24/26
フェアリーテイル
恋という不治の病を癒やすため月の兎は杵をつくのか
永遠の別れと知りて乙姫は玉手箱に呪いをかける
百年の孤独も薔薇の花ひとつ 心のひとつを咲かせて溶ける
孤島にて星を数えるセイレーン 歌わなくてもいい夜がある
少年になり父になり読み返すたび新しき景色の旅路
「ひとつぶの真珠のようでありました」そんな綺麗な恋じゃなかった
前世では人魚だったかもしれません 雨の日は息が楽になるので
アラビアンナイトの宝石箱を持ち駆け落ちしようたったひとりで
駅前のアンデルセンの時計台 止まったままで過ぎた十年
穏やかな春の眠りのうちに知る それは悲しいフェアリーテイル




