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花火
儚く散る花火。
私は夜の暗い中、線香花火で妹と一緒にあそんでいた。
家の縁側には両親や祖父母が座りながら見守る。
パチパチと爆ぜながら花火は徐々に弱くなっていく。
私はそれをじっと見つめる。
妹もだ。
線香花火は唐突にポトリとオレンジ色の先端が地面に落ちた。
先に私の花火が終わってしまう。
ちょっと悔しくなったけど。
母がスイカを切り分けたからと呼んでくれた。
私は妹に言ってから縁側に速足で急ぐ。
スイカを受け取りかじりついた。
じゅわっと甘い果汁が口の中に広がる。
シャリシャリとした歯ごたえに線香花火の事はどこかに行ってしまう。
ドォーンと空に大輪の花火が突如打ち上げられた。
線香花火が終わってしまったらしい妹も走ってこちらまで来る。
皆で見入ったのだった。




