表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異能力者達の夜明け  作者: ゆーろ
冒険者達の午後
PR
12/28

冒険者達の午後 破×Ⅴ

冒険者達の午後 破×Ⅴ

0:ーーー『起死回生』ーーー



0:登場人物


ガロ:男。ガロンドール・ウォンバット。冒険家。準ギルド「アホレンジャー」リーダー。


ジャイロ:男。ジャイロ・バニングス。賞金稼ぎ。準ギルド「アホレンジャー」


ノエル:女。ノエル・ベルメット。A級ギルド所属。元探偵。準ギルド「アホレンジャー」兼「グランシャリノ」※ノエル


アスカ:男。ユノランページ・アスカ。中央政府監察局。※ポルジッコを兼役。※林檎を兼役


アイネス:女。アイネス・ケイデンス。中央政府執行部執行官。※オーダーを兼役。


ネロ:女。ネロ・アハツェン。中央政府一等監察官。※アリアンロードを兼役


グランシオラ:女。グランシオラ・ルルカブル。A級ギルド。グランシャリノ総督。


アガット:女。アガット・スロンファー。準ギルドアガメムノン リーダー兼 A級ギルド。グランシャリノ用心棒。


アカシ:男。アカシア・アカシ。A級ギルド。禄戀会ろくれんかい。リーダー。※カルビスを兼役


ジオ:男。ジオ・フロント。A級ギルド禄戀会ろくれんかい参謀。※レーヴェを兼役。


ヴァーバラ:男。ヴァーバラ・ラバンギャルド。ギルド本部総帥代理人。※ジャガーを兼役



0:ーーー『起死回生』ーーー



ガロ:(M)1991年。11月24日。


ヴァーバラ:「A級ギルド「グランシャリノ」総督。グランシオラ・ルルカブル殿。ご入場です!」


グランシオラ:「失礼するよ。ああ、久しぶりだ。ヴァーバラ」


ヴァーバラ:「お待ちしておりました。ご多忙の中、遠路はるばるお越し頂き、誠にありがとうございます。」


グランシオラ:「いいやいいや。構わないよ。今日という日は、恐らく転機だ。遅かれ早かれ、この日が来るんだ。」


0:グランシオラは席に着いた


グランシオラ:「さて。私が一番乗りか。ああ、ご最も。」


0:足を組んだ。


グランシオラ:「獲ろうか。その椅子を。」


0:フランス リベール市

0:ギルド本部前


アスカ:「…。おい。着いたぞ、ネロ」


ネロ:「はい、はい。本当に。本当に身体は大事にしてくださいよ、局長。本当に。お願いしますよ」


アスカ:「…」


ネロ:「ええ、アレジ・ロンドンの一件も、戻り次第対応手伝います。ですので、あまり気負いなさらず」


アスカ:「いつまで話してるんだ。貸せ」


ネロ:「あ、おいっ。返せアスカっ。」


アスカ:「すみません、局長。ご多忙なのに。はい、はい。こちらはお任せ下さい。…。はい。観測室からの情報だと。そうですね。」


ネロ:「返せっ。」


アスカ:「あ、おいっ。」


ネロ:「必ず、私達でカタを付けますので、局長は気にせず休んでてください。お願いします」


アスカ:「はあ。」


ネロ:「はい。それでは、失礼します。」


アスカ:「…。お前な。」


ネロ:「なんだ。」


アスカ:「いいや。何でもない。少し早いが、入るか」


ネロ:「ああ。共同任務も久しぶりだからな。アーヘン依頼じゃないか?」


アスカ:「ホトバシさんの昇進試験が最後だ。」


ネロ:「ああ…。強烈過ぎて逆に記憶から飛んでいた。だとすれば、2年振りの共同任務になるか。」


アスカ:「そうだな。ラインハルトの馬鹿も元気でやってるのか?」


ネロ:「不慣れながらも頑張っているそうだ。ああ、そういえばお前も来年度からアーヘン入りするらしいじゃないか。」


アスカ:「そうだ。寂しいか」


ネロ:「いいやまったく。」


アスカ:「だろうと思った。」


ネロ:「さて、それじゃあ、行くか。A級ギルドを拝みに」


アスカ:「…。ああ。」


0:アスカは飛行機雲を眺めた


アスカ:(M)まさか、こんな所でまた会うとはな。奇妙な因縁だよ、ガロンドール・ウォンバット。


0:フランス リベール市

0:キャリオン街 駅前


アカシ:「おぉ〜っ。久しぶりじゃのうっ。リベールに帰ってくるのわ」


ジオ:「おぉいお前っ。浸ってる場合かよ遅刻してんだって!」


アカシ:「そんな事は分かっとるわい。こう見えてちゃんと焦っとるし急いどる」


ジオ:「嘘こけっ。焦ってる奴がサンダルと半ズボンで来んだろうが」


アカシ:「馬鹿言え、焦っとるからこそサンダルと半ズボンなんじゃ。


0:場面転換

0:リベール中央病院


ノエル:「…。ごめんね。カラス、ヴァン。私が、下手くそだったから。ごめん。」


0:ノエルは意識の無いカラスとヴァンを見つめている。


ノエル:(M)思い出すのは。何気ない日々だった。幼少期の頃。兄と、憧れの刑事と。クレープを食べていた。その記憶は今は古ぼけ、今は、馬鹿達と騒がしい日々にその情景を掻き乱されている。


0:椅子に座っている


ノエル:(M)ふと。全てを思い出してしまった。自分が、なんの為に。どんな思いで、ここに居たのかを。時間が経って、輪郭がぼやけた感情すら。あの一発の銃声が全てを呼び起こした。


0:


ノエル:「……っ。」


0:椅子から立った


ノエル:「…。お前らなら。どうせ生きてるよ。しぶといから。死んだら、殺してやるからな。」


0:ノエルは手紙を懐に仕舞う。


ノエル:「…。行ってきます。」


0:病室から出た。


ジャイロ:「よお。お嬢。」


ノエル:「…ジャイロ」


ジャイロ:「ご丁寧に見舞いか?良いねえ、献身的な女は好きだ」


ノエル:「…。」


0:一瞬の沈黙


ジャイロ:「言えよ。俺は何を手伝えばいい。」


ノエル:「…。…はは。本当に。…。本当に。バカの癖に。察しだけいいな。お前は」


ジャイロ:「モテる男ってのはそういうもんだ。」


ノエル:「…。ちょっと。話、聞いてくれないか。」


ジャイロ:「喜んで。」


0:ギルド本部

0:重要会議室


アガット:「よお姉御、少し遅れたか」


グランシオラ:「ああ、お疲れ様。アガット。うぅん。2分は遅刻では無いだろう。」


アガット:「そりゃあどうも。で。どーするんだぁ?思ってたよりもずっと面倒な事になっちまったぜ。まさかオーウェンがこんなヘマするとぁ思いもしなかったが。」


グランシオラ:「ああ。一手。打たれたようだね。恐らくは中央の誰かし。」


アガット:「相変わらずの余裕だな。わっしにゃあよう分からんね。」


グランシオラ:「別に構わないじゃないか、やらせてしまえば。私に一切の不足は無い。」


アガット:「は。頼れるねえ。」


0:扉がノックされる。


アスカ:「中央政府監察局。ユノランページ・アスカだ。失礼する」


ネロ:「同じく、ネロ・アハツェン。失礼する。」


ヴァーバラ:「中央政府より仲裁代理官、二名をご招待致しました。」


グランシオラ:「さて。どう出るか。いざ、手並み拝見。」


アガット:「ほお。今回はビットマン・ワイスじゃねえんだな。」


ネロ:「局長はご多忙なんだ。3年ぶりだな、グランシャリノの御一行。」


グランシオラ:「うぅん。久しぶりだね。少し、色っぽくなったかい。ユノランページ・アスカ殿。ネロ・アハツェン殿。ああそうだ、一等監察官への昇進、おめでとう」


ネロ:「やはり内部事情も透けているか。相変わらず耳が早いな、グランシオラさん。」


グランシオラ:「褒め言葉として受け取っておくよ。」


アガット:「でぇ?禄戀会の奴らはまだかよ。今朝リベール入りしたと聞いたが」


ヴァーバラ:「一駅間違えたそうです。先程到着したので、もうそろそろお見えになられる頃かと」


アガット:「相変わらず遅刻上等だなぁ。わっしも大概だが、中枢議会としてどうなんだ?」


グランシオラ:「そう目くじらを立てる程のことでもないじゃないか。ゆっくり。ゆっくり待つとしよう。」


0:ドアが開いた


ジオ:「すまん、待たせた。」


アカシ:「いやぁ〜悪いのぅ。久しぶりじゃあ、グランシャリノ、ヴァーバラ」


ネロ:「…。普通、こういう場にサンダルと半ズボンで来るものだろうか。」


グランシオラ:「はは、見慣れたよ。彼らはそういう集団だ。」


ヴァーバラ:「では、これで皆様お揃いですね。」


アガット:「なに?赤い林檎はよォ。また欠席か?」


ヴァーバラ:「はい。召集届は出したのですが、如何せん、どこに世帯を構えているかも分かりませんので、もしかしたら気付いていないかもしれませんね。」


アカシ:「そうかぁ。林檎くんに会ったのはもう…2年も前になるか?もう顔も忘れてしもうた。」


ジオ:「フルフェイス仮面野郎な。覚えるも何も、顔すら見た事ない訳で」


アカシ:「どんな仮面かを忘れたって話じゃ」


ネロ:「つまり、これで全員なんだな。」


ヴァーバラ:「仰る通りでございます。」


ネロ:「それじゃあ、始めて貰っていいか。」


アスカ:「議題も議題、だからな。」


グランシオラ:「ああ、異論ないよ。」


アカシ:「ギルドの椅子はええの、ふかふかじゃ。」


ヴァーバラ:「まずは皆様、ご多用の中遠路はるばる御足労頂き、誠にありがとうございます。只今より、第26回。「中枢議会」による会議を行わせて頂きます。」


0:全員が席に着いた。


ノエル:(M)人類の原罪は、林檎を食べた事だと言う。


ヴァーバラ:「取り纏め役は大陸支援団体総帥代理人。ヴァーバラ・ラバンギャルドにお任せ頂きます。」


ノエル:(M)この世は腐っていると彼は言った。


ヴァーバラ:「今回の議題は三つ。今後の大陸支援団体の方針について。」


ノエル:(M)性に貪欲な者、金に溺れる者、依存する者、人を蹴落とす者。もしくは、人そのもの。


ヴァーバラ:「大陸中央憲法第24条。大陸支援団体と中央政府における異常体権利分与の見直し。」


ノエル:(M)だから、どうやら彼らは。世界にナイフを突き立てたらしい。


ヴァーバラ:「ーーー最後に。先日発注されたグランシャリノの依頼。グリム写本異変解決の最中に発生した事案。」


ノエル:(M)それは感情であり、人間性であり、或いは。純粋な悪意。


ヴァーバラ:「中央政府政府職員、依頼人殺害の容疑でアガット・スロンファー氏が捉えたガロンドール・ウォンバットの処遇。」


ノエル:(M)端的に言うのであれば、それが。林檎だった。


ヴァーバラ:「以上。第26回。中枢議会、議題内容の概要となります。」


0:場面転換

0:最重要会議室 客室


アイネス:(M)ギルド本部。最上階。


アイネス:(M)物々しい内装をひけらかすそこは、中枢議会と呼ばれる王者達の席。すなわち、A級ギルドにしか許されない場。


ガロ:「…。」


アイネス:「ったく。なんでこんな事になっちまったかね。」


ガロ:「俺もそう思う。なあ。縄、解いてくんねえ?」


アイネス:「私の首を飛ばす気か。」


ガロ:「はは、そりゃそうだ。」


アイネス:「…。侍とアーヘン生徒はリベール中央病院で療養中だ。安心しろ」


ガロ:「…。おう。さんきゅーな。アイネス」


アイネス:「アイネスさんだ。」


ガロ:「いーや。お前はアイネスだよ。」


アイネス:「…。は。何でもいいよ。」


ヴァーバラ:「アイネス・ケイデンス氏。入ってくれ。」


アイネス:「はい。」


ガロ:(M)一筋の光が見え、扉が割れる。


0:場面転換

0:最重要会議室


ヴァーバラ:「ガロンドール・ウォンバット。ジャイロ・バニングス。ノエル・ベルメット。以上、準ギルド、アホレンジャーの御一行です。」


0:4人が会議室に入る


ガロ:「お邪魔しまーす。」


アイネス:「失礼します。身元保証人、兼、現場監督官。アイネス・ケイデンスです。」


アスカ:「…。久しぶりだな。ガロンドール」


ガロ:「あれ、アスカじゃねえか。久しぶりだな」


アスカ:「次会うときはギルドメンバーと中央職員として、と言ったが。思いもよらない再開だ」


ガロ:「はは、らしいな。」


アカシ:「ほぉ。アイツらが噂の。はは、思ったよりずっと小柄じゃのう」


シド:「ああ、キャリオンマウンテンを半壊させ、マルセイユ異常気候を引き起こした超新星。」


ガロ:「なんだ?俺を知ってんのか。」


アカシ:「そりゃあ知ってるさ!リベールの異端児と言えばお前の事じゃ!」


アイネス:(M)A級ギルド「禄戀会」リーダー。アカシア・アカシ。お目見えすんのは初めてだが、噂通りの変人だ。とてもじゃないが、A級ギルドを束ねてるとは思えない風体。


ジオ:「お前が人のことどうこう言える人間かよ」


アイネス:(M)次いで、禄戀会の脳。参謀と呼ばれる男。ジオ・フロント。そりゃあ、こういう場には連れてくるだろうな。


アカシ:「俺はあんな服のセンスしとらんぞ」


ジオ:「変わらねえよっ。見ろ!鏡!」


アカシ:「う、うわあ〜!半袖短パンのワンパク小僧がおるっ。」


ジオ:「お前だよ」


アガット:「はは、よく来たなぁ。ガロンドール。昨日ぶりだ。他の奴らはどうしたぁ?」


ガロ:「カラスとヴァンは寝てる。ノエルとジャイロは関係ねえから連れてきてねえよ。」


アガット:「ああ、そう。まァ?お前がやったんなら、そうだな。お前自身の問題だもんな。」


アイネス:(M)…アガット・スロンファー。A級ギルド「グランシャリノ」の用心棒。あのタイミングで私達を拘束した女。恐らく、相当出来る。


グランシオラ:「まあまあ、まずは掛けたらどうだ。話はそこから、だろう。なあ?アホレンジャー」


アイネス:(M)最後に。A級ギルド。グランシャリノ総督。グランシオラ・ルルカブル。元中央政府研究部。特等観測官


ヴァーバラ:「それでは。ガロンドール・ウォンバット。前に」


ガロ:「…」


0:ガロンドールは会議室の真ん中に座らされた


ガロ:「よう。俺、ガロンドール・ウォンバット。グリム写本の一件は俺がやったんだ。よろしくな」


アイネス:(M)さて、誰が敵か、見極める必要しかないな。まったく、時間外労働もいい所だ。


アカシ:「はははっ。こりゃあ、結構なご挨拶じゃのうっ。俺、こいつ好きかもしれんっ。」


ジオ:「やめろって、お前のそういうの。」


ネロ:「ウチの中央政府職員。ジハンさんも、お前が殺害したのか。」


ガロ:「ああ、そうだ。」


ネロ:「間髪無し、か。嫌に肝っ玉が座ってるじゃないか。糞野郎」


ガロ:「どーも。」


ジオ:「だが、随分面倒な事をしてくれた。中央政府職員も殺し、依頼主も殺し、引いてはギルドメンバーも、即ち同胞殺したと来た。」


グランシオラ:「ああ、ただでさえ、中央とギルドはその関係性を悪くしていく一方だと言うのに。」


ネロ:「こっちのセリフだ。お前らが問題を起こす度に局長の胃が荒れる。」


アカシ:「じゃが、やっちまったもんはしょうがないじゃろう?過ぎた事を言ってもしょうがない。」


アスカ:「やってしまったで終われば苦労は無い。」


ヴァーバラ:「皆様のご意見、ご感想はご最もです。まずは、御手元の資料をご覧下さい。アイネス氏の証言を元に作成した、現場説明資料となります。」


ジオ:「…。」


アガット:「なあアカシ。これなんて読むんだ?」


アカシ:「あーあー、馬鹿だなあ君はカス」


アガット:「言い過ぎじゃないか?」


グランシオラ:「ああ、拝見した。」


アガット:「はやっ。」


ネロ:「私も読み終わった」


アスカ:「俺も。」


ジオ:「俺もだ。」


アガット:「ちょ、はぇーって。」


アカシ:「俺も読み終わったぞ。」


アガット:「お前はわっしと同じ穴の狢じゃねえのかよ。見損なったぜ、アカシ…!」


アカシ:「悪いのぅ、元々器用な方なんじゃ。」


ネロ:「グリム写本の一件は置いておいて。まず気にすべきは、ガロンドール・ウォンバットの身柄だろう。違うか?」


アガット:「ちっ。やっぱそう来るか」


ネロ:「早速で悪いが…。ガロンドール・ウォンバットは中央政府で引き取らせてもらう。」


アスカ:「…。」


アカシ:「ひょ〜。いきなりぶっ込むのう」


ジオ:「まあ、中央職員も死んでいるなら。特に俺達からとやかく言える事でもないが。」


グランシオラ:「まあ待て待て。中央職員が死んでいる、という理由であれば私の可愛い部下もまた殺されている。オーウェン・ブルーハット。彼は私のお気に入りだったんだ。酷い事をしてくれたな。」


グランシオラ:「だからどうだろう。中央政府。私に彼をくれないか?」


アスカ:「申し訳ないが、それは不可能だ。中央職員を殺害した時点で中央統治反逆罪に抵触している。」


グランシオラ:「そう言うなよ。世界の中心が君らじゃあるまいし」


ネロ:「いつから対等になった気だ。最近のアンタらの行動は目に余る。あくまで、中央政府の業務委託提携として連携しているだけだと言うことを忘れないで頂きたい。」


グランシオラ:「強気じゃないか。怖いね。大きくなった」


ネロ:「いつまで上官面するつもりですか。私達と貴方はもう無関係だ。」


グランシオラ:「ああ、そうだねえ。その通りだとも。」


アスカ:「…。もう一ついいか。中央政府本庁からの意向だ。」


0:場面転換

0:リベール中央病院


ノエル:「昨日。オーウェンさんを撃ったのは。私だ。」


ジャイロ:「…。」


ノエル:「私が。この手で。撃ち殺した。」


ジャイロ:「他の奴らは違ぇだろ。」


ノエル:「…」


ジャイロ:「なんやかんやと、もう半年以上一緒に飯食った仲だ。曲がりなりにも、お前さんの事は理解したつもりだ。俺の知ってるノエル・ベルメットは、そういう事をする奴じゃあねえよ。」


ノエル:「…。」


ジャイロ:「あの神父だろう。研究員と。レムちゃんを殺したのは。ナマクラとヴァンを撃ったのも。」


ノエル:「…。そう、だよ。」


ジャイロ:「…。」


ノエル:「…。なんで。あの時。言わなかったんだろう。ガロはやってないって。」


0:ノエルはその場に座り込んだ


ノエル:「オーウェンさんは。私の憧れの刑事だったんだ。でも。あの人の口から聞いたんだ。私の兄さんを殺したのは。オーウェンさん自身だって。」


ジャイロ:「…」


ノエル:「私があの人を信じたばっかりに。皆を巻き込んじゃった。皆、敵に見えたんだ。ガロが。私を庇ってくれたあの手を。信じられなかった。」


0:蹲る


ノエル:「私。卑怯だなぁ」


ジャイロ:「…。俺はな。人を殺した。」


ノエル:「…」


ジャイロ:「何人も殺した。別にそれが間違ってたとも思っちゃいねえ。今の俺でも、その時なら、同じ行動をしていたと思う。ただ。後悔しかねえ。なあ、ノエル。お前は、自分の選択を後悔してんのか。」


ノエル:「…。してるよ。後悔、ばっかりだ。あの時、オーウェンさんを信じなかったらって。あの時、違和感を無視なければって。あの時、私を置いていく兄さんを、止めていればっ、て。」


ジャイロ:「じゃあ。払拭するしかねえな」


ノエル:「…」


ジャイロ:「後悔なんてのはな、踏んでなんぼだ。ああ、これを選んだら自分は後悔するんだな。って言うのを自覚する為の試練だ。泣いたって、叫んだって、時間は巻戻らねえ。だから、次後悔の無いよう、精一杯の選択するしかねえ。それすら後悔するかもしれねえけど。俺はやったぞ。ギルド試験の日。自分の選択に。後腐れのない方を選んだ。それで昔やった事が消える訳でもなし。けどな。過去の後悔に報いてやらねえと。傷ついちまうだろ。名誉が」


ノエル:「…あのビビりまくって小便垂らして泣いてたやつか」


ジャイロ:「泣いてねえし小便垂れてねえしビビってねえよバカ」


ノエル:「……。うん。」


ジャイロ:「だからノエル。」


ノエル:「…」


ジャイロ:「お前は今、どうしたい。他の誰でもねえ。お前が決めろ。俺が後悔しないのは、それに力を貸す事だけだ。」


0:場面転換

0:ギルド本部


ヴァーバラ:「それでは、異常体の権利分与の詳細ですが、見直しの指摘が再び本庁で入った、と」


ネロ:「ああ。その通りだ。」


ジオ:「流石に横暴というのもだろう。今でさえ当初の条件よりかなり厳しくなっている。」


グランシオラ:「ああ。中央政府は怯えているんじゃないか?権威の失墜を。」


アスカ:「…。ギルドがその勢力を伸ばしているのは、あなた方の日々尽力に限ると理解している。だが、ギルドが日常に馴染めば馴染む程、異常体の危険性が薄れていく。」


ネロ:「異常体は人を殺す。勿論、そうでない異常体が居ることも理解しているつもりだが。現にガロンドール・ウォンバットがそうしてしまっている以上、力を持った人間はそれを振り翳す権利が与えられてしまう。私達が危惧しているのは決して私情や私欲によるものでは無い。バランスが必要なんだ。」


ジオ:「だが、資料によるとオーウェン・ブルーハットの殺害方法は銃殺だったんだろう?そこに異常性の関与は無い。」


ネロ:「重要なのは手段じゃない。公平性だ。中央政府は今も尚厳重な管理体制の元、異常体の管理、運用を心掛けている。」


アカシ:「権利分与はどうでもいいんじゃが、アンタらがそういう考えじゃから犯罪を繰り返す異常体が増えるんじゃないか?」


アガット:「まあ、抑圧されたらそりゃあ反発するわけで。」


アイネス:「…」


アスカ:「中央政府による完全統一が成されていた時。32年前までは異常体犯罪率は過去最低を記録している。だが、ギルドが発足し、その勢力を伸ばし異常体管理の権利を一部譲渡してからというものの、ギルドであることを名目に罪を犯す異常体が増えたのも事実だ」


ネロ:「何より良くないのは、異常体によって格差が産まれてしまう点だろう。中央政府所属の異常体とギルドでは明らかにその待遇や人権配慮が違う」


アカシ:「そりゃあ〜アンタらが悪いじゃろ。なんじゃ、人権配慮って。」


アスカ:「…元々中央政府は異常体を人間としてカウントしていない。異常体には異常体の法整備がされている。」


ネロ:「貴方達のそれは、異常体と人類の差別化を曖昧にするものだと言っている。」


ヴァーバラ:「その公平性を維持する為、ギルドの異常体獲得規模を縮小しろ、と?」


ネロ:「元はと言えばそういう話だったはずだ。中央政府では管理しきれない異常体。ロックストーン監獄から溢れる異常体の管理を委託する形で貸出、運用を認めた。」


アスカ:「だが実情は異常体の選択肢として完全に二分化するという結果を産んでしまった。あくまで、中央政府とギルドの体裁を保つという意味で、本庁の判断に妥当性は認められる物だと考える」


ジオ:「じゃあ、俺達にどうしろと言うんだ?悪いがお役所仕事に付き合うつもりもない。中央政府の依頼を請け負うつもりも、道理も無い」


ネロ:「今後のギルド活動については今検討中だが、来年度からのギルド試験において、異常体の志願は認めないものとする。これがひとつだ。」


グランシオラ:「ほお。これはまた、大きく出る。」


ヴァーバラ:「一応、中央政府から不当な扱いを受けてギルドに逃げ込む異常体もいる訳ですが。その辺はどう考えてらっしゃいますか?」


アスカ:「ロックストーン監獄、並びにディルバーク監獄の拡張。新規収容施設も随時建築中だ。」


ジオ:「つまり。一度リセットしよう、中央政府が完全統治する世界に戻す、と。そう言いたいんだな?」


アスカ:「…。ああ。そうだ。」


アカシ:「つまりあれじゃな。ギルドの勢力衰退を目的としてるかの。中央政府は」


ネロ:「そういう切り口のつもりで言っている訳では無い。」


アカシ:「だがそう言ってるようなもんじゃろう?」


ネロ:「…。」


アスカ:「そう捉えられても仕方がない。勿論、異常体では無い方々がこのままギルド活動を続ける事には何も問題は無い。問題は、異常体の在るべき形をどう保つか、だ。」


アイネス:(M)やっぱり。中央政府はギルドを潰す気だ。いいや、潰すと言うよりも、事実上の無力化を計っている。本庁からの指示であるなら、監察局、情報局、監査課がそれにGOサインを出した、という事だ。上層部は何を考えてる…っ。


アガット:「もし仮に、それに反対したらどうなる?」


ネロ:「聞くか?それを」


ジオ:「言うまでもなく、力で物を言わせるつもりだろう」


アガット:「ああ、やっぱり。そうなるぅ?」


アカシ:「やっぱり悪徳じゃのぉ〜シャバいわ〜」


アスカ:「憶測で話を進めるな。」


ヴァーバラ:「席にお戻りください」


ガロ:「ごちゃごちゃうるせーなっ!!」


0:全員の視線がガロに集まる


ガロ:「なんかよくわかんねえけど。俺、どーなんのか。聞いてもいいか。」


0:場面転換

0:ギルド本部 2階


ジャイロ:「Refundリファンド…ッッ!」


ノエル:「よし、これで粗方片付いたな…!」


ジャイロ:「ああ、不自然なほどグランシャリノ構成員だけで見張りしてるよ。やっぱお前の読みは当たりかもな、お嬢」


ノエル:「だとすれば急がないと。カルビスさん達の策が無駄になるかもしれない。」


0:回想

0:リベール中央病院


ジャイロ:「中央政府がグランシャリノを?」


ノエル:「ああ。カルビスさんとアインズさんがグリム写本の依頼推薦状を私達に渡した時。確かに言ったんだ。「もしかしたらに賭ける」って。グリム写本の一件は、今思い返せばグランシャリノとしても最後の賭けとも言えるものだったかもしれない」


ジャイロ:「どういう事だ。」


ノエル:「普通に考えて、どんな企みがあれど中央政府だけは敵に回せないのは明らかだ。それでも尚強行できるのは、それだけの準備が既に整っているから。私はそう思う。そして、中央政府の一部は、それに気付いていたんじゃないかな。」


ジャイロ:「…つまり、あのピエロ共が俺らに推薦状を渡した事が中央政府の意思だったって事か?」


ノエル:「それを中央側が全体として把握しているかはいざ知れず。少なくとも、カルビスさん自身は何かしらの賭けに出たんじゃないかな。グランシャリノの尻尾を掴むきっかけを得ようとしてる。」


ジャイロ:「…。」


ノエル:「であれば。きっと、ガロだけをギルド本部に残すこと自体がグランシャリノの最後の抵抗なのかもしれない。」


ジャイロ:「つまりそれは。ガロを助ける。で、いいんだな。」


ノエル:「…ああ。私が今、一番後悔しないのは。それだ。」


0:回想終了

0:ギルド本部 重要会議室


アスカ:「…。ガロンドールの身柄は我々で引き取る。」


ヴァーバラ:「異論は?」


ジオ:「超新星については特に言う事も無いが、今後の権利分与については些か不信感が残るな」


アカシ:「まじかぁ〜俺、こいつ結構好きなんじゃが。なんならウチ来るか?」


ガロ:「断る」


アカシ:「ははは、俄然気に入ったわい」


ジオ:「話をややこしくするな、頼むから」


ネロ:「彼の罪状については裁判所で改めて行うものとするが、その是非に関わらず彼の身元は中央政府が管理する。」


アガット:「じゃあなんだ。アホレンジャーは解体か?」


アスカ:「…そうなるな。」


ガロ:「…。」


グランシオラ:「残念だが、ここまでの様だ。」


アガット:「姉御?」


グランシオラ:「いいや。別にガロンドール・ウォンバットを庇うつもり等毛頭ないけれどね。私は今後のギルドと中央政府の関係が心配だ。」


0:グランシオラは席を立った


グランシオラ:「グリム写本の一件に、中央政府の関与があったのは事実だ。それがどこぞの誰かは知れないが。君達は潰す気だろう。ギルドを」


アスカ:「…。どういう意味だ?」


グランシオラ:「異常体の権利分与が中央政府に完全に渡った時。私達は隷属する事と同義だ。聞いたよ、11年前。FBIも中央政府が吸収したんだろう。なんやかんやと理由を付けて。最後には自分達が管理する異常体そのもので脅しつけた。」


アイネス:(M)なんだ。なぜ今連邦捜査局の話が出てくる。


グランシオラ:「ドイツ政府でも、軍人の大量解雇が行われているそうじゃないか。ウルカレット財団が退役軍人を大量に雇用したそうだが、そこに中央政府の関与があるかは知れない。今が激闘の時代の最中であることは間違い無い。それはそうだ。1945年。日本に落ちた核兵器を見てから中央政府の動き方は明確に変わった。相次ぐ動力革命に、中央政府は恐れている。異常体という個体の無力化を」


アイネス:(M)…。読めている。この人は。行く先を。あの人達が見ている、計画の先を。グランシオラ・ルルカブル…。こいつは、危険だ。


ジオ:「…。随分、急に喋り出すじゃないか」


グランシオラ:「ああ、わかり易く言おうか。」


0:グランシオラは眼鏡を掛け直した


グランシオラ:「君達は、獲る気だろう。世界を」


ネロ:「…」


アスカ:「…」


グランシオラ:「いいやいいや。別にそれを責めている訳では無いさ。今ならまだ、人類の動力進化を妨げてまで、中央政府の権威を貫ける自信があるんだろう。」


ネロ:「黙って聞いていれば、好き勝手言ってくれる」


グランシオラ:「違うと言い切れるのかい。異常体を人とも見ない君達が、自分達の公平性をどう証明する?私は元はと言えど中央政府に居た人間だ。君たちの考えそうな事が手に取るように分かるよ。」


アスカ:「…。」


グランシオラ:「まあ、これはあくまで私の憶測に過ぎないが。ある種の「牽制」だと思ってくれよ。君達が思っているよりも、私達は既に手強い存在になりつつある。」


アスカ:「ああ。分かってるよ。これ以上なく、な。」


グランシオラ:「はは、そう怖い目をしないでくれ。ああ、ガロンドールくんは好きにしてくれて構わない。君達がその姿勢で来るならば、私も「今は」敢えて止めもしないよ。」


ガロ:「…。」


ネロ:「…。他に、異論のある者は?」


0:誰も口を開かない


アスカ:(M)…。なんだ。本当にこれで終わりか。終わってしまうのか、ガロンドール・ウォンバット…!


ネロ:「…。異論なし。か。残念だ。」


ガロ:「へっ。そりゃそうだ。俺がやったんだからな。」


アスカ:(M)もう一手。あと一手、足りないんだ…!


グランシオラ:「先程と同様、私達に異論も無し。決議に移ろう。」


アスカ:「…ネロ」


ネロ:「ああ。こんな筈が無い。既に手を回されたか。」


アスカ:「…くそ…ッ」


ヴァーバラ:「…。それでは、ガロンドール・ウォンバットは、以降。中央政府に引き渡すものとーーー」


0:扉が開かれた


ノエル:「ちょーーーーっと待ったぁぁあっ!!」


0:全員の視線が集まる


アイネス:「な…!?」


ガロ:「ノエル…!?」


ネロ:「…!」


ジオ:「おいおい、次は誰だ…!」


アカシ:「あいつあれじゃろう!ニーアの!」


ジオ:「あー、あー!確かに!似てる!」


アスカ:「やっと来たか、ノエル・ベルメット…!」


ヴァーバラ:「部外者の立ち入りは禁止しております。即刻退場してください」


ノエル:「いいや。当事者だよ。私は。正真正銘のね。」


グランシオラ:「…。アガット。警備は」


アガット:「…。駄目だなぁ。全員連絡が付かねえ。はは、まさかここまで大胆な行動に出るか。つくづく予想外じゃねえか、アホレンジャー」


ノエル:「は、ははははっ。完全にハイだ!やっと、やっと尻尾を掴んだぞ、グランシャリノ…!!」


ガロ:「おいおいおい、なんでここに…」


ネロ:「動くな。そこの。まず名乗れ」


ノエル:「…。私は。ノエル・ベルメット。グランシャリノ、兼。準ギルド。アホレンジャー所属の元探偵、です。」


アカシ:「はははっ。経歴バグじゃ〜っ。うけるの〜っ。」


ジオ:「ウケねえって」


アスカ:「君も、久しぶりだ。どうしてわざわざこの場に乗り込んだ。警護官はどうしたんだ」


ノエル:「それはまあ、ご想像の通りで」


アスカ:「…。君達は…。何がしたいんだ…っ。依頼主を殺して、ジハンさんを殺して、終いには中枢議会の場にまで無理矢理出てくる。何が目的だ。」


ノエル:「…。ウチのリーダーの、冤罪を晴らしに来ました。」


ガロ:「…は…?」


ネロ:「どういう意味だ」


ノエル:「この一件の真相を。私は全て知っています。ジハン・タンバリン。レム・フェルスタンを殺したのは、オーウェン・ブルーハットです。」


グランシオラ:「…」


ノエル:「そして。オーウェンを殺したのが。私です。」


ネロ:「…。なるほど…。」


アスカ:「そういう事か…っ。」


ガロ:「おい、何言ってんだノエル…!」


ノエル:「犯行は、グリム写本の異変解決へ向かったガロ、ジャイロ、アイネスさんの三人がいない隙に行われたものでした。明らかに計画的な犯行です。」


ヴァーバラ:「アガット氏の発言によると、全ての犯行を行ったのはガロンドール氏である、との事ですが」


アガット:「…あ〜。ああそうだ。わっしが確かに聞いた。「俺がやった」と手を挙げているのも。それはアイネスも見ているはずだ」


ヴァーバラ:「本当ですか?」


アイネス:「…。はい。本当です。」


アガット:「だから、実際の細かい所は知らねえさ。誰が誰を殺したかなんてな。」


ノエル:「そんな適当な理由で、人一人の人生を終わらせようとしたのか」


アガット:「あの状況だぜ?そりゃあ勘違いしたっておかしくはねえよ。」


ジオ:「待て。じゃあガロンドールはなぜ頑なに自分がやったと言う。もしその事実を知っていたのであれば、犯人隠避罪に当たるが」


ガロ:「うるせえ!!俺がやったんだ!!ノエルはやってねえ!!」


ノエル:「私がやった!!」


アカシ:「はははっ。こりゃあグッチャグチャになってきたのう。」


アスカ:「はぁ…。」


ヴァーバラ:「貴方が殺したと、そう言いましたね。ノエル・ベルメット」


ノエル:「はい。」


ガロ:「違う!俺だ!」


ジオ:「はぁ〜いもう、お前ちょっと黙ってろ」


0:ガロを蹴りつけた


ガロ:「ごぼぉっ…ッ」


ジオ:「続きを話してくれ。」


ガロ:(M)いっってぇ…ッッ。なんだ、こいつ…っ。今まで食らった蹴で一番、クソ痛え…っ!


ヴァーバラ:「貴方はそれをどう証明出来ますか」


ノエル:「私でなくとも、検死が事細かに調べれば分かるはずです。最も、公平な判断が下された場合、ですが。」


ジオ:「濁した言い方をするな。お前に求めるのは、簡潔且つ、率直な、お前の知る真相だ。」


ノエル:「…。遺体のあるリベール教会を調べれば分かるはずです。殺害に使用された銃に、ガロの指紋はありません。そもそも、何故その程度の情報精査もせず、この場にガロを引き連れたのか。」


ガロ:「ノ、エル…!」


ノエル:「中央政府職員を殺した真犯人が割れる前に、さっさとカタをつけたかったんだろ。グランシャリノ。」


グランシオラ:「ふぅん。」


ノエル:「改めて言います。オーウェン・ブルーハットを殺したのは私です。ジハンさん、レムさんを殺したのは。オーウェンです。現場に居たカラスとヴァンもそれを証言出来ます。そもそも、貴方達はなぜこんな何の確信も無い話を信じたんですか」


ヴァーバラ:「グランシャリノ様には実績と信頼があります。ガロンドール・ウォンバット氏が自白した以上、アイネス氏の証言と重ねそれを真実だと疑わない、と言う選択肢はありません。」


ノエル:「それこそ公平性の欠如だ。アンタらはギルドで、警察じゃない。グランシャリノだったら、ガロを犯人に仕立てあげて中央となんやかんやとやっている間に証拠を全て隠滅、私達を消すくらい訳無いんだ。かつて、オーウェンさんにそうしたように。」


ジオ:「…。つまり、お前はこう言いたいんだな。この一連の事件はグランシャリノが手引きしている、と。」


ノエル:「はい。であればこそ。中枢議会がこのタイミングで集結するのも、焦点をグリム写本の一件から逸らす為であるとも考えました。」


アガット:「…。」


ノエル:「この話は、あくまで推測。妄想にすぎません。ただ、私は私が殺したとも自白しました。であれば、その容疑者は少なくとも私とガロの二人になった筈です。先程の中央政府へ引渡しの件は、一度白紙になる筈ですよ。」


アスカ:「…。」


ジオ:「まあ、それはそうだ。中央政府から出願された異常体権利関係の改定と、ガロンドールの一件は別だからな。」


アカシ:「ああ、確かに。それをごった煮にするのは違うのう。」


ヴァーバラ:「…そうですね。証言台には容疑者が二人。片方は準ギルドの暴走。片方はA級ギルド、グランシャリノの策謀。それが示す意味合いは、大きく変わってきます。」


グランシオラ:「…」


アスカ:「君は何故、オーウェン氏を殺害した。」


ノエル:「…。私怨、ですね。」


アスカ:「…」


ノエル:「私から言えるのは、この一件は全てグランシャリノ内部で起こった事です。そこにガロ達の関与は一切ありません。なんせ私も、グランシャリノの一員なので。」


アガット:「…!」


ノエル:「私の兄は、グランシャリノの一員であるオーウェン・ブルーハットに殺害された…!その日から、お前達を追い続けて、やっと、やっとこうやって尻尾掴んだんだ…!!私を潜入させたお前らの負けだ!!ネズミ一匹だと思っただろ、舐めんなっ。お前らのお陰で、ちゃんともう。信じない選択が出来るよ」


アイネス:(M)なんだ。この違和感は。


ガロ:「ノエル!!」


ノエル:「ガロ、格好つけさせてくれよ。元はと言えば、これは私一人の戦いなんだ。」


ガロ:「…っ。」


アイネス:(M)グリム写本の一件も、内部隠滅も、全てが杜撰だ。そもそも、オーウェンが殺害されること自体、グランシャリノからすれば想定外だった筈だ。


ネロ:「ーーー仮に、ノエル・ベルメットが申し出た内容が真実だった場合。相当面倒な事になるぞ。お前達は世情を揺るがす超巨大ギルドだ。」


アイネス:(M)ジハン・タンバリンを殺した事も、最初から依頼先のギルドに罪を擦り付けるつもりだったのか…?あの場で、オーウェンが全員を殺害し、グランシャリノのお得意芸で証人、証拠をでっち上げるつもりだった…。いいや、オーウェンを足切りするつもりだったのか。


アスカ:「表立っての大事は無いが。噂だけは聞き及んでいる。火の無いところから煙は立たず、グランシャリノ。君達は何をどこまで企んでいる。」


アイネス:(M)ああいいや、もっと根本からだ。中枢議会が集うタイミング。今回の本庁からの異常体権利の改定。グリム写本における一連の流れ。


ノエル:「もっと厳重な警備を配置していればよかったのにな、私をこの場にのうのうと招き入れちまった時点で、お前らは終わってた。いいや、私達をグリム写本の一件に関与させた時点で、終わってたんだ…!」


アイネス:(M)確かにカルビスさんは言ったんだ。ギルドは近い内に解体される、と。この流れを全て把握していた?そんなはずが無い、未来視がある訳でも無し。そもそもあの人はただの人間だ


ネロ:「ようやく合点がいった。ガロンドールが犯人だ、という時点で望み薄だったが。グランシャリノの手引きがあったならば、観測室からの情報も。いよいよ信憑性を帯びてくる」


アガット:「ほお。やっぱりパリで、何か見てやがったか。」


ネロ:「ああ。既に跡形も無かったが。」


アイネス:(M)ネロさんがパリで何かを目撃した。今の口ぶりからすれば、ネロさんとアスカさんも、グランシャリノの何かを掴む為にリベール入りした、という事か。であれば、勝負を急がせている…?


ノエル:「私はな、本当にお前らの首を取るつもりでここに来たんだ、グランシャリノ…!」


アイネス:(M)やめろ、刺激し過ぎだ…!


アガット:「…。」


0:アガットは槍を手に取った


アガット:「ーー伸びろ。」


アイネス:「伏せろ!!ノエル・ベルメット…ッッ!」


ジオ:「ーー…っ。」


アガット:「ゲイ・ボルグ…ッッ!!」


ジャイロ:「Adsorptionアドソープション…ッッ!」


0:攻撃は相殺された。


アガット:「…な…っ。異能狩りィ…!」


ジャイロ:「はっはぁ〜。どうも〜っ。」


アイネス:「…!」


ジオ:「今度はなんだ…。」


ヴァーバラ:「また部外者か…っ。」


アカシ:「はははっ。祭りじゃ祭り!人が沢山おるのう!」


ガロ:「ジャイロ…!」


ジャイロ:「ふぅ〜、間一髪。流石の読みだぜ、お嬢…!!」


ノエル:「…冷や冷やしたよ。煽るのも大変だ」


アスカ:「…。」


ノエル:「けど。これで確信した。もうアンタらは、いつでも大勝負に出れるんだな。」


アガット:「…ちっ。」


ノエル:「ギルドと中央政府で異常体を巡る権利関係が崩壊しつつある事、そしていずれ対立しかねない状況を把握していたんだ。グリム写本は、最後の検証。オーウェンさんは確かに言ったんだ。「使い物にならない」って。」


グランシオラ:「…はあ。担がれた、か。」


0:グランシオラは席を立った


グランシオラ:「アガット。この場の誰でもいい。殺せるだけ殺せ。」


アガット:「了解だぁ、姉御ォ…!!」


アスカ:「そうなるか。そうなるだろうな。良かったよ、俺達の読みは当たっていたようだ。」


0:アスカはアガットに急接近した


アスカ:(M)対・異常体執行術。無手勝流編。その1


アガット:「えっっ。はやーーー」


アスカ:(M)相手が異常性を使うよりも先に。


アガット:「こんの、伸びろッッ!!」


アスカ:(M)叩くッッ…!!


0:アガットは地面に叩き付けられた


アガット:「ごぼオあっ…ッッ!」


グランシオラ:「おやおやおや。これはまた。暫く見ない間に一端の監察官になったんだねえ、アスカ」


アスカ:「上官面はもうよして頂きたい。俺と貴方はもう仲間同士じゃないんだ。」


ガロ:「おいおいおい、何がどうなってんだ…!?」


ジャイロ:「ひぃ〜、相変わらず化け物じみてんな、今までのとは格がちげえよ、ハンサム。」


アスカ:「どういう経緯かは知らないが、協力関係にある事だけは理解した。奇妙な因縁だな、君達…!」


ジオ:「そういう事か。まんまと利用されたな」


アカシ:「どういう事じゃ?」


ジオ:「今までの口ぶりから察するに中央政府は初めからグランシャリノに目星を付けた上でこの場に来たって事だ。」


アカシ:「ははぁ〜ん。前々から胡散臭いとは思っとったが。まーた悪どい事を企んどったのか、グランシオラ!」


グランシオラ:「これはまた。人聞きの悪い」


ネロ:「動くな。」


0:ヴァーバラは銃口を向けた


グランシオラ:「…。怖いな。それを撃ったら死ぬんだよ。人は」


0:グランシオラは両手を上げた


グランシオラ:「それとも。そういう意味で向けられたのかな。それは。」


ネロ:「もう少し危機感を持つ事を薦める。理解した方がいい、お前は袋の中のネズミなんだ。」


0:ネロもまた銃口を向けた


グランシオラ:「…。なるほどなるほど。いよいよ、そう。いよいよ乗り出したかい、中央政府。これで追い詰めたと」


アスカ:「ああ、長らく潜入した甲斐があった。」


ネロ:「グランシャリノ総督。グランシオラ・ルルカブル。中央統治反逆の容疑で、拘束。処分に当たる。」


ガロ:「…何が、どうなってんだ…?」


ジャイロ:「そもそもが、仕組まれてたんだと。グリム写本の一件も何もかも。グランシャリノと中央政府が裏で睨みの効かせあった結果だったんだ」


ノエル:「だから、ガロは何の罪も背負う必要は無い。私が、オーウェンさんを殺した。ただそれだけだ。」


ガロ:「…睨み合い?」


ジャイロ:「ああ、そうだ。」


ガロ:「そんだけで。レムとジハンは死んだのか。」


ジャイロ:「…」


グランシオラ:「うぅん。凄いねえ。執念というのは、かくも人をある程度の領域まで到達される。それこそ、目的意識の辿り着く先なのかもしれない。」


ガロ:「おいコラてめえ。本当にお前が仕組んだのか。」


グランシオラ:「仕組んだ、と言う表現が正しいかはさておき。オーウェンに君達を始末するように指示したのは私だよ。」


ノエル:「…は、なんだ。随分あっさり認めるんだな」


グランシオラ:「うぅん。まあ、嘘をつく必要も無いだろうと思って。良くないからね。嘘をつくのは」


ノエル:「…っ。何が、目的だったんだ。」


グランシオラ:「グリム写本は、私の益となるかと期待したが、ダメだったようだ。しかしながら面白い結果も得た。深淵に行ったらしいじゃないか。はは、まさか本当に人が深淵に触れる事が出来るとは思わなんだ。ああ、そういう意味では彼らの死もまた、私にひとつの正解を与えた。感謝する他ないよ」


ガロ:「…。ジャイロ。あいつ、ぶっ飛ばすぞ」


ジャイロ:「そのつもりで来てんだ。」


ネロ:「はっ。アイネス。彼らをよく生かした」


アイネス:「どうも。執行許可、ですかね。」


アスカ:「少なくとも本庁に「同行」させる義務くらいはまかり通るだろう。」


ノエル:「…。」


ガロ:「そぉーーらっ。覚悟しろっ。グラタンノッポっっ!」


ヴァーバラ:「申し訳ないがーー」


0:ヴァーバラはガロを蹴り飛ばした


ガロ:「ごぼあっ…!」


ヴァーバラ:「この場での戦闘行為は御遠慮願いたい。例え何処にどの様な疑いの目があろうとも。あくまでギルドは平等たる目で居なければならない」


グランシオラ:「へえ。味方してくれるのかい、ヴァーバラ。」


ヴァーバラ:「いいえ。中立だと言いましたよ。私は」


ジャイロ:「ちっ。いい面してえげつねぇ蹴りカマしてんじゃあねえよ…っ!」


ヴァーバラ:「来ますか、異能狩り…ッ」


0:ヴァーバラは蹴った


ジャイロ:「Adsorptionアドソープション…っ!」


ヴァーバラ:「ほお。異常性。」


ジャイロ:「持ってきたなあ、最高の一発ゥ!」


ヴァーバラ:「ギルドに楯突く気ですか」


ジャイロ:「そういうリーダー命令なんでなっっ」


0:ジャイロはヴァーバラに向かって手を開いた


ジャイロ:「Refundリファンドッッ!」


ヴァーバラ:「おっと、危ない。」


0:ヴァーバラはジャイロの腕を足で絡めた


ジャイロ:「うおおお!?いっってぇッッ」


ガロ:「なんだぁぁ!?蛇!?」


ヴァーバラ:「報告書で君の異常性については大方理解している。これとは相性が悪そうだ」


ジャイロ:「くそ、が…!離しやがれ…!」


アスカ:(M)合気道…!流石にギルド代理人。一筋縄では行かないか


グランシオラ:「盛り上がっているが。私から銃口を下げてはくれないのかい。ネロ」


ネロ:「勿論だ。」


グランシオラ:「そうか。残念だ」


ノエル:「何をヘラヘラしてんだ。お前ら」


アガット:「お?」


ノエル:「追い詰められてんだぞ。自分達が今まで何をしてきたか、暴かれたんだぞ。中央政府も敵に回したんだ。それで、その態度か…!」


グランシオラ:「理解していないようだから言っておくが。それで追い詰めたというのは、語弊がある。」


ネロ:「…何を言っている…。」


ガロ:「GRIDグリッドBORROWボロウ…ッッ。」


アガット:「うおお、来たか。」


ガロ:「ごちゃごちゃうっせーって。お前らぶっ飛ばせば取り敢えず全部解決すんだろ。何より、俺。お前ら嫌いだ。」


ジャイロ:「そういう訳だ、中立とか寒い事言ってねえでそこどけよ、糞野郎」


ヴァーバラ:「そういう手荒な真似は正式な手続きを踏んでから行って頂きたい。」


アスカ:「結構だ。ギルド自体が中央政府と対立した、という選択として処理しよう」


ヴァーバラ:「ここまで来たら後は民意次第でしょう。先程の法改定を聞くに。」


ネロ:「よく分かっている。大人しく着いてきてくれるな、グランシオラ」


グランシオラ:「同行と連行を履き違えているようだ。それに、警戒するべきは君たちのほうだ。」


ガロ:「あ?」


グランシオラ:「私の命令はまだ完遂されていない。そうだろう、アガット」


アガット:「あ〜、ったく。」


0:アガットはもうひとつの槍を取り出した


アスカ:(M)なんだ。別の槍…?また異常器か…!


アガット:「この、ブラック企業が」


アスカ:「くそ…ッッ!」


ヴァーバラ:「手荒な真似はよせと言っている」


アスカ:「ちっ。アイネス!アガット・スロンファーを抑えろ!」


アイネス:「了解。」


アガット:『償え』


アイネス:「LIQUIDリキッドッッ。」


アガット:「グングニルッッ。」


0:アガットは槍を地面に突き立てた


アイネス:「っ…ごほ…ッ…。」


0:アイネスの脇腹には槍が3本刺さっている


ガロ:「アイネス…!?」


アガット:「まず一人ィ」


アスカ:「貴様…ッ…!」


ネロ:「アスカ!警戒を解くな!」


ヴァーバラ:「はぁあぁ…ッ!」


0:蹴った


アスカ:「ごぶっ…!こ、の…!アイネス!撤退しろ!!」


アイネス:「定義、転換…ッ。一滴ひとえきっ。」


ガロ:「そうか!あいつ水になれるんだ!よかったー!」


ジャイロ:「ヒヤヒヤさせやがって…!」


アイネス:(M)…。なんだ。この槍、抜けない。個体を捉えている訳では無いのか…!?


アスカ:「アイネス!何をしてる…!」


アガット:「そぉら、次だ色男ォ。」


アイネス:「アスカ、さん…っ。」


アガット:『償え』


ジャイロ:「好き勝手し過ぎだよ、テメェ…ッッ!」


アガット:「グングニルッッ。」


ジャイロ:「Adsorptionアドソープションッッ。」


0:槍はジャイロの左手を貫通した。


ジャイロ:「ごぉっ…!?いっってぇ…ッッ!」


ガロ:「ええ!?」


ノエル:「ジャイロ!」


ジャイロ:(M)なんだぁぁ!?左手貫きやがった…ッ。この槍、異常性の効果が効かねえ…ッ!


アガット:「邪魔してくれるゥ、まぁいいさ。」


ガロ:「大丈夫か、ジャイロ…!」


ジャイロ:「暫く皿洗い出来ねえくらいだ…!安心しろ…!」


アスカ:「アガット・スロンファーッッ!」


ヴァーバラ:「待てと言っている…ッッ!」


アガット:「『伸びろ』ゲイ・ボルグッ。」


アスカ:「ーーーごほっ…。」


ヴァーバラ:「…ごぷっ…。」


0:槍は二人を貫通した。


ジオ:「おお!?」


アカシ:「まじか。えげつないのお。」


ネロ:「ーーーアスカぁッ。」


ガロ:「アスカ!!」


アスカ:(M)これが、異常器…っ。サンプルも少ない、報告数もほぼ無し。余りにも未知数…っ。


ガロ:「て、めぇ…!何やってんだ!!そいつ、お前らの仲間だろ!」


アガット:「ああ?ヴァーバラはあくまで中立で、わっしらの味方じゃあないだろう。それに」


ネロ:「くそッ。避けろ、アスカ!」


アガット:「償え。グングニル」


ヴァーバラ:「がはぁ…ッッ…!」


アスカ:「がはっ…!!」


ネロ:「アスカぁ…!!」


0:槍は二人の脇腹に数本刺さった


アガット:「…ごぼぉッ…。は、ははっ。さっすがに痛ぇや。」


ネロ:(M)ここまでとんでもないか…っ。ステージ3、いいや、4相当の使い手…っ。


アガット:「わっしの受けた命令は、殺せるだけ殺せ、だからなぁ。」


ガロ:「てめぇ…!!もう怒ったぞっ…!」


アガット:「撃つかァ!変態パンチぃっ。街ごと吹っ飛ぶけどなァ!」


ガロ:「ああ、吹っ飛んじまえ…ッ!」


アガット:「この前のようにゃぁ行かねえよ、「貫け」ゲイ・ボルグッッ。」


ガロ:「うぉお…!?」


0:槍がガロの右手ごと地面に突き刺さる


ノエル:「ガロ!!」


ガロ:「いっってえ…!抜け、ねえ…!」


アガット:「そのまま逝っちまえ、クソボケ…ッ。」


アカシ:「ジオ、止めてやれ」


ジオ:「了解」


アガット:「償え、グングーーー」


ジオ:「天都風あまつかぜッッ。」


0:突風がアガットを壁に押し付ける


アガット:「ごばぁっ…!!うおお、まじか、手ェ出してくんのかよ、お前ら…!」


ジオ:「リーダー命令だからな。」


ジャイロ:「なんだぁ!?風ぇ…!?」


アカシ:「はははっ。最近寒くなってきたというのに、またえげつないそよ風じゃのう」


ジオ:「髪型崩れまくってるぞ」


アカシ:「お前ぇ!加減っちゅーもんがあるじゃろ!」


ジオ:「そよ風っつったのお前だろ!」


0:ネロは誰かに通信している


ネロ:「…。アスカとアイネスが重症だ。至急医療班を寄越してくれ。暫くは一人で対応に当たる」


ガロ:「っ…てぇ!やっと抜けた…っ。おいお前、アスカとアイネス、大丈夫なのか…!」


ネロ:「知るかっ。息はあるが、私が知りたいくらいだ。」


ガロ:「まあ、そうだよな。くそっ。こんな強かったのか、あいつ…!」


アカシ:「さぁて、どうするんじゃ、グランシオラ。一応俺達は、どっちに付いてもいい側なんじゃが。」


グランシオラ:「はは、それは困った。大いに。君たちと一戦混じえるには「まだ」早い。」


アガット:「命令達成だぁ、三人とも放置すりゃあいずれ死ぬぜ。さっさと寄越せよ」


グランシオラ:「ああ、そうだね。もういい。今までのを見るに、ホトバシとビットマン以降、後続は育っていないらしい。安心したよ。それで一等監察官なんだもんな。」


ネロ:「好き勝手言ってくれる…っ。」


グランシオラ:「ノエル・ベルメット」


ノエル:「…」


グランシオラ:「グリム写本の一件において、君の推理は実に見事だった。やはり、兄譲りだな。」


ノエル:「…!」


ネロ:「この期に及んで世間話か、余裕だな…ッ。」


ガロ:「ジャイロ!!俺らも行くぞ!」


ジャイロ:「分かってるっつーのっ。」


ネロ:(M)刺し違えてでも、グランシオラだけは仕留める…っ。追うには遅すぎた…っ。こいつらは、既に十分すぎるほど危険だ…!


グランシオラ:『ーーーおいで。ノア』


ネロ:「ーー…!待てお前ら!異常器だ!!」


ガロ:「うぉぉっと、っとと。まじか!次はなんだ!」


ジャイロ:「…何も起こらねえが…。」


グランシオラ:「ネロ。中央政府にはこう伝えておいてくれ。」


ノエル:(M)窓の外から、轟音が響いた。私はその音を、何処かで聞いたことがある気がする。もっと、もっと小さな。あの音を。


ガロ:「ーーおい、おいおい…。」


ジャイロ:「なんだァ、ありゃ…!」


グランシオラ:「君達はまた、選択を誤ったと。」


ノエル:(M)長さ137m、幅23m、高さ14m。初め、それは雲だと思った。


アカシ:「船、かの?」


ジオ:「船にしたって、なんで空飛んでんだって話だ、これ。」


ノエル:(M)船が飛ぶはずもない。空を飛ぶ、異常器だ。…腸が、煮えくり返る思いだ。


0:窓の外には巨大な方舟が飛行している姿が確認できる


ネロ:「ーーー報告…っ。「ノアの方舟」を確認。既に、稼働可能であり、神話上の方舟は。確かに今、私の目の前に存在している…!」


ジャイロ:「言葉も出ねえ、こんなもん隠し持ってやがったのか…!?グランシャリノは…!」


ガロ:「で、でけぇ…!デカすぎるだろ…!」


グランシオラ:「さて、行こうか。アガット。」


アガット:「あいあい、了解。」


ネロ:「ーー…!待て、逃げるな!」


0:ネロは発砲するが、アガットに止められる


アガット:「おっと、危ねぇな。嬢ちゃん」


グランシオラ:「逃げる、というのもまた語弊があるよ。ネロ。」


0:二人は方舟から伸びる足場に足をかけた


グランシオラ:「ここからが。第一歩だ。」


ネロ:「待て、グランシオラ…ッッ…!!」


ポルジッコ:「おいおいおい。おいおいおいおい。」


ジャガー:「なんやなんや。報告よりずっと多いやんけ。嘘ついたなぁこら。」


ノエル:(M)中央政府のものと酷似した制服。片方は煙草を加え、片方はその口角をあげながらアスカさんを蹴り飛ばした。


ジャガー:「ははは、軽。」


ジャイロ:「おいおい、やるじゃねえか。増援か、中央政府の」


ネロ:「…は…?」


ポルジッコ:「VOLTボルト


0:電撃がネロに直撃する


ネロ:「がぁああッ…!!」


ジャガー:「ははは、えっぐいわぁ。」


ジャイロ:「はぁ!?」


ガロ:「雷…!?お、おい、大丈夫かお前っ。」


ジャイロ:「どういうこったァ…!仲間じゃなかったのか…!?」


ノエル:「まさか…。」


ネロ:「がっ…。あ、あぁ、くそ。手加減までされちゃあ、せ、世話ないな…っ。」


アカシ:「おー。ジオ、誰じゃあいつら?」


ジオ:「知らないな。中央政府と似た制服だが」


ポルジッコ:「おぉい…。おい、おいおい。ちぃとお遊びが過ぎるんじゃあないか。グランシオラ」


グランシオラ:「遊びなものか。これは確かな、威圧の目だよ。」


ネロ:「ポルジッコ・レオン…っ。ジャガー・モルモート…っ…!」


ジャガー:「なんや、知っとるんかいな。有名人になるっちゅーのは嬉しいもんやなぁ、おおきに。」


ネロ:「バグテリアまで関与してるのか、グランシャリノ…ッ…!」


ポルジッコ:「ほー。やっぱり俺の素性もバレてる。流石だな、ネロ・アハツェン」


ジオ:「バグテリア…。」


アカシ:「ほほぉ、こりゃあ。思ったよりも面倒事の匂いじゃの。」


ポルジッコ:「ン?んん。おい、おいおい。禄戀会まで居るじゃねえか。聞いてねえぞ」


ジャガー:「え。まじやんけ。あんな化け物の相手しらっちゅーんか?それあれやろ。業務範囲外っちゅー。」


グランシオラ:「構わないよ、彼らは今。敵でも味方でも無いらしい。」


0:3人はそのまま方舟に乗った


ネロ:(M)身体が動かない…っ。くそ、くそっ。くそくそっ…!まさかバグテリアの協力まであるとは思わなかった…!憶測が甘かった、私達の失策だ…っ…!


グランシオラ:「改めて。宣戦布告でもしておこうか。」


ネロ:「は…?」


グランシオラ:「私達はグランシャリノ。只今をもって、ギルドから脱退する。これより、フランス。リベールを境に。新国家として発足する事を宣言しよう」


ネロ:「国家…?何を持ってだ…?その船がか…!?馬鹿げてるっ…!その発言が何を意味するかわかっているのか…!」


グランシオラ:「ああ、理解している。全ての国、中央政府。引いては大陸を敵に回すだろう。しかしながら、何も問題が無い。この方舟は絶対不可侵の独立経済区域として機能する。その足掛かりに、リベールを獲る。」


ジャイロ:「リベールを、獲るゥ…?」


グランシオラ:「止めたければ挑むといいさ。像の大群にアリが踏み込むようなものだけれど。好きにしたらいいよ。」


ネロ:「ま、て…!」


グランシオラ:「また会おうね、中央政府。次会うときは、戦争が始まった時かな。いずれにしても、楽しみにしているよ」


ネロ:「待て…っ…!」


グランシオラ:「行くよ、ノア。」


アガット:「そんじゃあなァ〜!」


ネロ:「待て、グランシャリノォォーー…ッ!」


ノエル:(M)船は再び轟音を立て、その影を薄くして行く。吹き荒れる風が、ギルドにある書類を吹き飛ばした。


0:場面転換

0:ノアの方舟


アガット:「あ〜疲れた。そいで、良かったのか、姉御。今のを聞かれた上に逃がしちまって」


グランシオラ:「ああ。誰も逃がしはしないさ。彼らにどういう思惑があるにしろ、料金分の働きはしてくれる事に期待しよう」


アガット:「なんだよ、初めっから分かってたのか。」


グランシオラ:「いいや。ただの予感だよ。そういう準備をしておいた方がいい時期というのがある。まあ、禄戀会の首は取り損ねるだろうがね。」


アガット:「まあ、そりゃそうだろうな。ひとつの国が束になってやっとだろうぜ」


グランシオラ:「だとすれば。私達が国を取ればいいじゃないか。」


アガット:「はっ。これだからやめらんねえや。」


0: 場面転換

0:ギルド本部 重要会議室


ポルジッコ:「はい。社長。ついに、です。」


ジャガー:「うわ。でっかい鼻くそ」


ポルジッコ:「了解しました。社命を、遵守します。」


ノエル:「…ガロ。」


ガロ:「なんだ。」


ノエル:「アイツら、追ってもいいかな。」


ガロ:「ああ。そのつもりだ。」


ノエル:「はは、そう言ってくれると思った。」


ガロ:「絶対逃がさねえ。アスカとアイネスの分、ぶん殴らねえと気がすまねえ…ッ…!」


ネロ:「追う…?何を言ってるんだ…。」


ジャイロ:「まあ、ガロはウチのリーダー兼、ジェット噴射気なんで。」


ネロ:「はぁ??」


アカシ:「ははは、あれじゃあれ、ウルカレットの奴で聞いたあれじゃ」


ジオ:「ああ、車で空を飛んだって言う」


ネロ:「車で空を…!?」


ポルジッコ:「世話話か、呑気だな。」


ジャガー:「あかんこれっ。舐められてるっ。」


ポルジッコ:「お前のせいだぞ。ああ、ろくな事がない。ザックスの方が幾分マシだ。」


ジャガー:「そう言うなや、ワイかて一生懸命生きてんねん。」


アイネス:「ーーーごほっ…!」


ガロ:「…!アイネス!!」


ネロ:「よかった、まだ意識があったか…!」


ジャイロ:「はは、タフネスだ。心配したぜ、水女」


アイネス:「あのまま意識を失っていた方が良さそうな状況だ…!まさか、アンタらが出張ってきてるとはなぁ、バグテリア…!」


ジャガー:「そんな目の敵にすんなや。ワイらかて一生懸命生きてんねん。そう、一生懸命、なぁ?」


アイネス:「…。」


0:アイネスは立ち上がった


ネロ:「おいアイネス…!まだ立つな、今救護班を呼んでる…!」


アイネス:「じゃあ、こんなクソみたいな状況。打破できるんですか。利口な判断じゃあ出来ませんよ、こういうのは。馬鹿にしか」


ネロ:「…」


アイネス:「ガロンドール、異能狩り…!何か策があるんだろう、やってみせろ。」


ガロ:「…。」


アイネス:「悪いが、5分と持たない。さっさとしろ。」


ガロ:「おう…!」


ジャイロ:「了解だ。」


ジャガー:「かっくいい。ワイ、好きやなあ。タイプや。結婚してくれ」


アイネス:「グリム写本といい今回と言い、婚期かぁ?ことごとくタイプじゃあないな。」


ポルジッコ:「社命を遵守する。」


アイネス:「ああ、可哀想だ。私は。本当に、可哀想、だ…!」


ジャガー:「BOMBボム


ポルジッコ:「VOLTボルト


アイネス:「LIQUIDリキッド…ッッ…!」


ノエル:「…ジオさん。」


ジオ:「ん。俺?」


ノエル:「少し、いいですか。」


ジオ:「…」


0:2人は耳打ちで話す


ノエル:「ガロとジャイロが空から落ちてきたら、助けてやってくれませんか」


ジオ:「は?何言ってんだ。」


ノエル:「お願いします。貴方の異常性なら、出来ますよね。人二人浮かすくらい。」


ジオ:「出来るが。俺になんの義理がある」


アカシ:「ジオ。」


ジオ:「…。地獄耳が。やけに気に入ってんだな。こいつらの事」


アカシ:「ああ、かなり。」


ジオ:「…。リーダー命令だ。狙いは分からんが。乗ってやるよ、ベルメット」


ノエル:「…恩に着ます。」


ガロ:「おーーいノエル!何してんだ、早く行かねえとどっか行っちまうぞ!」


ノエル:「…ガロ、ジャイロ。」


ガロ:「お?」


ジャイロ:「なんだ。」


ノエル:「なんだかんだと。世話になりっぱなしだな」


ジャイロ:「はっ。なんでい今更」


ガロ:「だっはは、こっちこそだ。お前が居なかったら多分俺ら、とっくに死んでるっ。」


ノエル:「…。」


ジャガー:「ほれ、爆ぜろや。色女」


アイネス:「がはッ…!!」


0:ネロはポルジッコに蹴りかかる


ネロ:「うおおおおっ…!」


0:片腕で受け止めた


ポルジッコ:「ったく。随分呑気なこと言い為さる。」


アイネス:(M)執行術も攻略済か…!?くそ、血が止まらない…!


ポルジッコ:「そおら。」


ネロ:「ごぽぉ…ッ…!」


アイネス:(M)状況は、最悪…!勝てるはずもない…!


ジャガー:「ほいなら、さいなら。」


アカシ:「Rebellionリベリオン…ッ…!」


ジャガー:「…!」


0:アカシの身体から蒸気が漏れ出る


ジオ:「風流ふうりゅう架設かせつ。」


0:ジオの身の回りに風が吹き荒れる


ネロ:「禄戀会…!」


ポルジッコ:「おいおいおい、どうなってんだ。お前らは敵でも味方でもねえんだろう」


ジャガー:「シラケるわぁ、モテへんやろ。自分ら」


アカシ:「モテるが。超モテるが」


ジオ:「どうでもいいっつの。アホ共、ここは花持たせてやる。」


アカシ:「せっかく中央政府の二人が稼いでくれたんじゃ。はよォ行かんか、アホレンジャーの一行。」


ジャガー:「うっっわ。一気にだる。」


ポルジッコ:「ああ、勘弁して欲しいなあ。本当に。なあ。おい。」


ガロ:「さんきゅー、ありがとなっ。ほうれん草!」


ジオ:「禄戀会だ!」


アイネス:「…。お前ら」


ガロ:「お…?」


アイネス:「死ぬなよ。」


ノエル:「…はは、随分と仲良くなったもんで…!」


ジャイロ:「俺らがそう簡単に死ぬタマかよ。」


ガロ:「だははっ。ありがとな、アイネス!」


アイネス:「ふん。」


ガロ:「捕まってろよ、お前ら。」


ジャイロ:「おう。」


ノエル:「はいよ。」


0:ガロは大きく息を吸った


ガロ:「ーーー。GRIDグリッドBORROWボロウッ…!」


ポルジッコ:「おいおいおい、行かせるかよォ。のうのうと。」


ネロ:「れん発勁はっけい…ッッ!」


0:ポルジッコは肘で受けた


ポルジッコ:「うおっ、とぉ!ピリッとくるゥ。」


ジャガー:「Bomber・RUNボンバー・ラン!」


0:ジオとアカシが攻撃を相殺する


ジオ:「朱雀スザクッ!!」


アカシ:「どっしゃあああっ!」


ジャガー:「ははっ。やりすぎや!2対1かいな!」


アカシ:「そぉら!行ってこい、超新生!」


ノエル:「ありがとうござーーーー」


ガロ:「ShiftシフトBURSTバーストッッ…!!」


0:ガロが地面を蹴ると、三人は空へ身を投げ出した


ネロ:(M)爆風の様な。爆発の様な衝撃が地面を伝い、リベールを揺らした。次の瞬間には、彼らの姿は既にそこになかった


0:上空


ジャイロ:「うおおおおおおお!!?」


ノエル:「あの時経験してなかったけど!!こんな怖いのかコレ!!」


ガロ:「待ってろ、グラタンノッポーーーっ!」


0:重要会議室


ネロ:「…まじか。」


アカシ:「ははっ。面白いのう。面白い!」


ポルジッコ:「あーあぁ。まんまと逃がしちまった。」


ジャガー:「逃がした、っちゅーより。死地へ向かわせてしもた、って話とちゃうか。。」


ネロ:「…まあ、アイツらのことは今考えてもしょうがない。まずは、コイツらをどう相手取るかだ」


アイネス:「そう、ですね。ナンバーズクラスじゃないにしろ、充分厄介だ。」


ポルジッコ:「命令は完遂する。」


ジャガー:「社命も遵守する。」


ポルジッコ:「ああ、労働は糞だ。」


ジャガー:「ああ、労働は糞や。」


ネロ:(M)アスカ、もう少し耐えてくれ…!頼むぞ…っ。


アカシ:「悪ぃが、俺らこの後迷子犬の捜索するっつー依頼が待っとるんじゃ。バーちゃん心配してんだぞ、こら。」


ジオ:「あと2時間12分後に集合場所に向かわなきゃならない。そこどけよ。」


ジャガー:「嫌や」


ポルジッコ:「同上ォ」


アカシ:「まったく、こんな事ならオズの野郎連れて来りゃあ良かったの」


ジオ:「あいつダメだ、ノーパンだから。来る前に職質される」


アカシ:「はは、そりゃそうじゃ。」


ネロ:「くっそ…ッ…!厄日だな、今日は…!」


アイネス:(M)腐っても一度は私の猛攻から逃れたんだ。こんなしょうもない終わり方は認めないぞ、アホレンジャー。


アカシ:「そぉら、歯ァ食いしばれよォ、どこぞの異常体ッッ!!」


0:4人は間合いを詰めた


ネロ:「対・異常体執行術…っ。」


ジオ:「Modeモード川柳せんりゅうッ…!」


アイネス:「定義転換」


ポルジッコ:「120ミリアンペア。」


0:6人は一斉に攻撃を開始した


ネロ:「れん発勁はっけいッッ…!」


ジオ:「風雲録ふううんろくッッ…!」


アイネス:「一滴ひとえきッ…!」


ポルジッコ:「VOLTボルトッッ…!」


アカシ:「そぉぉおおおらぁああッ!」


ジャガー:「Bomberボンバーぁぁああ!」


0:場面転換

0:ギルド本部 重要会議室


0:場面転換

0:ノアの方舟


グランシオラ:(M)ーー嗚呼、姉さん。長らく待ったよ。


0:グランシオラは甲板に立っている


グランシオラ:(M)私と。姉さんの。長らくの夢だ。予期せぬスタートだけれども。計画には少しのズレも無い。強いて言うならば、オーウェンが死んでしまったことくらいだ。しかし、彼の死もまた、必然の因果だったんだ。


0:リベールを見下ろしている


グランシオラ:(M)これが。私の望んだ世界の果て。その一歩だ。


アガット:「姉御、茶が沸いたぜ」


グランシオラ:「ありがとう、アガット。今行くよ」


アガット:「…。なんか、聞こえねえか?」


グランシオラ:「ああ、やっぱり。私の聞き違いじゃあ無かったか。」


ジャイロ:「うおおおあああああっ!!」


ノエル:「ぎゃぁあああああああっ!!」


ガロ:「グラタンノッポーーーーッッ!」


アガット:「えええええええ!?空飛んでる!!?」


ジャイロ:「お前らも飛んでるだろっ。」


アガット:「確かに。」


0:三人は方舟に着陸した


ガロ:「だァーーーっ!着地ぃ!!ごろんごろんっ。痛い!立てねえ!」


ジャイロ:「はぁっ、はぁ…!死ぬかと思った…!」


ノエル:「ああ、でも…っ。敵の前には来れた…っ。」


ガロ:「やいやいグラタンノッポッ!てめぇ、よくもアスカとアイネスを刺しやがったな!!」


グランシオラ:「彼らは中央政府の人間だよ。1度は一悶着もあったそうだと言うのに、なぜ彼らの為にわさわざ死地に赴くのか、理解しか寝る」


ガロ:「ダチだからだ!!!」


グランシオラ:「ああ、良い子だね。」


ノエル:(M)バグテリアからの2人を。オーウェンさんの絶望を。兄さんの死を見て。確信があった。


ガロ:「ここなら好き放題暴れられる…っ…!覚悟しろよ、てめぇら…!」


アガット:「その前に、立ち上がれよ。寝ながら言われてもなあ。」


ガロ:「分かってる!!」


アガット「なんだぁこいつらは。遊びに来たのか。」


ジャイロ:「この前見てぇに動けるようになるんだろうなぁ、ガロ!」


ガロ:「あたり、まえだ…っ…!」


0:ガロは胸を鷲掴みにした


ガロ:「ーーーLimitリミットBORROWボロウ


グランシオラ:「…。」


ガロ:「Boostブーストッ。」


0:ガロの身体は発熱し、起き上がった。


ガロ:「ふぅ〜!できたできた、さァ、これでもっかい戦える。」


ジャイロ:「っしゃ。一丁やっちまうか。」


アガット:「ははははは!良い目だァ!!折角だしなぁ、前回の雪辱、晴らすしかねえよなぁ!?」


ノエル:(M)違和感があった。


グランシオラ:「まあ、まあまあ。」


ノエル:(M)勝負を焦っている自覚があった。


グランシオラ:「これ以上、急くことも無いだろう。」


ノエル:(M)現に私は今。誰も、信じていない。


0:グランシオラは短剣を手に取った


ガロ:「剣…?それも異常器か!」


ジャイロ:「ポンポン出しやがって…!」


アガット:「おいおい、もうやんのかよ。」


グランシオラ:「ああ、試してみようじゃないか。マルセイユの遺跡は、果たして現代でも再現可能なのか」


ノエル:(M)人である事より。探偵であることより。敵を殺す事だけを、望んでいる。


ガロ:「よく分かんねえけど、とりあえず何もやらせねえ方がいい!そんな気がする」


ジャイロ:「同意見だ…!」


アガット:「伸びろ、ゲイ・ボルグ」


ガロ:「おっと…!んにゃろ、危ねぇな…!」


ノエル:「待て、ガロ」


ガロ:「あぁ!?」


ノエル:「…待て。」


グランシオラ:「北に1247。西に1411。南に65。西に4532。座標は、「425796」」


0:グランシオラは自分の右腕を浅く切り付けた


ジャイロ:(M)日は陰り、既に暗闇が街を包んでいた。遥か遠くに見える街明かりだけが、世界を彩っている。


グランシオラ:『止まれ。莫耶ばくや


ジャイロ:(M)そいつが、そう言葉にした瞬間だった。


ノエル:「ーーー…!」


ガロ:「…は…?」


0:場面転換

0:ギルド本部

0:明かりは消え、暗闇の中に取り残されている。


ジャガー:「…おお…?何も見えへんぞ!」


ネロ:「なんだ…!?停電か!?」


ジオ:「…それどころじゃあ、無さそうだが…」


アカシ:「なんじゃなんじゃ、リベール一帯が…!」


ジャイロ:(M)『リベールは、その街の灯火を、次々に落として行った。』


ジオ:「なんだ、街の発電所が落とされたか…!?落雷でもしたのか!?」


ジャガー:「なんやねん、こんなんまで出来んのかいな。聞いてへんぞ」


ポルジッコ:「まったくだ。ドイツ政府からストップを食らうわけだな」


0:場面転換

0:ノアの方舟


ジャイロ:「おいおいおいおい、なんだァこりゃあ…!?」


ガロ:「リベールが、真っ暗になっちまったぞ…!?」


アガット:「ほぉー、こりゃあ圧巻だ。ここまで座標が狂いまくってる」


グランシオラ:「ははははっ。壮観じゃあないか!グリム写本とは比べ物にならないほどの、座標の混線…!」


ガロ:「何が起こってんだよ、これ…!」


ジャイロ:「電子機器だけを排除する遺跡…。なるほど、やっぱり、あの遺跡で研究をしていたのはお前らだったのか…!!」


ノエル:「あり、えない…。」


グランシオラ:「これもまだ試作に過ぎない、だが!いいじゃないか!最高の解答だ!何れ、この技術がフランス、いいや、世界全土まで広がれば…!世界のあらゆる機関はその軍力を失う!」


ノエル:「ふざけてる…!こんなの、神の所業じゃないか…っ…!」


ジャイロ:「初めから、こんな計画を仕込んでたってのか…!?」


アガット:「こりゃあ、ビッグニュースになっちまうなぁ」


グランシオラ:「はは、いいじゃないか。これが前哨戦なのだから、私達からすれば小出しに過ぎないよ」


アリアンロード:「LANCEランス


0:槍が地面に突き刺さる


ジャイロ:「…!?」


ガロ:「うおおっ!?あっっぶねえ…!なんだぁてめぇ!」


ジャイロ:「ガロ!?大丈夫か!?」


ガロ:「お、おう…!」


ジャイロ:(M)反応すら出来なかった…!なんだぁ、あいつ…!


アガット:「ひょぉ〜、変わらずえげつねえ。」


グランシオラ:「おや。まだ起きていたのかい、アリアンロード」


アリアンロード:「ええ。敵、ですか。」


アガット:「敵だよ敵ぃ。まんまと、死地に赴いてくれやがった」


アリアンロード:「そうですか。」


ノエル:「バグテリアに、正体不明の異常体まで…どれだけ、戦力を注ぎ込んでんだ…!お前ぇ…!」


グランシオラ:「言ったじゃないか。国を、世界を取ると。」


ノエル:「ーーー…」


ジャイロ:「ガロ、ありゃあちぃとまずい。とんでもねえ美人だし、とんでもねえ強さだ…。ナンバーズ、いや、それ以上もあるかもしれねえわ」


ガロ:「よく分からねえけど。俺もそんな気がする。」


0:ガロの手は震えている


ガロ:「逃げろって、頭がそう言ってやがる。」


ノエル:「…」


グランシオラ:「さあ、アホレンジャーの一行。わざわざ私の目の前まで来てしまったんだ。そういう覚悟を持って、という意味と捉えるが。構わないか」


ガロ:「…っ…!あっったりめぇだ…!てめぇら全員ぶっ飛ばしてやるよ…!」


アリアンロード:「来ますか」


ジャイロ:「ったく、何がどうなってやがる…!」


ノエル:「そこまで」


ガロ:「…あ?」


ジャイロ:「お嬢?」


ノエル:「グランシオラ。」


グランシオラ:「なんだい、ノエル・ベルメット」


ノエル:「私を。この船に乗せてくれ。」


アガット:「…えぇ??」


ガロ:「…はぁ??」


ジャイロ:「ノエル!何言ってんだテメェ!」


グランシオラ:「私達の目論見を暴いた君がか?その申し出を私が受けると、本当に思っているのかい。」


ノエル:「ああ。思ってるよ。言っていただろ、挑戦するならしてみろって。私一人、この船で好き勝手した所で。もうアンタらの計画は止まらない。違うか」


グランシオラ:「…」


ノエル:「私はな、兄さんを殺したお前らを許さない。絶対に、地獄のどん底に叩き付けてやる。絶対にだっ。こうなる事くらい、初めから分かってて私をグランシャリノに入れたんだろっ。」


グランシオラ:「ああ、分かっていたね。それもまた面白いと。思ったよ。」


ノエル:「…っ…!」


ガロ:「おい、ノエル」


ノエル:「だったらこれくらいの啖呵、乗ってこいよ…っ。私みたいな子ネズミ一匹、どうとでもなるんだろ…っ…!」


ガロ:「ノエル!」


ノエル:(M)ごめん。ガロ。ジャイロ。カラス。


グランシオラ:「…はは。」


ノエル:「…」


グランシオラ:「は、ははっ。は、ははっ。いいね、いいじゃないか。私はね、好きだよ。君みたいな馬鹿が」


ノエル:「あ…?」


グランシオラ:「オーウェンも、ニーアも、彼も彼女もどいつもこいつも、一丁前に私に牙を向ける。だからそうなった。私にとって君達は、動かない駒でしかない。そう、さっき言った通りなんだ。虫だ。」


ノエル:「…」


グランシオラ:「いいよ。おいで。私と共に行こう。引いては、私の首を取ればいい。取れるものならば。」


ノエル:「その慢心。絶対に後悔させてやるからな。」


グランシオラ:「向かってくるならば、真っ向から叩き潰してみせるよ。ビギナーズラックはくれてやらんがね」


ノエル:「ーーーー。」


0:ノエルは胸をなで下ろした


ノエル:(M)思い出すのは。何気ない日々。


ガロ:「ノエル!!何言ってんだお前!!戻ってこい!」


ジャイロ:「そうだぜ、ここまで連れてきておいて、今更何言ってやがる…!」


ノエル:(M)たった一年足らず。同じ屋根の下で、ろくに腹にも貯まらない飯を食べて。日銭を稼いだ。


ガロ:「ノエル!!!」


ノエル:(M)思い返せば、ろくな生活じゃなかったけど。


ジャイロ:「お嬢!!」


ノエル:(M)確かに。それが私の日常になりつつあった。


アガット:「…。姉御」


グランシオラ:「見ておくといい、アガット。あれが、人の弱さだ。」


ノエル:(M)だからこそ。


グランシオラ:「絶望を前に。人は幸福を拒否する」


ノエル:「ーーーーここまでだ。」


ガロ:「…何が、だ」


ノエル:「私はもう。何も信じない。信じたから、間違ったんだ。私の憧れの人がそうしたように、私も。絶望した。」


ガロ:「は…?」


ノエル:「バグテリア、異常器、もう。お前らを巻き込むには。敵は大き過ぎると、嫌という程自覚した」


ガロ:「何言ってんだ、お前」


ノエル:「お前らじゃ、グランシャリノには勝てない。死ぬよ」


ジャイロ:「てめぇ、お嬢…!ふざけんじゃねえぞ…!!その言い方じゃあまるでーー」


ノエル:「じゃあなんだよっ。お前ら、死なないって約束できんのかっ。出来るわけないだろっ。今の女の異常性だって、あいつが「わざと」外さなきゃ、ガロは死んでた!!」


ガロ:「…っ…。」


アリアンロード:「ほお。良い目をお持ちだ。」


ノエル:「元はと言えば、私が始めたことなんだ、だからもう、ここから先は私ひとりで行く。」


ガロ:「ふざけんな、お前は俺の仲間だろうが!!」


ノエル:「ただの用心棒だ!!お前なんか仲間だとも思っちゃいない…!そもそも、数合わせでこのギルドに入っただけだ!」


ジャイロ:「おいコラ。」


ノエル:「…」


ジャイロ:「お前。言っただろ。ガロを助ける事が、後悔しない選択だって。あの場で、俺に嘘をつきやがったのか」


ノエル:「…嘘じゃない。ガロは、ちゃんと助けた。今も、そうだ。」


ジャイロ:「あ…?」


ノエル:「ガロ。私は、お前の冒険から、降りるよ」


ガロ:「嫌だ!!!お前がなんというと!!俺はお前の仲間だ!!」


ノエル:「…。」


ガロ:「コイツらがなんだ!!俺が今まで通り、ぶっ飛ばしてやる…!」


ノエル:「…っ」


ガロ:「お前になんの事情があるとか、そんなの知ったこっちゃねえ!!言えよ!!助けろって!」


ノエル:「…ごめん…っ。」


0:ノエルは二人を突き飛ばした


ガロ:「ーーーは?」


ジャイロ:「おい。何やってんだ、ノエル…!」


0:二人は空へ身を投げ出され、ノエルはそれを見下ろしている


ノエル:「私は。皆の足でまといにしかならないんだ。」


ガロ:(M)身体が、宙を舞った。思考すら、無重力に投げ出される光景を。肌で感じる。


アガット:「あーあ。また逃がした。」


グランシオラ:「…。アリアンロード」


アリアンロード:「はい。追いますか?」


ノエル:「行かせるかよ…!!」


アリアンロード:「ほお。立ち塞がりますか。座標も持たない、貴方が」


ノエル:「私が何のためにここに残ったと思ってる…!言っただろ、グランシオラ!お前が考えるようなこと、企んでることも、全部私が潰してやる!!あいつらは、追わせない…!!」


グランシオラ:「…はは。いいねえ。そういうのは。凄く、好きだ。アガット」


アガット:「ああ。」


ノエル:「例え死んでも、お前らは、私が食い止めるんだ…!それで、これっきりだ…!!」


アガット:「よっ。」


0:腹を殴った


ノエル:「がっっはぉ…!」


アガット:「お前みたいな女ひとり、異常器を使うまでもねえよ。」


ノエル:「ごほっ、こほっ。おぇ…っ。」


グランシオラ:「追え。アリアンロード。」


アリアンロード:「了解しました。」


0:ノエルは這いつくばり、アリアンロードの足を掴む


ノエル:「ま、て…!」


アリアンロード:「…。」


0:アリアンロードはノエルを引きずりながら歩く


ノエル:「まて、よ…っ…。」


アリアンロード:「雨に打たれた雛は。為す術なく、その重さに押し潰される。非情な事です。」


ノエル:「まてって…っ。」


アリアンロード:「覚悟すら、信念すら。力が無ければ意味も無く。ただ呑まれ行くものですよ。」


ノエル:「待てって言ってんだよ…っ!」


アガット:「しつけえよ、ノエル・ベルメット」


0:ノエルを踏みつけた


ノエル:「がはっ…!」


アガット:「そぉれ、さっさと行け。」


アリアンロード:「はい。」


0:アリアンロードは船から飛び降りた。


ノエル:「ま、て…」


アガット:「ったく。お前から突き飛ばしといて何言ってやがんだ。」


ノエル:「ガロは、あいつらは…っ。私の、仲間なんだよ…っ…!」


アガット:「…そりゃあ、二兎追うもの、一兎も得ずってやつだぜ。」


グランシオラ:「ノエル・ベルメット。私を殺すんだろう。地獄に、落とすんだろう。仲間の一人や二人、捨てる覚悟もない奴に。私の首を狙う資格すらも無い。だから、私は君をこの船に置いたんだ」


ノエル:「…が、ろ…」


0:ノエルの意識は徐々に薄れていく


グランシオラ:「言っただろう。敵じゃない、と。」


0:ノエルの意識は途切れた


0:場面転換

0:重要会議室


アカシ:「こっちじゃ!ジオ!」


ジオ:「ったく、まじでやって退けるたぁな!さあ、おいでませだ…!」


0:ジオは空から落下する2人を捉えた


ジオ:「mode・川柳…っ…!」


0:ジオの身の回りに突風がふき荒れる。


ジオ:「荒波あらなみ上昇じょうしょうッッ…!」


ガロ:(M)風が、体を持ち上げた。


アカシ:「ふぅ。何とか間に合ったの。」


ジオ:(M)ベルメットは…。やっぱり居ないか。


ジオ:「暗闇に乗じて中央政府も逃げおおせたらしい。俺らも行くか?義理は果たしたろ」


アカシ:「そうじゃな。こんな暗くなっちまったんじゃあ、さぞかし迷子犬の捜索も大変そうじゃ」


ガロ:「…」


ジオ:「さて、俺らはもう行くが。あとは自分らで始末つけろよ。アホレンジャーの一行」


ガロ:「……っ…。」


ジャイロ:「…。許せねえ…。」


0:ジャイロは地面を殴った


ジャイロ:「あのクソアマぁ…っ…!裏切りやがった…!清々堂々と!こんな丁寧に着地番まで手配しやがって…っ…!許せねえぜ、こんな仕打ちィ…!傷ついた、傷つけられた、名誉が…っ…!」


0:ジャイロは立ち上がった


ジャイロ:「〜〜〜…っ。ノエルてめぇーーーーーッ…!」


アリアンロード:「LANCEランス


ジオ:「ごぼっ…!」


アカシ:「…!次はなんじゃ。」


アリアンロード:「ほう。これは。異様なほどに強い。」


アカシ:「…。なんじゃお前。アストレアか?」


ジオ:「…。何言ってんだ?」


アカシ:「いや。暗ぅてよう見えんが。似とる」


アリアンロード:「その方とは近々相見える。私も楽しみですよ。つまり、ええ。あなたの知るその人とは他人です。」


アカシ:「…。ここまで、じゃな。」


ジオ:「撤退か?」


アカシ:「ああ。見たところ、ナンバーズクラスじゃ。俺らよりも強いのう。」


アリアンロード:「賢明ですね。」


アカシ:「グランシオラに伝えといてくれや、そこの。」


アリアンロード:「何をでしょう」


アカシ:「好き勝手するのは結構じゃが。俺の仲間に手を出したら。そん時は本気で潰すぞ」


アリアンロード:「…。」


アカシ:「それじゃあ、またの。お前らも、また縁がありゃあ会おうや。アホレンジャーの。行くぞ、ジオ」


ジオ:「了解」


ガロ:「…」


0:ジオは屈んだ


ジオ:「突風とっぷう旋回せんかいっっ!」


0:ジオはそのまま姿を消した


アリアンロード:「流石に素早い。ですがーーー」


ガロ:「なあ。」


アリアンロード:「…。はい。」


ガロ:「なんで。ノエルは俺らを裏切ったんだ」


アリアンロード:「…。申し訳ありませんが。私はその人を知りません。」


ガロ:「あいつが…!仲間を裏切らなきゃならねえ程の、何をお前らが背負わせたんだ…!!」


ジャイロ:「ガロ…」


アリアンロード:「…。彼女は、弱かった。心身ともに。貴方がたを遠ざけた理由は、そこに帰依すると考えますが。」


ガロ:「そんな訳がねえ!!あいつは弱くない…!俺の仲間を、悪く言うな…!」


ジャイロ:「…」


ガロ:「絶対に取り返す…っ。俺は、あいつを信じてる…!」


ジャイロ:「…」


アリアンロード:「そうですか。素晴らしい事、ですね。」


ガロ:「だから、もうノエルが何も背負わなくてもいい様に、あんな顔、しなくていいように…!テメェら全員ぶっ飛ばす…!グランシャリノ…!」


ジャイロ:「ーーーー来い。サーティーン。」


0:鎌が現れる


アリアンロード:(M)座標。それも。深淵を狩り得る程の到達点。


ジャイロ:「こちらとら一度、後悔の無い選択しろって人様に言っちまってんだ…!そりゃあアイツだってそうする…!だから、俺だってそうする…ッ!」


ガロ:「ジャイロ!こいつら!ぶっ飛ばすぞ!!」


ジャイロ:「当たり前だ!!相棒!!」


アリアンロード:「定義転換」


ガロ:「GRIDグリッドBORROWボロウ…っ!」


ジャイロ:「削り取れッッ!」


アリアンロード:(M)深淵の香り。立ち会うのは危険、ですか。


ジャイロ:「サーティーン…ッ!」


アリアンロード:「SHIELDシールド


0:顕現した盾は削り取られる


アリアンロード:「…!やはり、その類…。」


ガロ:「吹っ飛べ…!」


アリアンロード:(M)こちらもまた、彼と似た座標…!


ガロ:「FURUフルッッ!」


アリアンロード:(M)成程。これは良い座標だ。


ガロ:「BURSTバーストッッッ!!」


アリアンロード:「IronアイアンMaidenメイデンっ…!」


0:要塞がアリアンロードを囲む


ジャイロ:(M)よく見た、よく知った爆風が、リベールを襲った。その拳は天を割り、あらゆる物を破壊する。


0:砂煙が晴れていく


ガロ:「ーーーはぁ…っ…!はぁっ…!」


ジャイロ:(M)はずだった


アリアンロード:「見事。」


ジャイロ:(M)そいつは。埃を払うでもなく、平然と口を開いた。


アリアンロード:「この期に及んで周辺被害にも配慮する一手。感服致します。」


ガロ:「…はぁ…はぁ…っ。まじ、かよ…っ。」


ジャイロ:「なんで、ガロの一撃食らって、生きてるどころか、傷一つすらつきやがらねえ…っ!」


アリアンロード:「是非、次の一手は。私から。」


ジャイロ:「くそくそくそ…!ここまでやべぇかよ、化け物が…!!」


アリアンロード:「LANCEランス。」


0:ジャイロの目の前に槍が現れる


ジャイロ:(M)槍…!?なんだ、飛んできたのか…!?いやいやいや。早すぎるだろ。駄目だこれ。死ぬ…っ。


ガロ:「うぉぉおおおっ…!」


0:ガロはジャイロの服を引っ張り避けさせる


ジャイロ:「あぶぉ…っとぉ…!あ、あっぶねえ…!命拾いした…!」


ガロ:「…!まだ来るぞ!気ぃつけろ!」


アリアンロード:「SWORDソード


ガロ:「がァ…っっ…!」


0:ガロの脇腹に剣が突き刺さる


ジャイロ:「ガロぉぉっ!」


アリアンロード:「GANガン。」


0:銃弾がジャイロの右肩を貫く


ジャイロ:「がァ…ッッ!はっ、くそっ…!盛り過ぎだぜこの怪物が…っ!」


ガロ:「おえっ…こほっ…!この、野郎…!!」


アリアンロード:「鉄槌。」


0:二人は地面に押しつぶされた


ジャイロ:「ごぼおぁア…っ!」


ガロ:「がはぁっ…!」


アリアンロード:「…やはり。練度が足りず。先程の彼らには程遠い器ですが。若輩の身ながら、見事です。」


ジャイロ:(M)ーーいっってぇ…!痛い痛い痛い…!肋、折れたか!?なんなんだよこいつ!クールタイムもクソもねえ…!


ガロ:「LimitリミットBORROWボロウ…ッッ…!」


アリアンロード:「まだ立ちますか。」


ガロ:「ーーーBoostブースト


ジャイロ:「ごほっ…。」


ガロ:「はぁ…っ。はぁ、ごほっ…。」


ジャイロ:「ガ、ロ…!」


ガロ:「一発だ。ジャイロ」


ジャイロ:「あ…!?」


ガロ:「この一発でこいつ仕留められなかったら。全力で逃げる。いいな…!」


ジャイロ:「いつかを思い出すねえ、了解だァ、相棒…!」


アリアンロード:「次はどう返しますか。座標の方々」


ガロ:「GRIDグリッドBORROWボロウ…っっ…!」


アリアンロード:「…おや。ここまで、ですか。」


レーヴェ:「ーーSteinsシュタインズBORROWボロウ


0:二人は同時に異常性を放った


ガロ:「FURUフルBURSTバーストッッ!」


レーヴェ:「NEOネオBURSTバーストッッ!」


ジャイロ:(M)その時見たのは、光。


アリアンロード:「SHIELDシールド


ジャイロ:「うおおあああああっ…!?」


アリアンロード:「派手にやりますね。レーヴェンシュタイン。」


ジャイロ:(M)目の前で。何が起こったか分からなかった。それを理解したのは、12秒後。ギルド本部は跡形もなくその姿を消し、地面は抉れ、その場に立っている二人だけ。片方は、右腕から血をこれでもかと言う程垂れ流している。


ガロ:「ーーーはぁ…っ。はぁ…。はぁ。」


レーヴェ:「だははっ。ちったぁ強くなったか。ガロ」


ガロ:「…誰だ、お前…」


レーヴェ:「…はっ。覚えちゃいねえか」


0:レーヴェは自分の顔を指さした


レーヴェ:「ーーー俺はレーヴェンシュタイン。冒険家だ。」


ガロ:「冒、険家…?」


ジャイロ:「ガロォオッ!」


ガロ:「…ジャイロ…」


ジャイロ:「お前、右腕それ、大丈夫なのかよ…!」


ガロ:「…ああ。クソ痛い。」


レーヴェ:「中央政府にも禄戀会にも逃げられてんじゃねえか。何してんだよアリっち。」


アリアンロード:「申し訳ない。少々戯れが過ぎました。」


レーヴェ:「はは、まあ。お前のそういうところ嫌いじゃないけど。」


ジャイロ:(M)なんなんだ。こいつら…!グランシャリノか…!?それに、男の方が使った異常性、ありゃあ、ガロのと…。


アリアンロード:「それでは、執行を再開しても。」


ジャイロ:「ーー…!くっっそが、考える暇もねえってか…!」


アリアンロード:「また一手。」


ジャイロ:(M)もう二回も回復の異常性使っちまってる、更にあの右腕、ガロはもう戦えねえ…!俺が守らねえと…!


ガロ:「……っ…。」


ジャイロ:「削り取ーーー」


ガロ:「ーーージャイロぉおおおおっ!」


ジャイロ:「ーー…!」


ガロ:「…っ。逃げるぞ…っ。コイツは、今の俺らじゃ、勝てねえ…!」


ジャイロ:「…。」


ガロ:「ノエルは、絶対取り返す。でも、そりゃあ俺がもっと強くなってからじゃねえと、無理だ。」


ジャイロ:「…っ…。了解、だ…!相棒…!」


ガロ:「全力で走れ…っ!生き残ることだけ考えろ!!」


ジャイロ:「畜生、畜生がぁ…!」


0:二人は走り出した


レーヴェ:「shiftシフトBURSTバーストっ。」


0:レーヴェに回り込まれる


ガロ:「はぁあ!?」


レーヴェ:「おいおい、もうサヨナラかよ、寂しいな。」


ガロ:「…!くそっ…!なんだお前…!どけ!」


ジャイロ:「削り取れ、サーティーン…!」


レーヴェ:「うおお…??」


0:レーヴェの位置は移動する前に戻った


レーヴェ:(M)なんだ?引き戻された。いいや、空間に押し戻されたみてぇな感じだ。成程異常器ィ


ジャイロ:「何してんだガロぉ…!逃げんだろ!」


ガロ:「分かってる!!」


レーヴェ:「はは、面白。アリ。流石にこいつらまで逃がしたらグランに怒られちまう。」


アリアンロード:「そうですね。怒られるのは嫌です」


レーヴェ:「はは、可愛い」


ジャイロ:(M)くそ、くそ、くそくそくそ…!クソばっっかだ…!けど、サーティーンさえ使えば逃げ切れねえことはねえ…!このままーーー


オーダー:「そぉら。」


ガロ:「ごぼぁぁあっ…!」


0:ガロは蹴り飛ばされた


ジャイロ:(M)次はなんだ…!?


0:ジャイロは足を止めた


ジャイロ:「なにやってんだガロぉ!!」


オーダー:「お前ら、遊び過ぎ」


ジャイロ:「ーーー…」


レーヴェ:「いや。俺は今来たばっかりだし。」


アリアンロード:「すみません。私のせいですね。」


ガロ:(M)いっっっ…てぇ…っ!なんだ今の…!アスカの蹴りより、ずっと痛ぇ…!!


レーヴェ:「まあ、アンタが来てくれりゃあ問題ねえよ。オーダー」


オーダー:「僕に頼るな。自分でやれ」


レーヴェ:「ええ。なんでそんな冷たいこと言うんだよ」


ジャイロ:「…」


ガロ:「ごふっ…!ジャイロ…!なんで足止めてんだ…!早く行け…!」


ジャイロ:「…。」


ガロ:「ジャイロ!!!」


ジャイロ:「…オーダー…」


オーダー:「…。久しぶり。ジャイロ」


レーヴェ:「え。なに。知り合い?」


アリアンロード:「口を挟まないのが道理というものかと。」


レーヴェ:「あーね。」


ジャイロ:「…ましで。グランシャリノと結託してんのかよ。おい。」


オーダー:「…ああ。そうだよ。」


ジャイロ:「…っ…。」


ガロ:「おい、話聞いてんのか…!早く…ごほっ…!行かねえと…!」


ジャイロ:「来い。サーティーン。」


オーダー:「…。まだ持ってたのか。」


ジャイロ:「そうだよ。そりゃもう大事に大事にこさえてたさ。」


オーダー:「…そうか。」


ガロ:「なにやってんだよ…!逃げるんだろ、戦うんじゃねえよ、ジャイロ…!」


オーダー:「逃げられると思ってるのか。僕から」


ジャイロ:(M)状況は。絶望的だ。現状は。絶望的だ。逃げられる可能性は?生きて帰れる可能性は?五体満足で帰れる可能性は?全部。全部、絶望的だ。俺が一番知ってる。こいつからは。逃げられない。


ガロ:「ジャイロ!!!」


ジャイロ:(M)どの道。死ぬしか選択肢が無い…!


0:ジャイロは空を見上げた


ジャイロ:(M)…嗚呼。終わったな。ヒョンな事に首突っ込んじまった。


アリアンロード:「…。来ますね」


レーヴェ:「あ?誰が」


ジャイロ:(M)身体もボロボロ。目の前には、化け物が三人。異常体、超怖いわ。流石にどうしようも無い。悪運だけでやってきたが。ここまでだな。


アリアンロード:「エラーネームでも、エンプティでも無い。純足る「異物」が。」


ジャイロ:(M)なんやかんやと。こんなもんか。


0:空間が少し捻れた


林檎:「ーーーScrambleスクランブル。」


ジャイロ:「…」


レーヴェ:「…はは。おいおい。ゲスト大乱闘じゃねえのよ、ここは。」


林檎:「いやぁ〜。ヴァーバラからの手紙に今更気付いてまだやってるかなって思ったけど。」


ジャイロ:(M)赤いフード。林檎の絵が描かれたフルフェイス。


林檎:「ギルド本部は無くなってるし。グランシオラは舟でどっか行っちゃったし。僕の目当てはボロボロだし。」


ジャイロ:(M)颯爽と現れて。事件を解決しては去っていく、詳細不明の異常体。


オーダー:「やっぱり来たか。」


レーヴェ:「だなあ。一番厄介なのが。このタイミングで」


アリアンロード:「遠路遥々。ここまで何をしに来たんですか。」


ジャイロ:(M)A級ギルド。「赤い林檎」


林檎:「ーー縁あって。彼らをここから逃がしたい。」


ガロ:「…は…?」


林檎:「やあ。君がガロくんだろ。初めまして。僕は赤い林檎。よろしく」


ジャイロ:「縁あって…?どういう事だ…」


林檎:「いいや。完全に私用だ。君達は僕を知らないだろうし。そこに何も不自然は無い」


オーダー:「逃がすのは結構だが。僕らを前に逃がし切れる自信があるのか。」


林檎:「うぅん。そこがね。少し困ってる。ナンバーズクラスが三人も。これは流石にお手上げだ。」


オーダー:「弁えていて結構な事だな。赤い林檎」


ジャイロ:「…よく分からねえが。お前さんは、俺たちの敵か味方か。どっちだ。」


林檎:「君達からすれば。今は味方になるだろうね」


ジャイロ:「…そうか。簡潔でいいな。」


ガロ:「おい、ジャイロ…!」


ジャイロ:「来い。サーティーン。」


0:鎌が現れる


ジャイロ:「ガロを逃がしてやってくれ。」


ガロ:「は…?」


林檎:「…はは。献身的だね。噂とは随分違うじゃない、異能狩り」


ジャイロ:「どういう訳か、生まれ変わろうとしちまったからな。安心安全、子供でも触れ合える男目指してんのよ。」


林檎:「何故そこまでして彼を守ろうとするんだい?」


ジャイロ:「…。そいつが俺の。仲間だからだ。」


林檎:「…。」


ガロ:「おい、ジャイロ…!何言ってんだよ…!」


林檎:「そういうのは。嫌いじゃない」


ジャイロ:「そうかよ。さっさと行っちまえ」


ガロ:「やめろって…!何考えてんだよお前…!!」


ジャイロ:「相棒!!」


ガロ:「…」


ジャイロ:「一回きりの人生、格好つけて生きなきゃしょうがねえ。この俺様が居ながらリーダー1人、仲間一人、ダチ一人救えねえだなんてオチ、命に変えても認めねえ。そうじゃなきゃあ…!」


ガロ:「おい…っ」


ジャイロ:「傷ついちまうだろうが、名誉。」


ガロ:「ジャイロ…!」


オーダー:「…。」


レーヴェ:「SteinsシュタインズBORROWボロウ


アリアンロード:「定義転換」


ジャイロ:「あばよ、相棒」


ガロ:「待てって、ジャイロ!!」


レーヴェ:「1LimitワンリミットBURSTバーストッ!」


アリアンロード:「くさり。」


ジャイロ:「削り取れ、サーティーン…!!」


ガロ:「ジャイロぉおっ!」


林檎:「ーーーScrambleスクランブル。」


0:ガロはその場から消えた


レーヴェ:「あーあ。逃がしちまった」


アリアンロード:「見事、文字通りその命を持って逃がしましたね。ジャイロ・バニングス。」


ジャイロ:「ーーーごぽっ…。」


オーダー:「…」


林檎:「本当にいいのかい。異能狩り。このまま僕も行ってしまうよ」


ジャイロ:「…ああ?何がいいって言うんだ。」


林檎:「致命傷だ。その出血量は、助からないよ。」


0:ジャイロの周りには大量の血飛沫が飛び散っている


ジャイロ:「…知った、事かよ…。」


林檎:「…」


ジャイロ:「男が一回。命賭けるって言ったんだ。野暮な真似すんなよ。林檎」


林檎:「…。そうだね。僕が野暮だった。」


レーヴェ:「逃がさねえっての…!」


林檎:「来るかい、レーヴェンシュタイン。」


レーヴェ:「…!shiftシフトBURSTバースト…ッ!」


林檎:「Scrambleスクランブル


0:効果範囲から抜け出した


レーヴェ:「ったく。即殺拳、やめろやまじ」


林檎:「君のも大概だろう。それじゃあ、またね。グランシャリノ。異能狩り」


ジャイロ:「…」


林檎:「Scrambleスクランブル


0:林檎もその場から姿を消した。

0:ジャイロは既に息絶え絶え


ジャイロ:「ーーーふぅ。ふぅっ…。はぁ…っ。やっ、と行きやがった。危ねぇ」


レーヴェ:「何が危ないんだ?」


ジャイロ:「俺は弱虫だからな。このまま、逃げ道目の前にぶら下げられてちゃあ、つい言っちまうかもしれねえだろ、逃がしてくれって。」


オーダー:「強くなったな。ジャイロ」


ジャイロ:「うるせえ。今更母親面してんじゃねえよ。ロリババア」


オーダー:「…」


ジャイロ:「だが、これで。まったくもって。後腐れがねえ…!」


レーヴェ:「ああ、俺あいつ好きだな。仲間にしてえ」


ジャイロ:「お断りだ。生憎、浮気はしても。ダチは裏切らねえ主義だ」


レーヴェ:「だははっ。より気に入った。」


ジャイロ:「…ごほっ…。来、い…サーティーン…!」


オーダー:「…。もうやめておけ。死んでしまうぞ」


ジャイロ:「はぁ…?ここでやめたら、ガロを追うのやめてくれのかぁ…?そんな訳がねえよ、お前、は。そんな生ぬるい奴じゃあねえ…っ。だから、サーティーンはこうなったんだ…!」


オーダー:「…。最後だ。もうやめろ。」


ジャイロ:「分からねえか…ッ!俺は、ここを死に場所にするって、そう言ってんだ…っ!!」


オーダー:「…っ。」


ジャイロ:(M)ボーナスタイム、終わっちまったらしい。


アリアンロード:「その目に、一切の諦観無し。見事。ジャイロ・バニングス」


ジャイロ:(M)そりゃあそうだ。俺は元々、こっち側の人間なんだ


アリアンロード:「定義転換」


ジャイロ:(M)馬鹿やって、騒いで、飲んで食って、寝る。十分過ぎたじゃあねえか。


オーダー:「…。」


ジャイロ:(M)あばよ。ガロ


アリアンロード:「鉄槌。」


0:暗転

0:場面転換


0:メキシコ シェフロア山脈


ガロ:「…。」


林檎:「やあ。おはよう。」


ガロ:「…。」


林檎:「異能狩りの献身的な殿によって逃げ仰せたガロンドールくん。」


ガロ:「…ジャイロは。どうなったんだ」


林檎:「さあ。僕もあの場から離れることしか考えてなかったから。あのまま捕まったか、死んでしまったか。それは分からないね。」


ガロ:「…。」


0:立ち上がろうとするが、力が入らず崩れ落ちる


林檎:「まだ立たない方がいい。君も重症だ。」


ガロ:「……。」


林檎:「助けるにしろ、今は、しっかり休養するべきだ。」


ガロ:「……っ…。」


0:ガロは地面を殴った


ガロ:「くそ…っ。くそ、くそくそくそ…っっ…!」


林檎:「…」


ガロ:「くそぉぉおおおおおおおっ…!!!」


0:森中に声が響き渡った


ガロ:「なん、なんだよ…!なんなんだよ…っ…!何が、冒険だ…!何が仲間だ…!ジャイロも、ノエルもっ、カラスも、ヴァンだって…ッ…!」


林檎:「…」


ガロ:「誰一人、助けられなかった…ぁ…!!」


0:手のひらで砂を握りつぶす


ガロ:「頭が悪ぃから…!俺が、弱いから…!何も、何も出来なかった…!!」


林檎:「…。」


ガロ:「畜生、畜生…っ…。」


林檎:「ガロンドール・ウォンバット」


ガロ:「…」


林檎:「不条理を吠えない君は。十分強いよ。立派だ」


ガロ:「…」


0:林檎は仮面を外した


林檎:「ーーー改めて。僕はアレジ・ロンドン。一身上の都合により、勝手ながら君達の力にならせてもらう。」


ガロ:「…アレジ、ロンドン…」


林檎:「自由の代償は、自分で払えばいいだけだ。激動の中に生きるって言うのは、そういう事だ。」


ガロ:「…」


林檎:「君が選べ。君は、どうしたい。君が望むなら、僕は君に世界の終わらせ方を教えたっていい。君の異常性なら、難なく出来るはずだ。」


ガロ:「…」


林檎:「君は、何を得たい。」


ガロ:「…。仲間を。守りてぇ。」


林檎:「うん。」


ガロ:「…っ…それだけだ…!」


林檎:「…はは、それだけが何より難しいよね。まったくもって、難儀だ。」


0:場面転換

0:リベール郊外


ジャガー:「せやなあ。そうなりますわ。いやほんまに。世知辛いでっせ。はい。グローザの件も、そりゃあもう大変でぇ。はい。」


0:誰かと話している


ジャガー:「社長も思い切りましたね。抜け駆けの手伝いだなんて。ええんでっか?ドイツ政府と本格的に対立することになりまっせ。」


0:通話相手は何かを話した


ジャガー:「…。ほんまでっか。ほならはよォ決着付けんといかんですね。中央政府の動きも嫌に敏感や。」


0:ジャガーはネクタイを緩めた


ジャガー:「多分。持ってきとんのは、ニコラシカやと思いますわ。いつ顔出すかは分かりませんけど。中枢議会には顔を出してなかったですね。…はい。了解しました。」


ジャガー:「ーー社命を、遵守します。」


0:何処とも知れない場所


カルビス:「…。そうか。そうなったか。はは、兎にも角にも、やっとこさ尻尾を出した訳だ。ジハンの犠牲は無駄にはならなかったって事だな。」


0:誰かと話している


リットン:「一応、君だから信用して考察を売ったんだ。だっちゅーのに、そんな大きな賭けに出るだなんて。」


カルビス:「ああ。言ったろ。俺はアイツらのもしかしたらに賭けるって。」


リットン:「知らないよ。聞いてないしな。」


0:椅子に座り、書類を眺めている


カルビス:「アストレアと同じ異常体に。同姓同名のアレジ・ロンドンが存在している。これについては?。」


リットン:「ドイツ政府が抜け駆けしている。グランシャリノと結託して、数人引っ張ってきている。何処ぞからは不明だけど。エラーネーム、と呼ばれていることだけはわかってるよ」


カルビス:「…。そうか。つまり、中央のいざこざにはお前らは一切関与してないんだな」


リットン:「ああ。してないよ。誓おう。安心と信頼のリットンだからね。」


カルビス:「ああ、信頼してるよ。俺と同じくらい」


リットン:「信用してないじゃん。それで?そのアストレアと同じ異常体についてはどこまで分かってるんだ」


カルビス:「知るかよ。ただ、グランシャリノ、ドイツ政府、バグテリアに関わりのあるエラーネームってのが中央政府に来た時。即ち、近々起こる中央政府でのアレジ・ロンドン失踪事件に、アリアンロードが関わりに来たのなら。」


0:書類を投げた


カルビス:「この一件に。セノ・アキラの関与は無い。他の誰かが、必ず居る。」


リットン:「私もその線を追っている。そのエラーネームって所の出処が手引きしているんだろうけど。バラエティとグランシャリノがどういう契約をしていたかは不明だけど、ドイツ政府は確実にグランシャリノを潰しに来ているはずだ。」


カルビス:「…。アホレンジャーの中に。ドイツ政府と繋がってる奴が居るんじゃねえか。大体の検討は着きそうだが。厄介なギルドだよ。まじで」


0:煙草を加えた


カルビス:「冒険家。ニーア・ベルメット。元ナンバーズ、オーダー・アルバーナ。」


0:火をつける


カルビス:「出来すぎだぜ。余りにも。」


リットン:「まったくだね。頭が痛いよ」


カルビス:「それじゃあ俺は俺で次の仕事があるんだ。またなぁ」


リットン:「ああ。今後ともご贔屓によろしく、匿名Sくん。」


0:場面転換


0:上空25200m

0:ノアの方舟


グランシャリノ:「ーーーさて。激動が来るよ。」


アガット:「はは。なんか、あれだな。世界を掌握した気分になる。」


レーヴェ:「おぉ〜!!まじで停電してる!!一面だぁ!!すっっげえなぁ〜!?」


アガット:「リベールの飯は美味かったが、仕方がねえな」


レーヴェ:「なくなっちまう前にもっかい行っとこうぜ、アガット」


アガット:「アリ。」


オーダー:「…」


アガット:「にしても、優しいなぁ。オーダー」


オーダー:「何がだ。」


アガット:「いいや。親心ってやつかねえ。」


オーダー:「黙れ。」


アガット:「いやあ、怖い。」


ジャガー:「はい。はい。事は順調に進んでいます。考察屋がどこまで嗅ぎつけるか、ですが。ははは、問題あらへんでしょう。別に。あいつがバラエティに楯突くほど頭悪いようには見えませんし。」


レーヴェ:「グラン」


グランシオラ:「なんだい。」


レーヴェ:「中央政府とは対立。ギルドからも身を引いた。今俺達は、誰よりも自由だ。」


グランシオラ:「ああ。自由の代償は、血で贖う。」


レーヴェ:「はは、相変わらず執念深いなあ。」


グランシオラ:「君が見たかった世界の果ては、私が作ってみせるよ。レーヴェ」


レーヴェ:「だははっ。最高の冒険だぁ、いいね。出立は?」


グランシャリノ:「12月11日、正午の鐘が鳴り響いた時、私達は、激動を終わらせる。」


レーヴェ:「ほぉお。あと二週間後。」


グランシオラ:「最早敵は居ない。後は、向かってくる火の粉を振り払うだけだ。」


アガット:「はは。」


0:グランシオラはリベールを見下ろした。


グランシオラ:「さあ。獲ろうか。世界を」


0:全員が各々、同時に返事をした。


レーヴェ:「おう!」


アガット:「はいなっ。」


オーダー:「…。」


ジャガー:「了解や」


アリアンロード:「畏まりました。」


0:グランシオラは空を見上げる


グランシオラ:(M)姉さん。どうか見ていてくれ。これが、私たちの思い描いた、終末だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ