学園に戻ります!
先輩についての件もひと段落した頃、病院からも通学の許可が正式に出たため、学園への復学が決まった。
そして今は、寮に戻るため荷造りの真っ最中だ。
「そんなにすぐ寮に向かわなくても、しばらくは家から通ってもいいって許可も出てるのよ? 」
体を気遣う母に、首を振る。
「ううん。あんまり遅くなると、もう夏休み始まっちゃうでしょ。……やっぱり友達とも早く会いたいし」
いくら下からの持ち上がりとはいえ、夏休み後の完全にグループが出来上がったところに混ざるのはなかなかつらい。
それに、主人公こと転入生が現れるのは9月、夏休み明けだから、その前にできることがあればなんとかしておきたい。
ーーもう学園には戻らない方がいいのかもしれない。
そんなことも考える。でも、あの記憶が正しかったのか、学園に戻ってこの目で確かめたい。
自分にはあれがただの夢だとはどうしても思えなかった。
それに、もし俺がこのまま別の学校に行ってしまったら、単に俺の代わりに誰かが悪役になってしまうのかもしれないのだったらーーそれは、親衛隊の他の友達かもしれない。それこそ、杞憂にすぎないが。
夢の中のゲームの俺は、「悪役」だった。
もしも、仮に、ゲームの通りに進んだら、麻里弥は転入生を虐めたせいで、退学処分になってしまう。
正直、麻里弥は今までの自分なら、転入生いじめない自信はない。
前の自分は会長に心酔していたし、高校に上がり同じ校舎になっても話しかけることすらできない中で、突然現れて仲を深める転入生に嫉妬したのだ。きっと。
家族のためにも、悲しませるようなことはしたくないと強く思った。
…………まあ、この家族なら退学くらい笑って他の学校に転入させるか留学させるような気はするが……。




