22話
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「お達者で旅人さん」
「ありがとうございます」
「何、こっちも稼がせて貰ったからね
キヌイに寄ることがあればまたのご利用を」
一方マージは宿屋の計らいにより賞金稼ぎに絡まれるより早く裏口からの逃走に成功していた
◆
「全く、何でこんなことになってるんだか」
マージは家屋の壁を登りきると町の外壁までの直線距離を走り出した。身に覚えのない罪での拘束は十中八九厄介ごとの類であることは明白───三十六計逃げるに如かずといったところだった
「…これは」
しかし、そこに張られていた警戒網に逃走は失敗に終わった
「シズクさん…」
「マージ」
40人を超える兵士による包囲網、マージの顔から余裕がなくなり、静かに武器を覆う布に手を掛けた
「シズクさん、見逃してくれませんか?」
「マージ、大人しく捕まって」
「はは、僕が…」
〈何したって言うんだよ〉その言葉を飲み込み武器を構えたマージの思考には相手の無力化と逃走までの経路が点の形で記録されていく
対するシズクはゲランの作戦により怪しまれることを前提に全力で取っ捕まえることを推奨していた
「退いて下さい」
「嫌だ」
「なら───」
「【ソウテンガロウ】」
『魔力貯蔵』が
【ソウテンガロウ】に魔力供給を始めた
「───押し通ります」
◆
「っく、厄介だなぁもう!」
「嘘…何で」
シズクの身体から立ち昇る黄金色の魔力が軌跡と残る程の攻撃を浴びて尚マージはそれを目で捉え、紙一重以上の神がかった回避を繰り返していた
「抵抗するなマージ!」
「嫌ですよ!」
黄金色の魔力を纏うシズクの猛攻に対し、陽炎に似た空間の歪みを目元に纏うマージ───魔力による〈身体強化〉により持ち前の動体視力をシズクの攻撃を目で追える段階まで押し上げる荒技で対抗していた
シズクの攻撃に動きによる加速がなかった。シズクは始動と同時に最高速に達していた。マナの助けを借りて空気を面として捉える歩法にてどんな体制、どんな環境においても地形的有利を取れる猛攻は〈砂嵐〉───防ごうにもその手段が分からない様だった
なのにも関わらず、マージは長物による不利をものともしない杖術、槍術、斧術の混ざりあった武器術にてそれら猛攻を相殺していた
◆
「ど、どうして…」
「どうして?」
「分かんねえ!分かんねえ!!」
「何が起こってんだ」
辺りを包囲する兵士はその光景に呆気に取られる。町でも少し有名になってきたシズクと指名手配犯の汚名を着せられている2人の一糸乱れぬ攻防戦───轟音に近い金属の反響音と生じる衝撃波に立っていられるのもやっとと言った様子だった
「エルドロさん、見えますか?」
「いんや、全然」
殆ど蚊帳の外だった
◆
先に根を上げたのはマージだった
「…ほんと、強いなぁ」
【スキル】と『アーツ』のシナジー効果、シズクの【才能】をより扱い易くする『補助』の厄介さはマージがよく知るところだった
「ほんと…」
故にこの結論に至る
「強いよね。この速さ
【タイギ】さん」
「…!!」
【『加速制限』を貸与】
ここだよなぁ【陽の使い方】と【陰の使い方】。ある作品では【無形】を【出力】してたけど、まぁ気持ちは分かる。けどやっぱしっくりこなかったんだよね。だってそもそもそれって【価値基準】isどこ?ってなるからね。何いってんのかって?【中折れ青二才】も知らん




