ございません。契約を承諾致します。」
「[契約成立。今ここに【契約と懲罰】を使用する。これより先、如何なる者でも権能のもと罰があると知れ。私は見ているぞ。…光の、感動しすぎだ。]」
〈はっ、申し訳ございません。やはり女神だったのですね。レーナ様はご無事なのですか?〉
「[やはり気付いておったか。妾が寵愛する愛し子を傷つけるはずなかろうに。これは“初回限定”とう言うやつだな。以降は神性に補正が付くだけだ。……と、妾はここまでのようだな。いつか直接会える日を楽しみにしておるぞ、愛し子よ。…森妖精族も見る目があるものよ。よく仕えるが良い。では、またな。]」
そう言うと少し重々しかった雰囲気が一変し、神気はあるものの、先程より重圧を感じる事は無くなった。私の体も操作が出来るようになる。
「ごめんね?」
〈いえ!とても神々しく良きお姿でした!女神が乗り移っていたのは癪ですが。〉
「あはは…、長老さんもラフィネさんもシューラスさんもごめんね?制御が効かなくて、膝を付かせたかった訳じゃないんだけど。」
「いや、強制だったのだろ?なら仕方ないな。」
「うん、そう思う」
「そうですな、我々としては女神様と交流出来たのですし、何も悪いことなどありません。むしろこの機会でなければ、絶対に交流など出なかったでしょうから。」
謝罪を告げる私に、みんなは好意的に接してくれる。まさか乗っ取られるとは思わなかったけど、とりあえず権能の使い方は理解出来た。
それにしても、女神って呼んでたけど、フィーって実は教えられてるより偉かったりする??いや、それよりもまた会う機会があるって言ってたけど、まさかね?
〈では、女神主導で契約も結べた事です。そろそろお暇させて頂きましょうか。……レーナ様?〉
「……あ、うん、そうしようか。精霊樹との積もる話もあるだろうし。」
「お気遣いありがとうございます!何かありましたら直ぐにお知らせください。私たちに出来る事であれば協力は惜しみません。」
長老の言葉を最後に私はフィーが抱き抱え、帰り担当のルーに手渡される。空に飛び立つ直前に振り返ると、私たちに向かって深く頭を下げる森妖精族全員が見えた。
こちらを見て会釈をした精霊樹と目が合ったので、頭を上げるようにジェスチャーで伝えたが、私が見てる間はずっと下げ続けていた。




