序章
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本作品は過去ファンタジー小説大賞に投稿した作品です。しかし力及ばず選考の途中で落ちてしまいました。投稿してからでは遅いのですが、ページ制限の手前半分以上短縮して書き、描写が中途半端になってしまった部分がありやはり悔いがないといえば嘘になります。火・金週二回ずつの更新を目標としながらそんな悔いの残る部分を修正しながら投稿を続けたいと思っております。本文もお読みいただければとても嬉しいです。
ブログでは世界観の補足などを行っていく予定です。よろしければこちら<http://ameblo.jp/ikuto-bl/>もご覧ください。
人が生き、業が存在した。しかし業を行えば、業が返った。
一人の少年がいた。彼は何かに駆られるがまま旅に出た。余りに衝動的で、計画も何もない旅だった。彼は何を見て、何を感じ、何を行うのだろうか。
世界には人外がいた。人外は人のように立ち、言葉を話し、道具を使った。しかし、決して人ではなく、彼らは獣と呼ばれた。彼らは人と獣の間を揺れ動いた。
かつて、地上を支配していたのは人だった。人外の血がそうさせたのかいつしか獣は知恵を付けた。知恵を付けた獣は人外を中心とした血族を挙げ、まず人と争った。いつしか獣は血族などという垣根を越え、更に結託し集団を作った。次に国と争った。多くの人々が故郷を追われた。人はそれを神に対し罪を犯し続けた結果だと信じ、一層神への信仰を誓う。
大陸があった。大陸は巨大で、かつて人が広げる支配地域を縫うように人外とその血族は存続してきた。見よ。今や人の姿はどこにも無く、獣が我が物顔でかつて人の支配した大地を駆け巡る。人は怒りに猛り、一層神の名の下神に背く外道どもを駆逐した。
西の大国シルブハス。幾つもの大国が連なり出来た彼の国は、人にとって唯一残った楽園であり、全てを失った人々はただひたすらにその地を目指した。その地こそが希望であり、悲しみを癒し、全てを失った己に何かを与えてくれると全ての人が信じた。暗闇に底は在らず。人はシルブハスへ向かう。傲慢な彼らは、まだ己が失うものを持っているとも知らずに。
彼方に消えた光。愚かにもその光を忘れず人はひたむきに生きる。
百余の業を重ねても信仰は得られず。
辺境の地に根付く者ども。老人は叫んだ。その信念の下その者どもは愚鈍に生きたが、大いなる御力の前に容易くその者どもは滅び、奴らの言うミシマへと消え行った。万物に霊性を思い込み、山木を敬う邪教の者どもの血を神に捧げ、見事我らは理想郷の園に成る果実が如きを得た。
我らの目の届く地に最早神に仇為す者おらず、我らはその御力を更に広げる。
鬱木な夜。光を失った夜には幾許の真実すら無く、ただ真っ直ぐに見据える。鼓動は打ち続けながらも、湖はひたすらに星を映し続ける。湖面の波は光を震わせながら、遠く遠く追いやられていく。強い感情が襲う。あの波は、一体どこへ向かうのだろう?
見ろ。湖は、余りに静かで。




